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http://www.j-cast.com/2010/12/01082343.html
米外交の機密文書25万点をインターネット上で公開し始めた内部告発サイト「ウィキリークス」。事前に世界の主要紙に機密のデータを渡したため、各国で大々的に報じられた。
ところが、メディアの中に米ニューヨークタイムズ紙(NYT)は含まれていなかったようなのだ。実はNYTが、以前記事でウィキリークス創設者のジュリアン・アサンジ氏をこき下ろしており、それが原因ではないかといわれる。当のアサンジ氏は、強姦の疑いで国際手配される身となったが、その素顔はどのようなものなのか
「仲間に見捨てられつつある」
米ワシントンポスト紙(WP)は2010年11月29日、「ニューヨークタイムズを袖にしたウィキリークス」という記事を掲載した。それによるとウィキリークスは、入手した米外交公電25万点の提供先からNYTを除外したという。このためNYTは英ガーディアン紙に情報協力を依頼し、紙面に間に合わせたとしている。
ウィキリークスは11月29日、公式ツイッターに、ガーディアンや仏ルモンド紙などと並んで、NYTが「米外交公電に関する記事を掲載した」と投稿した。だが実際は、NYTは「別ルート」からの入手に頼らざるを得なかったわけだ。WPの記事では、NYT編集部のコメントを紹介。なぜNYTが外されたのか理由は思い当たらないとしながらも、同紙が掲載したアサンジ氏に関する記事が影響しているかもしれないと述べたという。
問題の記事は、ウィキリークスがイラク戦争に関する機密情報9万点を公表した直後の10月23日付。NYTの記者が、多数のウィキリークス関係者に取材してアサンジ氏の人物像に迫ったものだが、内容は辛らつだ。天才ハッカーの評価が高い一方、横柄で独善的な態度のせいで仲間たちに見捨てられつつあるとした。
活動を共にする一人が、アサンジ氏の判断内容について疑問を呈すると、罵るような口調で「オレはウィキリークスの心であり魂だ。オレがイヤなら組織を出て行け」と聞く耳を持たなかったという。最近になって、十数名のボランティアスタッフがアサンジ氏に幻滅してやめていったとの証言もあるようだ。
強姦容疑で国際指名手配
記事に対してウィキリークスは、公式ツイッターですぐさま反論。記事を「ゴシップ的な人物評」として、「悪しきジャーナリズムの事例で、最初から最後まで間違いだらけ」と猛反発した。怒りが収まらなかったのか、10月25日付のツイッターでは「NYTの『ゴシップ記事』に対する読者の非難」と題して、掲示板サイトをリンク。見てみると、該当記事に対して「アサンジ氏はNYTより優れた仕事をしている。(NYTの)ジェラシーだ」「NYTに優秀な調査報道記者なんて、もういないよ」「NYTはジャーナリズムじゃない。消えゆく産業の消えゆく組織だ」など、多くの厳しい批判であふれていた。
しかし、アサンジ氏の気性の激しさを垣間見る場面があった。10年10月22日、米CNNのインタビューで、アフガニスタン戦争やイラク戦争の情報を公開した意義について、10分以上雄弁に語っていたアサンジ氏。ところが女性記者から、「スタッフが辞めるなど、組織内でゴタゴタがあるようだが」と質問されると、「組織の事情は、ここで語ることではない」と不機嫌な様子を見せ始める。
さらに記者から、アサンジ氏がスウェーデンで強姦容疑に問われたことに触れられ、「個人的なことは話したくない」「今回のインタビューは、趣旨が違うはずだ」と、冷静さを保ちながらも憤慨。記者から「あなたの法的問題が、ウィキリークスという組織に影響していないかを聞きたいのです」と畳み掛けられ、とうとう「本当にひどいインタビューだ。失礼」と席を立ってしまった。
だが、強姦容疑は晴れるどころか、事が大きくなっている。11月30日になって国際刑事警察機構(ICPO)は、アサンジ氏を国際指名手配したのだ。世界各国を逃げ回るアサンジ氏だが、ウィキリークスに絶大な影響力を持つだけに、逮捕されることになれば組織の今後の活動に大きな打撃となる恐れがある。
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