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野党各党は柳田法相が辞任しない場合、衆院で不信任決議案を、参院で問責決議案をそれぞれ提出する方針を決めたそうだ。大臣就任記念パーティーでの、柳田法相の発言が国会を軽視していると云うのが、その理由である。その問題の発言の前後が、植草一秀氏の「知られざる真実」に記されている。
(以下「柳田発言」を転載)
9月17日、新幹線の中に電話があって、「おい、やれ」と。何をやるんですかと言ったら、法相と聞いて「えーっ」と言ったんですが、何で俺がと。皆さんも「何で柳田さん法相」と理解に苦しんでいるんじゃないかと思うが、一番理解できなかったのは私です。私は、この20年近い間、実は法務関係は1回も触れたことはない。触れたことがない私が法相なので多くの皆さんから激励と心配を頂いた。法相とはいいですね。二つ覚えておけばいいんですから。「個別の事案についてはお答えを差し控えます」と。これはいい文句ですよ。これを使う。これがいいんです。分からなかったらこれを言う。これで、だいぶ切り抜けて参りましたけど、実際の問題なんですよ。しゃべれない。(今一つは)「法と証拠に基づいて、適切にやっております」。この二つなんですよ。まあ何回使ったことか。
(転載終わり)
柳田氏は、東大工学部船舶工学科卒。造船技師として民間企業に勤め、90年に旧民社党から政界入り。参院3期目で、民主党参議院幹事長、財政金融委員長、厚生労働委員長などを歴任。本人も認めるように、法相が務まるような経歴ではない。菅首相が言う適材適所の「400人内閣」であれば、法相に法律家を据えるはずだ。処が、法律に詳しい者を法相に据えなかった。当然なんらかの理由があったはずだ。
処で、菅内閣の要で、組閣に影響力を与えた仙谷官房長官。彼は64年に東大に入学し、全共闘のリーダーとして活動したと言われる。全共闘とは全学共闘会議の略で、60年代中ごろからの大学紛争の時期に日本各地の大学に作られた組織。50年代後半から60年安保闘争を主導した全学連との違いは、国家権力(=警察力)には暴力で対抗することを肯定したことである。当然、多くの学生が離れて行った。
そして全共闘内部では、路線闘争と言われる争いが起きた。デイベートでの争いが暴力と結びついた。初めは集団の小競り合い程度だったのが、次第にエスカレートし、鉄パイプによる「内ゲバ」へ。さらには、後年の銃撃戦をする連合赤軍へと変化したのであった。仙谷長官は学生時代に全共闘のリーダーとして活動したと言われるが、学生時代にどのような活動をしたかは、殆んど知られていない。
だが現在の彼の政治手法と、当時の彼の活動と無関係ではないだろう。彼の発言は多くの人が指摘しているように、その場限りのデイベートに勝つことにある。だから、後でボロを出すことになる。この程度ならご愛嬌ものであるが、国会答弁などを聞いていても分かる通り、陰湿で恫喝的である。そこに、過去の全共闘の翳(かげ)を感じるのは、筆者だけではないだろう。その他にも感じることはあるが、控えておく。
全共闘が分裂し過激化したのは、左翼学生が大同につかず小異を争ったことにある。菅首相と仙谷官房長官が組閣に当たって、国民の負託に応えると云う「大同」より、代表選で争った「小異」を意識したと見るのは偏見だろうか。組閣の時点で、東京第5検察審査会の議決内容を官房長官は知っていた。法相に法律に詳しい者が就けば、法務省・検察庁に影響力を行使し難い。彼がそう考えたとしても不思議ではない。
処が、粛々と行くはずであった中国漁船船長の逮捕が、思わぬ方向に動いた。柳田法相の力量不足が如実に顕れ、仙谷官房長官が表に出たのは必然であった。菅内閣の力不足は柳田法相だけではない。メドベージェフ・ロシア大統領の北方4島訪問を許した前原外相。国会でファッション撮影をした蓮舫大臣。企業献金の受け入れを言い出した岡田幹事長。挙げて行けばキリが無い。それは起きるべくして起きたのだ。
そして、多くの国民が期待した「国民の生活が第一」の旗印は、無残なまでに引き裂かれている。柳田法相への不信任決議案や問責決議案は、「出るべくして出た」ものなのである。9月の民主党代表選挙で、菅直人氏に投票した議員や党員・サポーターは、今何を思っているのだろうか。政治家が持つ理念・資質ではなく「ころころ首相を代えるのはよくない」とのマスコミの意見に、彼らが迎合した結果が、今の様(ざま)なのである。そしてそれを煽ったマスコミは決して責任を取らないのだ。
追記)柳田法相の発言は、6年前の第2次小泉改造内閣で南野智恵子法相が答弁に窮して、「何分専門家ではないもので」と述べたのと比べれば、自らの法相としての不適性・無能を認める点では甲乙付け難く、国会軽視も同じようなものだと思う。
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