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義憤に駆られた“義賊”による尖閣ビデオ公開に、“奇妙な連帯感”が日本列島をおおっている。「クーデターだ」「テロだ」と民主党内が姦(かしま)しいが、首相・菅直人はなぜビデオ公開事件が発生したかを冷静に考えてみたことがあるか。事件発生以来の政府の対応に国民の憤まんが積もりつもった結果に他ならない。起きるべくして起きた事件だ。内部告発説が強いが、かねてから官僚による内部告発を奨励し、政権を取ってからは、いやらしい“密告サイト”ともいうべき「ハトミミドットコム」を立ち上げたのは前首相・鳩山由紀夫にほかならない。たとえ内部告発者を摘発しても、白昼堂々の“強盗”船長は釈放して、“義賊”は杓子定規の守秘義務違反の刑事罰では“大岡裁き”が成り立つまい。内部告発者に言いたい。自ら名乗り出て公開の理由を堂々と述べよ。
言われているように海保の内部告発とすれば、なぜ“義賊”が生まれたかは簡単だ。海保の現場が体を張って、命がけで逮捕し、送検した船長を、紛れもない“政治主導”で釈放した。しかも責任を1地方検事に押しつけるという、政治家としてもっとも卑劣な対応を菅政権が「結託」して行ったからだ。加えて尖閣・北方領土問題で見せた政権の卑屈なまでの対中、対露弱腰外交、普天間問題での日米関係毀損などは、真っ当な仕事をしている告発者にとっては我慢のならないものであったに違いない。また官房長官・仙谷由人がビデオ非公開の理由を、刑事訴訟法47条の「証拠物は公判前には公にできない」との小賢しい法律論に持ち込んだこともカチンときたに違いない。船長を“超法規”で釈放しておきながら、刑訴法もあったものでもない。47条は「公益上の必要その他の事由があって、相当と認められる場合は、この限りでない」とも規定していることを仙谷は、弁護士のくせに知らないのか。
また、週末は日本中の酒場が、「ビデオ公開の月光仮面に乾杯」で沸きに沸いたのを知らないのか。都知事・石原慎太郎が「『冗談じゃない。実態を見てもらいたい』という内部告発だろうが、結構なことじゃないか」と珍しくいいことをいった。日本政府にとってもプラスの要素はある。政府が直接公開すれば、中国は激しく反応せざるを得ないが、第3者からの流出では、文句のつけようがない。ビデオの内容を見ても国際的なPR効果満点だ。初代内閣安全保障室長・佐々淳行が8日付産経【正論】で「体当たりビデオは国連、国際会議などあらゆる舞台で公表、日本の正当性をPRせよ」と述べているがその通りだ。中国は後ろめたいのか大人しい反応に転じている。週末デモもやらなかった。“義賊”による公開は共産党機関誌・人民日報が「風は吹けども山は動ぜず」と尖閣事件で、日中関係の大局に変化はないとする論評を掲載した直後でもあった。
要するに“義賊”の行為は、毛沢東が紅衛兵に送った言葉を借りれば「造反有理」とも言える側面があるのだ。これに対して民主党の反応はどうだ。ルーピー鳩山は「海上保安庁か検察のどちらかが流したのはほぼ明らか。政府にいる人間が政権批判を行う情報クーデターとすれば、政権にとって大変厳しい話だ」とクーデター扱い。前総務相・原口一博は「国家に対する反逆に近い」とありもしない“国家反逆罪”を持ち出した。杓子定規にしかもの事を考えられない幹事長・岡田克也に至っては「公務員の守秘義務違反であり、刑事罰にもつながる」だという。まるで石を見て「あれは石だ」と形容しているに過ぎない。法治国家だから検察が捜査に乗り出したのも、リークが罪に問われるのが当然だし、刑事罰も当然だ。しかし、ことは政治責任化する。担当閣僚の責任はもちろん首相の責任まで問われる事案になり得ることは覚悟しておくことだ。みんなの党代表の渡辺喜美が7日、「民主党は犯人捜しをやっている場合か。もし犯人が見つかってもその人は英雄になり、民主党政権は恥の上塗りになる」(時事通信)と述べたとおりだ。そもそも民主党の従来取ってきた路線を振り返ったらどうか。今回は適用困難だが、連合と共に推進してきた「公益通報者保護法」は内部告発者を守るための法律だ。閣議決定までして設置した「ハトミミドットコム」に至っては、公務員の内部通報者・密告者を奨励するサイトではないか。
アジア太平洋経済協力会議(APEC)に向けて、政府部内には胡錦涛やメドベージェフと菅との首脳会談実現を心配する空気がある。これにマスコミも影響を受けているが、いずれも問題の所在が分かっていない。恐る恐る来日すべきは中ソ両国首脳であって、懇願して首脳会談を「実現していただかなければならない」場面ではない。駐露大使の一時帰国で抗議したまではよいが、たった5日間の滞在で早くも帰任とは恐れ入谷の鬼子母神だ。一時帰国どころか「瞬時帰国」ではないか。「足元を見て頂戴」というようなものだ。ロシア外務省の高笑いが聞こえる。とにかく会談が実現したら菅は毅然として領土上の主張を展開すべきである。日本中ばかりか、アジア諸国注目の中での会談となる。ここで腰砕けになったら、霞が関で内部告発の連鎖反応が起きてもおかしくない雰囲気であることを指摘しておく。
【朝刊トップ3分勝負】
★朝日
尖閣映像流出、検察が捜査 石垣海保など対象
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件に関するビデオ映像がインターネット上に流出した問題で、検察当局は7日、公務員が故意に映像を流出させた疑いが強まったとみて、国家公務員法の守秘義務違反容疑で捜査に乗り出す方針を固めた。これまでの検察内部の調査では、検察関係者からの流出の形跡はみつかっておらず、福岡高検が石垣海上保安部(沖縄県石垣市)を中心に調べる見通しだ。
★毎日
尖閣映像流出:検察当局が捜査へ…守秘義務違反容疑
沖縄県・尖閣諸島沖で海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突した事件のビデオ映像が流出した問題で、検察当局は近く、映像の流出元や動画投稿サイト「ユーチューブ」への投稿者を特定するため、国家公務員法(守秘義務)違反容疑で捜査に乗り出す方針を固めた
★読売
菅内閣支持率急落35%、尖閣・経済など響く 世論調査
読売新聞社が5〜7日に実施した全国世論調査(電話方式)で、菅内閣の支持率は35%となり、前回調査(10月1〜3日実施)の53%から急落した。 参院選直後調査(7月12〜13日実施)の38%をも下回り、発足以来最低となった。不支持率は55%(前回37%)で、支持率を逆転した。尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件や円高・デフレの経済情勢、小沢一郎・民主党元代表の「政治とカネ」の問題への対応などで不満が高まり、内閣支持率を一気に引き下げた。菅首相は厳しい政権運営を強いられることになりそうだ。
★産経
唯一の対露カード放棄 野駐露大使急遽帰任
ロシアのメドベージェフ大統領の唐突な国後島訪問から7日目。「対抗措置」として一時帰国させた河野雅治駐露大使はモスクワに帰任し、政府はたった一枚の「対抗カード」を手放してしまった。理由はただ一つ。13、14両日のアジア太平洋経済協力会議(横浜APEC)の首脳会議に合わせ、日露首脳会談を実現させたいからだ。菅直人首相は自らの「見栄」のために国家の主権をないがしろにした。中国、ロシア両国だけでなく世界各国からそんな冷ややかな視線が向けられている
★日経
医療費上限、高所得者上げ
政府、年収800万円軸に検討 200万円台は負担軽く
政府は世帯収入に応じて医療費の患者負担に月額の上限を定める仕組みを来年度にも見直す方針だ。高所得層の上限を上げて負担を増やし、それを原資に年収200万円台の比較的所得の少ない層の負担を軽くする。800万円以上の層の負担を上げる方向だが、対象を700万円程度の所得層まで広げる案も出ている。1000万円以上の層では上限が10万円程度上がるとみられ、負担増への反発から調整が難航する可能性もある。
http://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/
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