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自衛官アフガン派遣へ
投稿者:そめい 投稿日:2010年11月 7日(日)00時42分48秒 通報
きょうの読売新聞に以下の記事が載っていました。
【自衛官アフガン派遣へ、米の要請で医官ら10人】
政府は5日、自衛隊の医官と看護官ら約10人を年内にもアフガニスタンに派遣する検討を始めた。
米国の要請に応えたアフガン復興の人的支援策の一環として、現地の医療機関で教育訓練の講師として活動させる方針だ。自衛官のアフガン派遣は、駐在武官を除けば初めてとなる。
今回の派遣は急ぐ必要があるため、法改正や新法制定は行わず、防衛省設置法で自衛官の任務と定める「教育訓練」として実施する方向だ。憲法違反とされる「武力行使との一体化」という批判を避けるため、アフガンに展開している国際治安支援部隊(ISAF)とは別個に活動する。
(2010年11月6日11時03分 読売新聞)
政府がアメリカの要請を受け、自衛官を初めてアフガニスタンに派遣する検討を始めた、ということです。
アフガニスタンは戦闘地域です。ついに戦地に自衛官が派遣されようとしています。
先日のNHKスペシャル「貧者の兵器とロボット兵器」では、米軍兵士が自爆犯は宗教施設のマドラサで洗脳されたと説明していました。
そして、マドラサの映像が映り、幼い子供が格闘術や軍事訓練、過激な宗教教育を受けているとの説明が流れました。
しかし、中村医師によると、マドラサはアフガン農村共同体のかなめであり、「寺子屋」のようなもののようです。
ペシャワール会でもマドラサを建設し、マドラサの体験入学式では、子供たちにもらった花束を手にされた、ちょっぴりはにかんだような中村医師のお姿も写真に写っています。
尖閣ビデオ流出事件が注目を集めている間に、どさくさに紛れる様なかたちで、マドラサひとつとってみても正しい情報が伝えられていない中で、議論も行われないまま、この様なことが決められていっていいのでしょうか?
ペシャワール会の中村医師は、現地ワーカーの伊藤和也さんが武装グループの凶弾により亡くなられた後は、ひとりアフガニスタンに残り、現地スタッフの人たちと支援活動を続けておられます。
「ドクターサーブ(先生さま)」と呼ばれ尊敬を集めておられるそうです。
2001年、タリバンによりバーミヤンの仏像が破壊された後、中村医師はバーミヤンでの医療活動の可能性を探る為、現地に立たれました。
その頃、アフガニスタンは戦乱だけでなく、大かんばつの為、、仏像破壊の前年の段階で、国連機関は「1000万人が被災、予想される餓死者100万人」と、世界に警告を発し続けていたそうです。
その様な状況下で、難民救済に全力投球されている中村医師が遭遇されたのが、国連制裁であり、仏像破壊問題であったのです。
仏像破壊問題が最も熱を帯びていた頃、中村医師はアフガン人職員から手紙を受け取られます。
「遺憾です。職員一同、全イスラム教徒に代わって謝罪します。他人の信仰を冒涜するのはわれわれの気持ちではありません。日本がアフガン人を誤解せぬよう切望します。」
中村医師は朝礼で彼らの厚意に応え、次の様に言われます。
「我々は非難の合唱に加わらない。餓死者100万人という中で、今、議論する暇はない。平和が日本の国是である。我々はその精神を守り、支援を続ける。そして、長い間には日本国民の誤解も解けるであろう。人類の文化、文明とは何か。考える機会を与えてくれた神に感謝する。真の『人類共通の文化遺産』とは、平和・相互扶助の精神である。それは我々の心の中に築かれるべきものだ。」
中村医師とアフガニスタンとの縁は、パキスタン北部のティリチミール遠征隊に参加され、ティリチミール等の美しい山々や蝶に惹き付けられた、というのが最初だったそうです。
ある時、山歩きを終え、急性肝炎で倒れ、ラワルピンディの安宿で寝ていた中村さんの所にフンザから使いが来たそうです。
「これは先生のでしょう。羊飼いが届けて来ました。」と、渡された帽子は、紛れもなくヒンズークッシュの山中で中村さんが被っていたものだったそうです。途中で紛失し、「どうせ安物だから」と諦めていた帽子。
「いったい何処で見つけたんだ?」と尋ねる中村さんに、
「下ってきた羊飼いが、『一緒にいた日本人のドクターのものだ。届けてくれ』と持って来ました。」と、その使いは答えたそうです。
中村さんは唖然としたそうです。
帽子を忘れた所からフンザまで5日、さらにフンザからラワルピンディまで当時2日のバス旅行だったそうです。
この出来事を、中村さんは「まるで魔法のような出来事」と書いておられます。
壮大で美しい自然と素朴で純粋な人々との間に織り成された感動の積み重ねが、中村さんの意欲の源であるように思います。
今回、「米国の要請に応えたアフガン復興の人的支援策の一環」とありますが、ロボットによる破壊・殺戮を行なっている米国の要請に答える前に、非人道的な破壊や殺戮を止めるように要請することが本来とるべき道なのではないでしょうか?
この「アフガン復興の人的支援策」には、数百年に一度といわれる大洪水の被害を受け、コレラの大流行の危険が迫っているアフガンの人々との気持ちの乖離を感じます。
2010年8月19日、国連世界食料計画発表によると、食料不足危険度の1位はアフガニスタンで、以下、2位コンゴ民主共和国、3位ブルンジだそうです。
隣の敷地の木から落ち、自分の敷地に転がってきた果実を隣家に戻しておくような純朴な人々です。
宗教心の篤さと共に、伝統や文化に対する強い誇りを持ち、長老を頭とする地域社会を築いてきたアフガンの人々の尊厳が、これ以上、傷つけられることのないように願います。
最後になりましたが、以前ペシャワール会報に載せられた中村医師の言葉です。
【図らずもアフガニスタンでの体験を通して、これだけ通信・交通手段が発展しながら、情報コントロールが可能なことを思い知らされた。その時代の錯覚の中で生きざるを得ないのは、いつの世でも同じなのだ。束の間の平和は、戦争と戦争の間の小春日和であったにすぎない。人々は昔と変わらず、騙されやすい。「大衆は愚かである。同じことを述べて信じ込ませることだ」と述べたのは確かヒトラーであったが、哀しいかな、事実である。愚かな戦を積極的にでも消極的にでも受け入れる世情に対し、いささかでも逆らうことに世間は冷淡である。平和の声は細りがちである。
しかし、これほど大規模な形で虚偽が根を張る時代もなかった。その結果か、一つの閉塞感が世界を支配している。世界を立て続けに襲う天変地異、世界規模の金融破綻、食料不足が人為の錯覚を揺さぶり、人々に不安の連動を起こす。まぎれもなく、私たちは時代の大きな転換点を生きている。だが、アフガニスタンで得た体験は、逆に私たちを楽天的にする。人間にとって絶対に必要なものは多くない。様々な評論と情報を組み合わせて、戦争の正当化が横行するが、一つの事実だけは明白である。「国際協力」と称する外国軍が何を守るのか不明だが、我々には守るべき人間としての営みがあることである。】
26年にもわたり地道にアフガニスタン支援活動を続けておられる中村医師の言葉が胸に突き刺さります。
●関連投稿:戦争版
自衛官アフガン派遣へ、米の要請で医官ら10人
http://www.asyura2.com/10/warb6/msg/337.html
投稿者 めっちゃホリディ 日時 2010 年 11 月 06 日
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