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今年9月29日、モスクワではなく、サハリンの通信社がこの衝撃的な第一報を流した。
ロシアのメドベージェフ大統領は北京からの帰路、北方領土を訪問しようとしたが、悪天候のためとりやめたという。
地元通信社の速報であったことが、その唐突さを物語っている。
したがって当然のことながら、公式に計画された訪問劇ではない。尖閣諸島における9月7日の中国の動き、すなわち漁船を使った中国海軍の挑発に触発されたのではないかとみる向きが多い。
月刊誌「選択」11月号は、メドベージェフの側近が急遽、画策したという「大統領府筋」の見方を紹介している。
司令塔はスルコフとみられる。ロシア大統領府第一副長官。44歳。プーチン以来、大統領府で「灰色の枢機卿」と呼ばれてきた裏の実力者だ。
プーチンからすでに心が離れているといわれるスルコフら側近の振り付けにより、メドベージェフの国後島訪問は、日本政府の意向を無視して昨日、強行された。
対日強硬姿勢を示し、国後島を訪問したロシア史上初の国家指導者、メドベージェフ。わずか3時間半のパフォーマンスは、再来年三月の大統領選を念頭に、軍関係者を中心とするメドベージェフ支持派にアピールすることが最大の狙いだった。
むろん、その行動は、磐石であるはずの「メドベージェフ・プーチン双頭体制」にきしみを生む可能性をはらんでいる。必ずしも、プーチン首相にとって心地よいことではないだろう。
大統領選にどちらが立候補するのか、まだ決まっていない。二人で相談することになっている。しかし、いまでもプーチンが実権を握っていることにも変わりはない。
プーチンにとって気がかりなのは、大統領直轄である軍の幹部に、メドベージェフ続投を望む声が高まっていることだ。プーチンが主導する軍改革への抵抗も大きいという。
58歳となったプーチンは、スルコフらかつての側近や軍幹部がメドベージェフ側につく気配を見せている現状を打破するためにも、再来年の大統領選に打って出るに違いない。
しかし、いまや支持者が増え、大統領支持率も上昇している45歳のメドベージェフは、なんとか大統領の座にとどまるための画策をこれからも続けるだろう。
その意味では、軍関係者からポイントを稼げる北方領土問題への強硬姿勢は今後も変わらないことを日本政府は覚悟しておく必要がある。
しかし、メドベージェフに寝返ったとみられているスルコフは、実は今もってプーチンのために動いているのではないかと筆者はひそかに推測している。
反プーチンの一部軍幹部に祭り上げられているとはいえ、政治的実力において、メドベージェフはプーチンの敵ではない。もともとプーチンが、その権力保持のために大統領に据えたメドベージェフである。プーチンがその気になればいつでも切ることができるだろう。
プーチンらロシア連邦保安庁(FSB)の出身者を中心とするシロヴィキは依然としてロシアの政財界に強大な勢力を広げている。
スルコフとて、プーチン相手に勝ち目のない戦いをするはずがなく、むしろメドベージェフの失政をもくろんでいると見ることもできなくはないだろう。
メドベージェフが側近に踊らされて、大統領死守に血道をあげすぎると、意外な結末が待っているかもしれない。
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