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東京都の施設で臨時職員として司書をしてきた女性(66)が、契約更新を繰り返して結局、20年以上も勤めていたことが分かった。臨時職員は、交通費や諸手当の支給がなく、地方公務員の医療保険にも加入できない。都は「20年も臨時で働いた人がいたかは確認できないが、いたとしても法的な問題はない」としているが、法律家からは「労働者の権利を守る多くの法を無視した行為だ」と批判の声が上がっている。
女性は都立施設内の図書室に司書として勤務。専門書や自治体の統計書などを管理し、職員への貸し出しや資料整理などの仕事を一手に引き受けていたという。しかし、臨時職員に関する都の要綱は「1回2カ月の勤務で、やむをえず更新する場合も連続雇用期間が6カ月を超えることができない」などとしている。このため、女性は2カ月に1回契約を更新。近年は、5カ月働いて1カ月休むという勤務形態を続けていたという。
女性は「長年、2カ月ごとに契約を交わすことに疑問を感じていたが、やりがいもあったし、仕事を失いたくないので続けていた」と話している。
都には約600人の臨時職員を雇用している局もあり、同様の状態にある「臨時職員」は他にもいる可能性がある。
労働問題に詳しい弁護士は「臨時とは言えない継続的な仕事を任せながら、20年も社会保険のない不安定な雇用状態を続けるのは極めて問題だ」と指摘している。【田村彰子】
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