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2009年9月に民主党政権が成立してからというもの、日本にとってはほとんどいいことがなかったように思える。景気回復というよりデフレからの脱却はいっこうに進まない。政府の借金は増えるばかりで、財政健全化の道筋も見えない。達成したことと言えば、子ども手当を半額とはいえ実現したことと、高校の授業料が無償になったことぐらいだろうか。
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http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1011/08/news011.html
あれだけ期待されて発足した鳩山政権は、普天間基地移設問題で“自爆”してしまった。そしてそれを引き継いだ菅政権は、消費税増税を口走って参院選で自滅。「強い経済、強い財政、強い社会保障」とか「雇用、雇用、雇用」といくら菅首相が力んでみせても、具体的な道筋が見えないから迫力に欠ける。さらにTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加をぶち上げれば、野党はもちろん与党内からも反対の烽火が上がる始末。小沢元民主党代表の政治資金をめぐる問題では、小沢氏側からはねつけられて、党としては手も足も出ないようにさえ見える(もっとも、この問題では理という意味では小沢氏側の言い分のほうが納得できると思う)。
●中ロが強硬な姿勢に変化
そこに降って湧いたのが近隣大国からの「圧力」だ。日本の領海で操業していた中国漁船を拿捕(だほ)し、乗組員を拘束したら、中国は異様ともいえる圧力を矢継ぎ早にかけてきた。さまざまな交流を中止。さらに中国が世界的にほぼ独占しているレアアースの輸出を「差し止め」、建設会社フジタの社員を軍事管理区域に無断で入ったとして拘束する始末。
その上ロシアは、メドベージェフ大統領が北方四島の1つ、国後島を訪問した。旧ソ連時代から現在まで北方四島を首脳が訪れたことはなかっただけに、ロシア大統領の国後訪問は日本にとって大ショックである。日本側の抗議に対しても、「ロシアの国内を大統領が移動しただけで何の問題もない」と木で鼻をくくったような対応である。さらに情けないのは、大統領が国後に行ったことを報道で知ったことだ。外務省もAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議開催前には行かないだろうと思い込んでいたからである。
中ロがより「強硬」な姿勢に変化したのは、いくつか理由があるだろう。1つはやはり普天間基地移設問題をめぐって日米の間がギクシャクしていることだ。鳩山前首相は「最低でも県外(移設)」と言い続け、挙げ句の果てに「沖縄に海兵隊が常駐することが安全保障上必要であることが分かった」として沖縄県内移設を決めた(というより、自民党政権時代の構想に戻った)。
鳩山首相に期待をかけた沖縄県民がこれを受け入れるはずはない。県内移設容認派だった仲井間知事も、「もはや県内は無理」と言わざるをえず、辺野古沖移設は宙に浮いたままだ。鳩山首相の問題はこれだけではない。従属的ではない「対等な日米関係」にすると主張し、さらには「東アジア共同体」をぶち上げた。聞きようによっては米国排除論にも聞こえる不用意なこうした発言が、米国の神経を逆なでしたのは想像に難くない。
さらに困ったことに、中ロがこの間隙を突いてくることを民主党政権は考えていなかったように見えることだ。漁船衝突事件で中国がどんどんハードルを上げていったとき、日本側はパニックになっていたかのようである。フジタの社員が拘束されると慌てて船長を処分保留のまま釈放してしまった。そして官邸はその決定に関与していないと言ってしまった。国内からの反発を恐れたからだろうが、外から見れば「下手の言い訳」にしか聞こえない。外交能力がないことを自ら白状したようなものである。
●民主党政権というリスク
政治主導を唱える民主党だが、外交に関して政治家だけで取り仕切れるとは到底思えない。外交とは過去の経緯の上に成り立っている。言葉を換えれば、国と国との友好関係や敵対関係もそれなりの理由が存在するということだ。そして過去の経緯を承知しているのは外務省という役所なのである。もし外務官僚が考える政策のオプションが気に入らないとしても、それを変えた場合にどういうリスクが存在するかぐらいは考えておかなければなるまい。そしてそのリスクを引き受けることが政治主導なのだと思う。
その意味ではTPP参加問題は民主党政権にとって、「最後の追試」なのかもしれない。もしこのテストで合格点を取れなかったら、これ以上、民主党に政権を任せておくのは日本にとってリスクが大きすぎる。しかしハードルは高い。関税による保護を外して国内農業を守るにはどうしたらいいのか。国内の規制撤廃を進めるのは民主党の主張と相反しないのか(例えば郵政民営化の見直しとTPP参加は矛盾すると思う)。
残念ながら、民主党よりもはるかに政権の座にふさわしい政党があるわけではない。しかし、消去法で民主党政権を選択させ続けられるのでは、有権者はいつまでも浮かばれない。【藤田正美,Business Media 誠】
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