09. 2010年11月19日 14:25:58: LbkZWfNpPs
投稿者さんの考えを支持しています。法律論は素人ですが 私なりに柳田問題を考えてみました。 柳田大臣は法の素人だったことは間違いない。 人選にあたり、大臣級の法律家にはまともなのは辻恵氏など小沢氏支持ばかり 菅・仙石は、あやつりやすいと思ったか、 人がいなくて、彼に白羽の矢がたった。 まったく法律の素人ではまずいと考えて 副大臣に、小川敏夫(立教大法学部)、政務官に黒岩宇洋(東大法学部中退) いずれも、菅支持の中物・小物の法律家を配して、バランスをとった。 当初はたしかにこれから勉強します、おいおい、それでいいのかと思った。 たしかに答弁も2つの答弁ばかりだった。 検察審査会の疑惑も法務局長に答弁させてはぐらかしていた。 ただ、これは、逆かもしれない、もし法務大臣が第五検察審査会に疑惑があるといったら、検察ストーリーは崩壊する。だから、法務官僚は、柳田氏が法律家でないことをよいことに法務官僚・検察官僚のやりたいほうだいにできると思っていた。 が、2ヶ月以内に、柳田大臣はひそかに作戦をねっていた。 検察ありかた検討会議だ。 千葉前法相を委員長にしたのは、不安をもったが、 職を離れた千葉氏は、自由にやらせてもらうと特捜解体も会議の議題とした。 柳田氏は、特捜解体を視野にいれ、郷原信郎、江川紹子に直接電話して 解体的改革をしたいからぜひくわわってほしいと頼んだ。 そのいきさつは、郷原信郎氏のツイッターに詳しい。 法務官僚にとっては、大臣をはがいじめにしてでも阻止したいびっくりする人事だった。 こうして委員人事のある程度は柳田人事が反映した。 法務官僚は事務局人事を独占してあやつろうとしたが、それも拒否された。 あわてて、松山地検に転勤したばかりの黒川弘務氏を官房長付にして事務局に入れた。 民間人になった千葉氏はありかた検討会議は原則公開、特捜解体も議題にあげるとする。 郷原、江川氏は特捜解体論者である。どこまで反映されるか、おそらく巻き返しはあろうが、検察ありかた検討会議は、法治国家日本のありかたを本気で議論してもらいたいのである。 だが、検察は当然、そんなことは喜ばない。なぜなら、検察は「えらい」からだ。検察庁は法務省の外局扱いで、原則的には行政組織である。が、法務事務次官は、ほとんどが検察からの派遣で、法務省内では検事総長、検事長(8つのうち東京検事長がトップ)、次長検事等のあとにようやく事務次官となる。だから、法務省では自分より格上の検察改革はできない。法務官僚は検察の意向をくんで行動することになる。 だから、検察のありかた検討会議が、検察つぶしの方向になるならば、組織をあげてつぶしにかかる。今回、自民党を動かしたのも検察・法務官僚だろう。公明党も同調するという。法務官僚や検察上層部の創価学会員が動いたのだろう。それにたやたら単純な社民党が同調し、すでに自民党の補完機関となりさがった共産党まで問責決議案に同調するという構図ができた。マスコミによれば、与党内部にも柳田氏の無能さをあやういと思っている議員もいるらしい。 では、ほんとうに、柳田氏の発言が問責に価することか 2つの答弁とは、報道によれば、 個別の案件には控えさせていただきます。 法と証拠にもとづいて適切にやっています。である。 冷静にみれば、これは、法務大臣としては当たり前の答弁である。歴代の自民党時代の法務大臣がくり返してきた言葉である。自民党がこの発言で国会軽視として問責決議案を出すのは、みずからが国会軽視をしてきた問責決議に価する行為を行ってきたことになるのではないか。そういう疑問をもって、国会審議を調べてみた。たとえば第155国会(平成14年10月30日) 石井紘基議員殺害に関して ○森山国務大臣 石井紘基議員が被害に遭われたことにつきましては、その第一報を聞きまして、私も大変大きなショックを受けまして、とんでもないことだというふうにまず思ったわけでございますが、心から議員の御冥福をお祈りしたいというふうに思います。 昨日もちょっと申し上げましたように、この議員を刺殺した犯人は既に逮捕されまして、東京地方検察庁におきまして身柄送致を受けて、現在捜査中であるというふうに承知しております。 事案の全容の解明は今後の捜査を待たなければならないと思いますけれども、志半ばで凶刃に倒れられた無念さを思いますと、本当に、同じ議員という立場の者といたしまして、まことに忍びがたく、許しがたい犯行であるというふうに感じております。 全容の解明は、今申し上げましたとおり、今後の捜査を待つべきものだと思っておりますが、検察当局におきましては、所要の捜査をいたしました上で、厳正かつ適切な処分を行うものと考えております。 拉致問題に関して ○森山国務大臣 あくまでも今交渉している最中でございますので、いろいろの仮定の問題を置いた上でどうなるかという御質問にはなかなかお答えしにくいのでございますけれども、話し合いの上で、犯罪事実が非常に濃厚に疑われるというような場合には、日本の国民の安全、生命の問題でもあり、ぜひ強く要請しまして、日本の法律あるいは証拠等に基づいてきちんと対応していかなければいけないというふうに思います ○樋渡政府参考人(樋渡利秋前検事総長) 一般論といたしましても、要は、犯罪を問えるかどうかは、その前に事実関係を認定する必要がありまして、それに基づいて可能性云々を考えるべきものでありますから、やはり答弁は差し控えさせていただきたいと思います。 難民問題に関して ○森山国務大臣 収容されている者などから仮放免の請求があった場合には、入国者収容所長または主任審査官が、被収容者の情状とか請求の理由となる証拠並びにその者の性格とか資産などの個別的な事情を総合的に判断いたしましてその許否を決定することになるわけでございます。このように、仮放免はさまざまな要因をもとに決定されるものでございますので、個別具体的に不許可理由を通知いたしますと、かえって当該被収容者の今後の処遇面で支障を生ずるおそれもあるということから、不許可の理由の開示は必ずしも適当ではないと考えております。 長くなって恐縮だが、かなり丁寧に答えているところは、柳田大臣とは違うが、今後の捜査を待つべきもの、あるいは答弁を控えさせていただく、個別案件については開示できないというように答えている。 時間があれば他の法務大臣の答弁も調べてみるとよいのだろう。おそらく、従来の自民党政権下でも、個別の案件については答弁を控えただろうし、法と証拠にもとづいて捜査しているとかの答弁があっただろう。 それは、個別の裁判について、法務行政の長が個人の見解を述べることはこれは三権分立に違反し、憲法違反になるだろうからである。投稿者が、仙石官房長官の発言こそ問題とするほうが正しいと考える。 また、法と証拠に基づかない調査をしていない、冤罪を起こしていますと答弁できるわけではない。 柳田法務大臣の不器用さが、問題をこじらせている面もあるが、検察改革にとりくむ姿勢は、法務官僚リストにない郷原氏、江川氏を、自らが選んだところから本物とみている。飾り物と思っていた柳田氏が、検察改革を本気でやりそうだ、とあわてた法務官僚・検察が、自民党や公明党に手を回して、問責決議案をださせようとしているのが、問題の本質とみている。 マスコミや、小政党はこの問責に単純にのるべきではないだろう。検察改革のチャンスをつぶすことになるかもしれない。
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