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呪も怨も人名漢字に復活「悪魔くん」騒動懸念も
読売新聞 11月29日(月)3時5分配信
人の名前にはそぐわないとして、かつて人名用漢字候補から外された「賭」「怨」「尻」など34の漢字が、30日内閣告示される改定常用漢字表で“復活”する。
常用漢字は人名に使えるため、1993年に「悪魔」という名の出生届が出て騒動になった例のように、「想定外の名前」を警戒する声も出ている。
戸籍法は、人名に使える字を「常用平易な文字」として、同法施行規則で〈1〉常用漢字〈2〉人名用漢字(985字)〈3〉カタカナ、ひらがな――を指定している。しかし、今回常用漢字に加わり、人名にも使えることになった字のうち34字は、2004年、法制審議会の部会が当時の人名用漢字を増やす案をまとめた際、パブリックコメントなどで「人名に不適切」と批判され、削除された経緯がある。
1993年、長男の名を「悪魔」とする出生届が出された東京都昭島市。神山達夫市民部長(60)は今回の34字復活に、「人名に使われる可能性が考慮されていない」と困惑する。
「悪」「魔」とも常用漢字で、当時市はいったん出生届を受理。後に不適切として戸籍から抹消した。
父親の不服申し立てを受けた東京家裁八王子支部は審判で「命名は原則親の自由だが、明らかに不適当な場合は受理を拒否できる」と述べ、「悪魔」も命名権の乱用に当たると判断した。ただ、いったん受理した手続きは進めるべきだとして市側に「悪魔」の戸籍記載を命じた。その後父親が別の名前を届け出て騒動は幕を閉じた。国は現在も「明らかに不適当な命名」の基準は示しておらず、出生届には、まず自治体が受理するかどうかの判断に直面する。戸籍法を管轄する法務省民事局では「自治体から親権乱用などの疑いのある事例が上がってくれば対応を考える」と話している。
人名に使用可能になる漢字の例
咽 怨 骸 股 弾 斬 叱 呪 尻 狙 賭 膝
最終更新:11月29日(月)3時5分
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