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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101001-00000662-san-soci
特捜部主任検事の証拠改竄(かいざん)から、前特捜部長らの隠蔽(いんぺい)に発展した今回の事件は、検察史上最悪の事態と言える。現実的にこんなことが起きたことは悲しいし、検察、そして特捜部のOBとしては国民に謝罪したい気持ちだ。
真相解明はこれからだが、報道によると、主任検事は「故意の改竄を報告した」と供述し、前特捜部長は「報告を受けていない」と供述しているという。犯人隠避罪は構成要件は厳しい上、双方の供述が食い違う中での逮捕というのは難しい判断を迫られる。だが、最高検は、疑惑を残したまま捜査するのではなく、厳正に対処して真相を解明するという強い姿勢を示したのだろう。前特捜部長らの逮捕はやむを得ない判断だと思う。
逮捕された前特捜部長らは、自らの監督責任を問われることを懸念して地検の検事正ら上司に報告しなかったのかもしれないが、地検内で問題を処理することはあり得ないこと。公正さと透明性を保つため、地検から高検に報告するのが検察のルールである。
隠蔽した事実が、物証の改竄というのも、悪質さを示している。供述は変遷する可能性があり、あいまいなものだが、物証はウソをつかない最重要の証拠だ。経験に基づいて事件の筋読みをし、証拠を丹念に点検していくことで、供述にも信用性が出てくる。供述に頼らない捜査の在り方も検証されるべきだ。
また、今回の事件は関西検察の問題点を浮き彫りにしたとも言える。関西圏内で人事異動を繰り返すため、非常に仲間意識が強い。これが事件の温床になっているとも思う。
だが、この事件を受けて特捜部を解体すべきだというのは短絡的だと思う。今まで特捜が果たしてきた歴史、役割というものがある。例えば、政治とカネの問題、50年体制の解体など特捜部は社会のリーダー的役割を果たしてきた。
特捜部の若手検事による内部告発によって発覚したことが一縷(いちる)の光だ。正義感のある検事らが事態を冷静に判断し、告発した。彼らのような告発する勇気を持つ検事がこれからの検察を支えていくものだと信じている。
検察はこれだけの不祥事を起こしたことを重く受け止め、国民に謝るという意味で、検事総長をはじめ、問題の端緒となり、厚生労働省元局長の村木厚子さんの無罪が確定した郵便不正事件の捜査で決裁にかかわった幹部は総辞職すべきだろう。そういう覚悟を持って一から出直すことが求められている。
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