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高齢者医療支援で…経団連、連合が政府批判の声明
画像の拡大 大企業の会社員や家族が加入する健康保険組合の財政が悪化している。全国1473組合の2009年度決算(見込み)の経常収支は5235億円の赤字で、制度が始まった1927年以来最悪となった。
高齢者医療を支える拠出金の負担が保険料収入の約5割に膨らんだ。日本経団連や労働団体の連合は6日、「これ以上の負担拡大は、国費で対応すべきだ」と政府を批判する声明を発表した。
全国の健保組合が過去最悪の経常赤字となったのは、08年度の制度改定で「65歳以上の高齢者医療給付を賄うための拠出金が重すぎる」(健康保険組合連合会)ためだ。09年度の拠出金は2兆7188億円と、保険料収入の約46%に達した。景気回復の遅れから従業員の給与が減少し、保険料収入が前年度より3・7%減ったことも響いた。赤字の組合は全体の8割にあたる1184組合に達し、前年度より153増えた。
厳しい財政から解散に追い込まれる組合も増加傾向にある。09年度の組合数はピークの92年度より2割少ない1473に落ち込んだ。
一方で、保険料率を引き上げる動きが相次いでいる。NECの健保組合は10年4月、従来より0・2ポイント高い7・9%まで引き上げた。保険料率の上昇は4年連続だ。日産自動車でも10年3月から従来に比べて0・74ポイント高い8・02%にした。
約12兆円にのぼる高齢者医療給付のうち5割は税金で賄われ、残りを健保組合や、中小企業の従業員や公務員らが加入する組合が拠出している。政府が検討中の高齢者医療の制度改革案は、企業や従業員が負担する保険料引き上げを財源に当て込んでいる。日本経団連の米倉弘昌会長は6日の記者会見で「現役世代に過度の負担をかけるのは限界に来ている」と指摘した。
経済界では、「高齢者医療を含む社会保障制度の抜本改革に必要な消費税増税の論議を早く進めるべきだ」(経団連幹部)とし、超党派による財源確保の協議を求める声が強まっている。(山本正実)
(2010年12月7日 読売新聞)
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