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11月8日、首相官邸で開かれた新成長戦略会議では、景気回復に向けた重要な議題として新卒者の採用が取り上げられた。菅首相自ら企業への積極的な採用を呼びかけたように、学生の就職率の低下は、今や社会問題化しているといっても過言ではない。
しかし、この“就活”こそが、「学生や企業、ひいては日本経済にも悪影響を及ぼしている」と語るのは、『就活革命』(日本放送出版協会)の著者で企業コンサルタントの辻太一郎氏。辻氏によれば、その問題の本質は、世界的に見てもかなり特殊な日本の採用システムにあるという。
例えば面接。日本ほど、企業が採用に際して面接を重視している国はないのだとか。しかも、学生も面接対策をしてきているので、詳しい本音を引き出そうとすれば、何度も面接を繰り返す必要がある。辻氏はこれを企業と学生の「いたちごっこ」だと言う。そのため就活が長期化し、採用ひとりにつき100万円以上ともいわれる企業側のコストも増加していく。
しかも、それだけのコストと時間を掛けてもいい人材が採用できておらず、「学生の質が落ちている」と各企業の採用担当者たちは口をそろえる。しかし、その学生たちも「大人がつくった仕組みの犠牲者」であり、「現在の就活そのものが、学生を弱め、質を落としている面もある」と、辻氏は指摘する。
その理由は、就活の第一歩である「自己分析」にあるという。
「大学の就職サポートセンターでも自己分析をしろといわれるし、面接でも同じようなことばかり聞かれます。それでは学生は就活の期間を通してずっと自分探しをしているようなもの。『最近の若者は内向きだ』と言う人がいますが、大人が内を向かせているんです。その結果、『自分はこういう人間だ』と決めつけてしまう人もいるし、『こんな仕事ができるはずだ』と思い込んでしまう人もいます。上司に少し叱責されただけで辞めてしまう、弱い社員をつくってしまっているようなものです」(辻氏)
また、大学の成績がほとんど重視されないことも、学生の質を落とす一端になっている。ちなみに、日本以外のほとんどの国では、採用にあたって大学の成績が最も重視される。しかも、学生を見極めるためになるべく直近(例えば4年前期)の成績を見られるから一生懸命勉強する。一方、日本の大学生はというと、ちょうどその時期に就活に明け暮れ、勉強がおろそかになってしまっているのだ。
整理すると次のような“負のスパイラル”が見えてくる。企業が大学の成績を重視しないため、学生が勉強しなくなる。そして学生が勉強に集中せず、大学を就活のための自己分析や面接対策のネタ作りの場と捉えるため大学も活力を失い、学生の質がいっそう低下。結果として、少しでも優秀な人材を確保しようと、企業は更に募集を早期化させていく……。
学生も企業もダメにしているのは、何よりもこのガラパゴス化した日本の採用システムなのかもしれない。
(取材/川田あおい)
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