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中国漁船衝突事件のビデオ映像流出問題で、海上保安庁職員が「流出させた」と名乗り出たことで、菅政権はさらに厳しい局面に立たされた。「最初から映像を全面公開していれば流出自体が起こらなかった」と菅直人首相ら政権中枢に焦点をあてて追及する野党に対し、政府側は流出経緯の捜査や再発防止策の検討などで対応する構え。ただ、海上保安庁に流出を歓迎する電話やメールが相次ぐなど、世論は政府の対応に批判的で、政権の統制力への疑念がさらに深まっている。
「治安職員が情報を故意に流出させたことになれば、(郵便不正事件に絡む証拠改ざん隠ぺい事件の)大阪地検特捜部に匹敵する由々しき事件だ」
仙谷由人官房長官は10日の記者会見で語気を強めた。菅首相も同日夜、各府省庁の次官や長官約30人を急きょ官邸に集め、「現職公務員が規範を破って流出させた。緩みがある。二度と起きないよう徹底してもらいたい」と厳しい表情で訓示した。首相の正面に座った鈴木久泰海上保安庁長官は目を伏せて聞き、頭を深々と下げた。
ただ、こうした政府の対応で事態が沈静化する気配はない。衆院予算委で菅首相は「100点満点とは言わないが、冷静に歴史に堪える対応を現在もしている」と胸を張ったが、自民党の小泉進次郎衆院議員から「中国に非があると証明するビデオの公開は国益だ」と追及され、仙谷氏が「犯罪関連物件の可能性があるものを、政府自ら公開するとお墨付きを与え、最大のデメリットだ」と答えるなど防戦に追われた。
与党内でも政府批判が出始めた。原口一博前総務相は東京都内で記者団に「本当に残念で痛ましい。政治の(非公開の)決断がある意味で『罪人』を作ってしまった。一生懸命取り締まっている人たちが、その思いを違法な形でしか出せなかったことに、大変な憤りと申し訳なさを感じる」と職員を擁護した。
こうした空気にいらだちを深めた仙谷氏が予算委で「報道機関は国益より現時点で『流したい』というビジネス的欲望もあり、我々に批判的になる」とマスコミに怒りをぶつける一幕も。記者会見では「しかるべき処置をしてもらいたい、という健全な国民が圧倒的多数だと私は信じている」と期待を交えつつ冷静な反応を求めた。
これに対し、自民党の塩崎恭久元官房長官は国会内で記者団に「馬淵澄夫国土交通相もそうだが、官房長官は(映像の)『扱いを注意しろ』と言った張本人だ」と両氏の罷免を要求した。ただ、野党が多数の参院での問責決議案提出には、自民党を含め野党には慎重意見が強い。公明党の山口那津男代表は記者団に「事実関係の解明を待つのが先決だ」と指摘、社民党の福島瑞穂党首も「海上保安庁、内閣のガバナンスがとれていないのは大問題だ」と批判しながらも、捜査の推移を見守る姿勢を示した。
一方、共産党の穀田恵二国対委員長は、事件を機に政府内で情報保全強化のための法整備の動きが出ていることに対し「こういうことを利用してやるのはいかがなものか」と批判した。【笈田直樹、念佛明奈】
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101111k0000m010100000c.html
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