http://www.asyura2.com/10/senkyo99/msg/525.html
Tweet |
http://www.olive-x.com/news_30/newsdisp.php?n=99489
菅首相は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP=トランス・パシフィック・パートナーシップ)に関し「平成の開国」を目指すと述べた。しかしこのTPPは、つまるところ先の小泉某の新自由主義と根幹は何ら変わらない。小泉某は、小さな政府という新自由主義を標榜しようとしたが、実現されたのは、社会保障が小さな政府であった。
その結果、国の随所で、例えば緊急医療などが破綻の際まで追い込まれ、合わせて地方の疲弊が進み、労働者のトナーカートリッジ化が促進され、非正規雇用層が躍進した。現在の非正規雇用層は実に1600万人に及び給与所得層の3分の1にまで及ぶ。その多くが年収300万以下である。
小泉某が行なった政治で創出された社会構造は、給与所得者のうち年収400万以下が全体の57%、600万以下では80%に及ぶ。なぜこのようになったのか。それは、非正規雇用層の拡大にあることは紛れも無い事実である。ひとことで云うなら『保障が小さな社会=新自由主義』ということである。
処が、本来小さな政府を標榜するなら、そもそも現在のように公務員給与が年収平均1000万で、全国に500万人もいるということ自体が不釣合いである。国が大きな財政赤字を抱えているなら、国の一般会計の経費項目の圧縮が不可避なことくらい誰でも分かる。この事実を置いたうえで、では、このままTPPのように国を開いたらどうなるだろう。
本件に関しては、元通産官僚で現民主党政治家である松井氏が国益の観点が重要だと述べている。基本的にTPPは、ボーダーレスを意味するが、それは中国や東南アジアが東京から見て東北・北海道・九州のように位置づけられるということを意味する。国の経済は国民総生産で計るが、国内の雇用がどのようになるかと云えば、更なる流動化を余儀なくされる。工場はどんどん海外に出て行く。
市場がボーダーレスになるわけだから、企業は最も適切な場所で生産するようになる。すると労働力自体も競争力に晒されるから、詰まるところは、非正規雇用層の拡大にしかならない。では、少子高齢化が確実な我が国では、今後10年以内には確実に高齢者3000万人社会となる。
その時、捕捉可能な給与所得者の基底数は、3500万人ほどになってしまう。すなわち、あなた1名が1名の高齢者の年金を負担することが必要になるが現実的だろうか。既に来年度の高卒者就職市場は閉塞感に満ち溢れている。30才以下50才以上の若年層中高年層労働市場の失業率は10%を遥かに超えている。しかも現在も企業はワークシェアリングをしてこの有様である。
雇用は余っている。国がもし財政赤字を減らしたいなら、絶対的に確実な政策は経費項目に於ける人件費を圧縮することである。それを見て見ぬフリをして、小さな政府を目指せば、前述のようにツケは必ず雇用に到達する。年金や医療などの社会保障は当然ながら減額を余儀なくされる一方、消費税を上げれば、それは必ず雇用を崩して行き、最終的には社会保障が崩れて行く。これが、新自由主義の末路だ。米国のFRBの量的緩和も事を悲惨にするだけだ。
米国のリーマン後の国家財政赤字は毎年100兆円規模であり、量的緩和が的を得ないその場しのぎの湯浴みでしかないことは確実である。国債は、債務であり、その担保は米国民の労働力でしかないからだ。遠からず米国は、イラクやアフガンから兵を引き、国内の本質的な改革に取り組まざるを得なくなる。それと日本は事情が異なる。米国に必要なのは、その過剰信用に伴う不良債権処理と国際競争力の回復であるだろう。
一方、我が国がしなければならないことは、既に不良債権処理は国民の塗炭の苦しみと共にトンネルを抜けており、最終的な過剰債務の巣窟である国家債務の整理である。それは、経費項目全体での見直しが必須であり、それは09マニフェストの争点であった特別会計も当然ながら含まれる。経費項目の見直しの一が、職階給より職能給への移行だと過去ここの政策でも述べている。
この職階給より職能給への移行は、既に民間大手企業は先の不良債権処理の過程でほぼ終えている。だからその改革を、国の人事システムとしても導入し、数年でソフトランディングさせる必要がある。特別会計も整理が必要であり、赤字の一般会計から黒字の特別会計にカネを流し込むのを止めるべきだし、要らない公益法人は整理されるべきである。
国の何処かの債務勘定が膨らめば、それは必ず、最終的に経済を下押しする。このままの改革されない政府で国を開けば、最後は社会保障が破綻する。すると必ず高齢者が捨てられるのが世の常。すなわち、姥捨て山社会の再来となる。現在の政府の政策は、国民を幸福にしない。
益々社会は荒れて行くだろう。基本的に、安定した収穫を期待するなら、その土壌に投資し続けなければ、その土地からの収穫は減り続ける。TPPを拡大し、日本に投資する資本家がどれだけいるだろう。あなたも自分の立場で考えるべきだ。すると国内経済、いわく、伴う雇用はどんどん先細りする。云っておくが国際社会に於いて新自由主義の末路は、最後はルールを引く者が勝つと云う事実だ。
中国を含む途上国は、自らそのルールを国益に照らし、不都合なものは受け入れていない。日本は、自らルールを引く力もないし、かといって、拒否する力もない。最後は、カルタゴの悲劇が待っているだけである。よって小紙は、TPPに反対である。皆さんのご意見もお待ちする。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK99掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。