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2010年11月19日
仙谷の発言が正しい事もある 国家権力やメディアは「暴力装置」そのものだ
しかし、国会議員の知的レベルと云うものは相当に低い。日本の論壇やマスメディアの劣化と、どっちが先で後か考える必要もないが、両方とも益々劣化している。最終的には、国民の劣化が反映したものか、前記が劣化したから国民も劣化したのか?後先はどうでも良いが、兎も角すべてが劣化している。筆者自身も相当に劣化していると、己に問うことは暫しだ。
国会なんてものは、見るだけ不快になるし、茶番劇。 国会議員の歳費や政党助成金の
アリバイ作りのような装置である、とつくづく思うので、殆ど無視している。しかし、ここ最近の衆議院・参議院の与野党の議論の中で、気になるものが幾つかあった。
第一は仙谷官房長官の「自衛隊・暴力装置」発言だ。鬼の首を取ったようなメタボ市場原理主義者・世耕弘成の猛烈抗議に、「実力組織と言い換える。自衛隊の皆さんには謝罪する」とあっさり撤回謝罪してしまった。
自衛隊が「暴力装置」と云う考えは、政治・社会学など社会科学の学術分野では「常識」、警察や自衛隊、海保などは歴然たる「暴力装置」と云う位置づけが定説である。
なにも仙谷の思想が未だに社会主義から抜け出していないと等と云う妄言を声高々に発する政治家やメディアも多いようだが、明らかに合法化された「暴力装置」そのものである。
仙谷は社会主義に一時仮住まいしただけの男である。 おそらく、その「暴力装置」と云う語彙を国会の質疑の場で発言したのは不適切かもしれないが、仙谷が間違ったことを発言したわけではない事実は明確にしておきたい。
論壇発言と云う意味なら、自民党石破政調会長は自身の著書「軍事を知らずして平和を語るな」の中で
『…では、軍隊と自衛隊の違いを紐解きましょう。まず、国家とはなんだろうというところから考える必要があります。国家という存在は、国の独立や社会の秩序を守るために、暴力装置を合法的に独占・所有しています。それが国家のひとつの定義だろうと。暴力装置というのは、すなわち軍隊と警察です。日本では自衛隊と警察、それに海上保安庁も含まれます。…』
てなわけで、特にギャアギャア云う話ではない。谷垣までが喚いているが、最大野党の総裁だろう、騒ぐ次元をわきまえよ。
筆者の考え方なら、国家権力からお墨付きを貰って行動する組織やその行動は、合法的な場合「正しい暴力装置」として作動する。
しかし、それら国家権力装置は合法と云う名の下、脱法的手段を講じた時、ただの「暴力装置」に一瞬に変身することを、国民は仙谷・世耕の論戦から読みとってもらいたい。
この議論を拡大解釈して行くと、そこに三権分立の各権力に国家権力がある事実も忘れない方が良いだろう。官僚組織の「暴力装置」、司法組織の「暴力装置」と云う事だ。
これら一見「暴力装置」のように見えない権力も、実は既存の「暴力装置」警察・検察・海保・自衛隊を通して「暴力」を具現化出来る「暴力装置」の「隠れ暴力装置」である。この考えを延長させれば、既得権益で自社の経営の基盤を守り、捏造的報道を繰り返す「日本のマスメディア」も「隠れ暴力装置」の範疇に含まれる。
次の話題が柳田法相の「個別の事案については答えを差し控える」と「法と証拠に基づいて適切にやっている」の2つを覚えておけば法務大臣の職責も何とかクリアーするものだ、と云う発言が「国会軽視」だと、今や「辞任寸前」に追い込まれているようだ。
まぁ幾分お茶目な発言を地元後援会の集まりで口が滑らかになった不謹慎発言といえば不謹慎だとも言える。しかし、この人物が風変わりなだけで、特に本気で国会を軽視していたとも思わない。鳩山邦夫と云う懐かしい法務大臣もいた。「友達の友達はアルカイダ」とあまり変わりのない話だ。ど素人に法務大臣が務まるかと云う議論は正当ではない。前法務大臣は弁護士だったけど、何もしなかった。千葉景子さんの事だよ。
≪柳田稔:旧民社党・川端グループ所属鹿児島県鹿児島市出身。本籍は広島県福山市。鹿児島県立鶴丸高等学校卒業後、1973年に東京大学教養学部理科T類に入学するも中途退学し、寿司職人になる。1981年に東京大学工学部船舶工学科へ再入学 し、1983年3月に卒業。同年4月に神戸製鋼所入社。呉工場に配属。1990 年の第39回衆議院議員総選挙に旧広島3区から民社党公認で出馬し、初当選。(wikipedia抜粋)≫
法務大臣と云う職責は日本の政治の中で、特異な所轄大臣なのだと思う。法務という職責上、先例が優先されるので、実はあまり日常的に職務に忙殺される事が少ない大臣なのである。法務大臣が法務省改革に孤軍奮闘した等聞いた事がない。その上、検察不祥事、小沢陸山会と検察審査会問題と、官邸主導を余儀なくされる法務行政が控えており、柳田はババを引いたのである。本人は辞めてもいいと腹で思っているだろう。
川端の顔を立てたような人事でありながら、厄介な大臣を引き受けさせたのである。
しかし、柳田法務大臣が 千葉景子のように法律のプロでありながら、一切職務もせず、辞任直前の「死刑執行」をしたのが唯一の足跡と云う訳ではないのだ。
彼は一定の功績を上げている。
眠れる獅子のような「検察官適格審査会」を11月16日夕刻に開催、目覚めさせたのである。GHQの検察官は「公選で」を時の法務官僚が必死の抵抗で阻止。その代わりに設置した「検察官適格審査会」を動かした法務大臣である。(仮に官邸主導であっても柳田の功績だ)
今回の「検察官適格審査会」は、村木厚子さんの事件で、大阪地検特捜部、「村木さん逮捕」「起訴」「論告」などを取り仕切ってきた上級庁(大阪高検・最高検)の幹部をも審査対象とした請求が三井環元大阪高検公安部長から提出されており、その検察官らの適格性を審査するのだから、本来はマスメディアが大々的に報道しなければならない、司法の改革のウネリ的出来事なのだ。
またこの「検察官適格審査会」のメンバーも注目に値する。メンバーは衆議院議員4人、参議院議員2人。さらに最高裁判事、日弁連会長、学士院会員、有識者らが加わる。合計11人で、3年に1度、全検察官の適格性 を審査するのだが、国民からの申し立てがあれば随時審査を開始することができる。これが動き出したのである。
国会議員は民主党の森ゆうこ参議院議員、辻恵、川内博史、高山智司衆議院議員とウルサ型がズラリと並んでいる。もろに親小沢議員らで固まっている。
難点は、有識者の枠で原田明夫(元検察庁検事総長)が入っている事だ。まぁ曲がりなりにも、期待のできるメンバーで始動したことは今後に期待を抱かせる。
法務大臣が設置した「検察のあり方検討会議」(座長・千葉景子前法務大臣)は、今回の「検察不祥事」を受けて検察組織の全体について意見交換する場である。検察庁法に規定され、また「検察官のチェック機関」である検察官適格審査会の審査とは一線を画し、あり方検討会議は検事の適格に足を踏み入れない矜持が必要だろう。千葉景子が座長かとなると、端から期待の言葉が消えていきそうだが、騙されてみようではない。
これも柳田の功績だ。検討会議のメンバーも信ずるに足る人物が顔を揃えている。
大阪地検特捜部の証拠改ざん・隠ぺい事件を受けて設置する「検察の在り方検討会議」のメンバーについて、柳田法相は、ジャーナリス ト・江川紹子さんら14人を委員として選出したことを明らかにした。柳田法相は「国民の検察庁に対する信頼を回復しなければならない。改革策をご 提言いただきたい」と述べた。
「検察の在り方検討会議」は、柳田法相のもとに、外部の有識者によって構成される第3者機関で、座長には、千葉景子前法相の起用が決まっている。
「検察の在り方検討会議」委員名簿
【座長】千葉景子前法務大臣(弁護士)
【委員】石田省三郎弁護士、井上正仁東京大学大学院法学政治学研究科教授、江川紹子ジャーナリスト、郷原信郎元東京高等検察庁検事(弁護士)、後藤昭一橋大学大学院法学研究科教授、佐藤英彦元警察庁長官(警察共済組合理事長)、嶌信彦ジャーナリスト、高橋俊介慶應義塾大学SFC研究所上席所員、但木敬一元検事総長(弁護士)、龍岡資晃元福岡高等裁判所長官(弁護士)、原田國男元東京高等裁判所判事(弁護士)、宮ア誠元日本弁護士連合会会長(弁護士)、諸石光熙元住友化学株式会社代表取締役専務(弁護士)、吉永みち子作家、と一定の議論が可能なメンバーになっている点は評価できる。但木敬一元検事総長の参加は気分的に嫌だが致し方ないだろう。
最近の国会論議の中でつまらないモノの中から、敢えて気になった議論を抽出して語ってみた。正直、国会の各党幹部レベルによる、日米安保の国益論議とか、無関税貿易の功罪議論とか、日本の将来的外交のスタンスとか、国連常任理事国が有する拒否権問題、少子高齢化を含む構造的局面における税制議論、選挙における格差是正の抜本的議論などを展開して貰いたいものだと、つくづく思うわけである。
小沢一郎が18日の支持新人議員の会合で「破れかぶれ解散の可能性がある」と疑念を伝え、「現状で解散されたら、新人は一人も残れない」と厳しい読みを披露した。なにやら、そのような流れがゼロではない風も幾分感じる今日この頃である。
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