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「甲」の検察審査会への申立て理由には論理矛盾あり?
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投稿者 暇人間 日時 2010 年 11 月 02 日 04:10:51: xd1UQmh2IKuRg
 

「甲」の検察審査会への申立て理由には論理矛盾あり?

法律関係には全く関係のない素人です。「甲」の検察審査会への申立て内容は公開されていませんが、公開されている特捜部の小沢氏に対する不起訴処分の理由および東京第五検察審査会の第1回目と第2回目の「起訴相当」の議決理由から、申立て理由には「小沢氏が元秘書3人と共謀して虚偽記載を行ったことに対する捜査が不十分である」という趣旨のことが記載されていたと推定されます。「虚偽記載」(特捜部の言い分)が「甲」の審査申立て理由の一部になっていると仮定すると、以下の論理展開が可能になります。

それでは、時系列的な出来事と、どのような論理矛盾が生じるかを以下に示します。

(1)2010年2月4日に、特捜部が元秘書3人を政治資金報告書の虚偽記載の疑いで起訴した。また、小沢氏については、「虚偽記載を具体的に指示、了承するなどした明確な関与を示す証拠が不十分で、共謀は認定できない」として不起訴処分とした。
よって、この日以降は、元秘書3人の政治資金報告書の記載内容の違法性(虚偽記載であるかどうか)については裁判で争われることになった。すなわち、「虚偽記載」という言葉で示されていた記載内容については、違法性があるともないとも言えなくなった。

(2)2010年2月12日の「甲」から検察審査会への小沢氏に対する審査申立ては、それにもかかわらず、記載内容が虚偽記載であると勝手に決め付け、「共謀して虚偽記載を行ったことに対する捜査が不十分である」という趣旨の理由によりなされた。

(3)記載内容が虚偽記載であるかどうかに対する裁判の判決が出ていない段階では、「虚偽記載」と「共謀」という言葉がともに意味をなさなくなっているので、「共謀して虚偽記載を行ったことに対する捜査が不十分である」という趣旨の申立ては、無意味な申立てとなっていた。このような申立てを東京第五検察審査会が受理したことは間違いであった。すなわち、受理をすべきではなかった。

(4)東京第五検察審査会が出した2回の「起訴相当」の議決は、本来は却下すべき申立てを誤った解釈に基づいて受理した結果として生まれたものであり、議決は何の意味も持たない。すなわち、「起訴相当」の議決は2回とも無効である。

(もしも、特捜部が元秘書3人と小沢氏をともに不起訴とし、「甲」がこの不起訴に対して、元秘書3人と小沢氏の起訴について同時に審査申立てを行っておれば、上記の論理矛盾は生じなかった。)


(たとえ話)・・・論理矛盾の例
Aはマフィア組織Xのボス、BはボスAの部下、CはXの抗争相手のマフィア組織Yのチンピラ、DはチンピラCの友達とする。

最近、Cの姿を見かけなくなったので、DはBがCを殺害しどこかに捨てたのではないかと考えてAとBを検察に告発した。検察はAとBの家宅捜査を行い、Bの家から凶器を発見したので、Bのみを殺人の疑いで起訴した。Aについては、Bとの共謀は認定できないとして不起訴処分とした。

Dは、マフィア組織のオキテから考えると、BがCを殺害する前にはAと相談しているはずであるのにAが起訴されないのはおかしいと考えた。そこでDは「Bの殺人の共謀者としてAも起訴されるべきである」と検察審査会へ審査申立てを行ったところ、これが受理された。その後、検察審査会はDの申立て事案について、Bが殺人を行ったという証拠(検察の言い分)及びマフィア組織のオキテからAとBが共謀したと推認できるとの理由で「起訴相当」の議決を2回行った。

しかし、実際にBがCを殺害したかどうかについては、今後、検察の起訴に基づいて行われるBの裁判で争われることになっている。


上記のような状況で、検察審査会がDからの申立てを受理したのは正しいか?

正しくない!!
(何故なら、審査申立ての根拠である「Bが殺人を行った」ということがまだ証明されていないからである。その内、Cが生きて現れるかも知れない。)


(検察審査会法に潜むいかがわしさ)
事件の真実は1つである。検察官はプロとして証拠を固め、真実に出来るだけ近付いて被疑者を起訴するのが仕事である。しかるに、検察審査会法では、その最初の第1章 総則で「第一条  公訴権の実行に関し民意を反映させてその適正を図るため、・・・」と記されている。

真実は1つということは絶対的に正しい。これに対して、「民意を反映させてその適正を図る」とは何を意味するのか?1つの不起訴となった事件について、選挙名簿からくじで選んだ11人からなるグループを100組作り、それぞれの組に「不起訴相当」、「不起訴不当」、「起訴相当」の内のいずれに該当するかという判断を行わせたとすると、全組が同じ結論になるとは断定できない。すなわち、真実は1つという原則論に最初から合致しない恐れを持った法文構成になっている。言い換えれば、真実でない理由で起訴ができるといういかがわしさを内包した法律であると言うことができる。

国民の司法に対する信頼を向上するという目的に対しては、検察官の真実に対する実証能力を上げることが正道であり、検察審査会法という論理的ないかがわしさを内包した法律の力をかりることは即刻やめ、この法律は廃止すべきである。

ちなみに、裁判員制度では、裁判員と裁判官が議論を重ねてアナログ的な量刑を判断することになっているので、検察審査会法ほどのいかがわしさはないが、これについても
裁判官の質と量の改善で対処するのが本筋であろう。

民意の反映、国民の意見、世論などという言葉は、聞き流している間は何となく心地よい響きにも聞こえるが、その中身について考え出すと何か深い闇に引き込まれて行くような感じと響きを持ってくる。
 

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コメント
 
01. 2010年11月02日 09:37:37: p75dV2wG02
検察審査会のいかがわしさについては完全に同意ですが、ご指摘の「矛楯」については了解しかねます。

>すなわち、「虚偽記載」という言葉で示されていた記載内容については、違法性があるともないとも言えなくなった。

この点ですが、検察の立場で言えば「起訴したからには違法性はあるという認識だ」でしょう。
何故か?
それは刑事裁判における有罪無罪の判断基準が「疑わしきは罰せず」だからです。
「違法性(有罪)の可能性はあるが、違法性があるかどうかはっきりしない(疑わしいだけである)」
この認識では無罪です。よって、この認識(無罪認識)のまま起訴すれば、
村木さんの件で指摘されたように検察が違法となります(無罪の者を法廷に)。
有罪になる確信がなくても、実際に裁判すれば有罪になるかもしれないから、
起訴してもいいではないかと思われるかもしれませんが、それは不当です。
なぜなら、判断する者(判事)が人間である以上、いかなる事件でも有罪判定が
出る可能性があり、他者判断に依存した有罪の可能性なら、どんなに明かな「無罪の人」でも
「起訴していい」となり、検察は無実の人を法廷に送り放題になるからです。

つまり、検察審査会のいかがわしさの第一は、検察と同様に「有罪の確信」で判断できたのに、
「有罪の可能性」などという違法で違憲な基準を独自に持ち込んで、
無罪と認識される者(疑わしいだけで有罪の確たる根拠がないため、
有罪認定のためには裁判所の判断を仰がないといけない者=小沢氏)を
法廷に送り込もうとしたという、法や道徳との矛楯だと考えます。
繰り返しますが、疑わしいというだけで裁判は違法です。
従って、検察の立場において、通常の経過のなかで
「裁判に持ち込んだから有罪かどうかはっきりしない」となるのはおかしいでしょう。


02. 2010年11月02日 10:37:19: IgQ0WMLxRU
小沢さんの強制起訴問題は、マスコミの小沢=悪のすりこみによる市民感覚から生じたもので、起訴の中身は多くの議員秘書にもあった記載ミス程度のもので、従来は訂正で済んでいたものです。それを政治と金だ、議員の共謀だなどと既得権益を守りたい官僚がマスコミを総動員して針小棒大に騒ぎ立て、有力な政治家を失脚させようとしたものです。
難しい法律論などぶつと、逆に一般市民は混乱してまともな判断ができなくなります。
単純に強制起訴の中身を説明すれば、大抵の市民は簡単に納得するでしょう。
尖閣のビデオと同じで、下手に隠したり編集したりすれば、憶測を呼ぶばかりです。全ての映像を公開すれば一目瞭然、誰にでもわかります。
官僚もマスコミモなぜこれをしないんでしょうね。

03. 2010年11月03日 09:33:05: zqfosiztxM
検察審査会が強制起訴の権限を握ったのは昨年の改正からだと思っていました。しかし、法律の改正は平成16年の5月(小泉時代)で、法律改正から5年以内に施行することとし施行時期は政令で決めるとなっていたのです。その施行が昨年の5月21日、これは政令(内閣の命令)ですから麻生内閣が閣議で決めた訳です。昨年の改正のときに小澤さんが民主党の代表或は幹事長で自分達も認めたという理解は誤りです。平成16年5月当時の小澤さんのポジションは調べていません。
このことの重要なことはこの5年間に何の法整備もやってこなかったということです。検察が不起訴にした案件を検察以外が起訴できるという仕組みは他に「付審判請求」という制度があります。これは公務員職権濫用罪について同じ公務員である検察官が不起訴にしたときの不服請求手続で、地方裁判所に審判請求をして裁判所が決定する仕組みです。裁判所の決定が起訴と同じ効果を生じ、指定弁護士は公判維持だけを担当します。これは刑事訴訟法262条〜270条に明文規定があります。
検察審査会法においても強制起訴を認めるなら、それが刑事訴訟上でどのように扱われるのかを定めておくべきだったのです。
付審判請求とパラレルに扱うなら強制起訴できる事案を限定する必要(例えば検察が起訴猶予にした事案に限定するとか)があるかもしれない、審査員の身分は時限的であっても裁判官ですが検察審査員も同じなら議決において名前を出すのは当然のこと(裁判するのだから)だし、その過程が公開され被疑者の弁明も受け入れなれればならない。またその決定に対する不服については上訴の権限が認められなければならない。今回のように準司法機関だから行政訴訟に馴染まないなどという棄却理由では強制起訴の公正な手続が担保されません。
その意味で現行検察審査会法及び関連法令は憲法31条に違反していると思います。
人間を刑事訴追するのは基本的人権を保障しながら、反社会的行為を罰するには基本的人権を犠牲にしても止むを得ないと認めるからです。そこにおいては公正な刑事手続は不可欠なのです。
小澤は悪い奴だから何をやっても許されるということではないのです。

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