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http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20101104/plt1011041547002-n1.htm
政府は1日、臨時閣議で今年度の国家公務員の給与について、平均年間給与で1・5%減とした人事院勧告通りの給与法改正案を決定した。菅直人首相は、9月の代表選公約で、「人事院勧告を超えた削減を目指す」と言っていたが、できなかった。
閣議決定では、公務員給与を労使交渉で決める仕組みに改め、その仕組みが整うまでの間も、各種手当など人件費削減策を行うとされている。しかし、それなら今国会でもできることがあるので、例えばみんなの党が提出する予定の給与法改正案に賛成したらいい。
政府からは「現状では公務員は労働基本権が制約されているから、人事院勧告を尊重せざるを得ない」という議論がすぐ出てくるが、法制度上は、「国会が給与を決める際に、あるいは、その前段階として、内閣が給与法改正案を提出する際に、人事院勧告どおりにしなければならない」などと、どこにも書いていない。
人事院勧告を参照しつつ、厳しい財政状況を勘案して、勧告以上の削減をする、というのは当然あってよい。現に、過去に人事院勧告を完全実施しなかった例はあるし、片山善博総務相の知事時代のように地方でも人事院勧告を超えた削減をした例がある。
また、民主党内には「労働基本権を付与したら、労使交渉して、給与を下げられるようになる」という話もあるが、怪しい。
前通常国会で、仙谷由人官房長官(当時は公務員制度改革担当相)は、「引き下げられるかどうかは、やってみないと分からない」と答弁していた。少なくとも、現時点で、労働組合への配慮から「勧告を超えた削減」に踏み出せない政府が、労使での協約交渉の場になったら途端にタフネゴシエーターに変貌(へんぼう)するとは、ちょっと想像しがたい。
人事院勧告を超えるといいながらできなかったのは、結局支持母体である労組への配慮である。訴訟問題に発展する可能性があるという人もいるが、このご時世で民間並みの削減が否定されるはずない。
そもそも、人事院勧告は数字が高めに出る調査に基づいている。10月4日の本コラムで示したように、人事院の調査は、従業員数50人以上の企業に限り、しかも500人以上の大手優良企業に偏っている。しかも正規雇用が調査対象だ。
より調査対象の広い国税庁「民間給与実態統計調査」(今年9月公表)によれば、2009年の民間企業での平均給与は前年比▲5・5%だ。この方が民間実態に近い。この程度のことができないようでは、マニフェストで公約した国家公務員人件費2割削減はこのままでは無理だろう。
(嘉悦大教授、元内閣参事官・高橋洋一)
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