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TPPはアメリカの年次改革要望そのまんま
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投稿者 人種国籍問わず 日時 2010 年 11 月 02 日 02:44:40: AyuYJKqVWeFio
 


唐突にTPPなるものが浮上した。これを批准するとやがて域内の関税がゼロとなり、輸出は促進され農産物の国内生産が極めて困難になるらしい。不思議なのは今までほとんど聞いたこともないこのTPPなるものに菅政権は前のめりになりすぐにでも批准しなければならないものらしい。

関税の自由貿易協定 FTA=Free Trade Agreement は世界各地にある。その地域内での貿易障壁を低くし、交易を活発化させ批准国がそれぞれメリットを得ることを目的とする。

欧州にはご存知のとおりEUがある。これは関税のみならず通貨も統合し国家の主権の一部まで共通の規則にまとめ国境の垣根を低くしようとする大胆な統合の試みである。域内にはかなりの経済格差があり統合には国家の主権とからむ困難を極める点もあるが加盟各国の強固な意志と活発な討論により、国を超えた経済単位として認められる存在となっている。これ以上統合が進むかどうかは予断は許さないが、大戦を繰り返してしたヨーロッパ主要国の強い意思、決意は厳然とある。

北米にはNAFTA=North American Free Trade Agreement がある。アメリカとメキシコの経済格差、人件費格差は大きいがそれを利用して生産をメキシコが担い、すぐ近くそれこそ数千キロにわたって国境を接するアメリカとの関係を使って生産流通活動を行うことは両国の利害が一致することも多い。

南米には、メルコスールがありブラジル、アルゼンチンの主要国にウルグアイ、パラグアイ、加えてチャベスのベネズエラも加盟国となったようだ。最近でも何度がインフレで経済破綻した国も多く通貨をドルペッグ制にしたりして共同して経済の安定をはかっている。ブラジルはBRIKSの一角で今後の経済発展が期待されている。他の中南米諸国は準加盟国ということのなっている。

そしてアジア環太平洋地域にはアジア太平洋経済協力機構(APEC)は毎年首脳が集まり、大きく取り上げられ報道されてきた。各国首脳が民族衣装で顔あわせする写真や報道はおなじみだ。すでに20年程度の歴史がもつが加盟各国に関税の規則を強制するものではなかった。

 日本付近の動きはどうか、東南アジアには共通の問題に対処する国際組織としてはASEANがあり40年を超える歴史がもち最近ではあのミャンマーまで加わって10カ国となり、民族、言語、宗教(仏教国、イスラム教国、キリスト教国がある)の違いを乗り越え加盟国は緊密な活動を行っている。この地域も最近は発展が著しい。

問題はここからだ。アセアンに加えて3カ国つまり日本、中国、韓国を加えた組織を作ろうとするとオレも加えろとばかり必ずアメリカが反対する。日本も自分の主張がとおり難いためか消極的だ。そのためアメリカが加わりオーストラリア、ニュージーランドが加わったそれこそ環太平洋の組織になってしまう。結局アセアンプラス環太平洋とかでAPECとなんら変わらぬ構成メンバーとなってしまう。東南アジア諸国にしても経済、技術大国の日本との関係は強めたいが、日本との協定には必ずアメリカが口をはさむ。また近年発展著しい中国ともよい関係を持ちたいとも考えている。そのため全体の関税の協定は進ます、個別に2国間でFTAを結ぶケースが出てきた。日本はこの動きにも遅れているとされる。

中ロはかって何度も戦火を交えた国境問題を合意・決着させ上海協力機構を稼動させている、地理的に隣接する中央アジア諸国とも経済関係を強め域内の経済発展を図っている。これも機能しつつある。

麻生元首相が唱えた「自由と繁栄の弧」はこの中ロを除外し、これを取り囲むようにしてインド、ヨーロッパとの関係を強めるかっての冷戦構造を再現するような考え方だったようだ。今の民主党で前原大臣もこの考えかそれとも何も考えずアメリカに盲目的に従っているだけか。後者の可能性が高い。

このような情勢の中で、日本の行動は常に中途半端だった。アメリカの顔色を伺わなければ何も決められない状況が続いた、鳩山前首相は「東アジア共同体」に言及した。これがどの程度の経済の結びつきを意図したものかは不明だがアメリカのご機嫌をそこねたことは間違いないようで志半ばの退陣となった。その後を継いだ今の菅政権は方針を一変させ100%アメリカのいいなりになっていると見ていいだろう。

長い前置きとなって恐縮であるがこのTPPなる協定。他の経済協定をみても分かるように、屋上屋根を重ねるような組織である。関係国も他の国際協定と全くダブっている。現在の正式加盟国は、チリ、ニュージーランド、ブルネイ、シンガポールとのことでいずれも経済規模は小さい。どこから加盟国の関税を劇的に変えるこんな話がでたのか全く理解に苦しむ。今まで真摯な議論など全くなかった。話しあうのならAPECで議題にすればよいことのはずだが。しかしどのFTAでもここまで乱暴な農業分野の協定はない。

アメリカは今後加盟する見通しとのことであるが、日本が義務を負う内容は、農産物を含め関税をゼロにする。日本はその分輸出が有利になるだろうということらしい。

さらに郵政資金の民間運用を進めることや公的機関の保険運用を禁止することまで含まれるらしい。これはいつか聞いたような話だ。そうなにかと瓜二つだ。以前あった日米構造協議からアメリカに要望された年次改革要望書に書かれた内容そっくり同じそのまんまだ。加えて米国産牛肉の輸入条件の緩和まで含まれているらしい。

もはや断定していいだろう。これはTPPに名を借りたアメリカの対日要求そのものだ。しかし冷静に考えてほしい。EU諸国は日本と変わらぬ所得水準の国でコスト的にはいかに不利でも食糧は自給できる水準である。あのイギリスも第一次世界大戦当時食糧の大半を輸入に頼っている弱点をドイツにつかれ商船に対するUボートの攻撃に怯えた。その後必死の努力で食糧の国内生産を進め、市場経済原理の本家のような国ではあるが現在はほぼ自給できる食糧生産を行う国となっている。

アメリカが関税の引き下げを他国に執拗に要求しその裏で自国の食料品に巨額の補助金をつけているという事実は税率の例外品目を減らすこの分野の国際協定でインドもアフリカ諸国も見抜いている。食糧自給率が40%以下などという先進国はシンガポールなどの小規模、都市国家を除いて存在しない。

経済分野の98.5%の農業と関係ない分野が犠牲(?)になっているとの宣伝が行われているが、ドル紙幣を食べるわけにはいかない。人間の腹は紙幣では膨れない。金が全てといってもそれこそ80円の円が78円になるだけで2%以上ドル資産は目減りする。さらに1.5%のシェアを追求してどうするのだ。日本の農業をどうするかは難しい問題だが放棄してさらに自給率を低め工業製品の分野だけを優先するという政策は断じて採るべきでない。  

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コメント
 
01. 2010年11月02日 04:16:35: ucfyu9H9Mk
どこのどなたか分かりませんが、誠に適切なご指摘。TPP問題はここに書かれた分析が全て。拡散希望。

02. 2010年11月02日 09:57:59: jfFAZGb6iI
なるほど…よく分かりました。投稿ありがとうございます。

03. 2010年11月02日 10:08:15: FQrlJRWu6Q
投稿者の分析、指摘に賛成いたします。

食料は自給でき有り余っているし、大量に輸出している。
国内では工業製品の生産コストが高く、国民を犠牲にしても世界中の最もコストの低い国で生産し世界中に販売した方が利益を増大できる。
AP通信、ロイター通信、各国マスコミ等はほぼ自分の支配下にある。そういった状況下で世界中の人々をを騙して国境を無視して荒稼ぎをしたい二大金融グループ、その配下の企業群等が考え出したTPP政策ではないでしょうか。

やっと教育が普及しだし社会インフラも整備されだした国で各種規制を撤廃させて生産し、関税無しで世界中に販売するのが最も利益が上がります。
生産コストの高い国でどれだけ失業者が増えようと関係ありません。異常気象で穀物等の食糧生産が逼迫し価格が高騰しても、余っている国から一番高く買ってくれる国に輸出すれば良いだけです。
日本は生産コストの優位性は為替レートが高いせいもありも既に無く、技術立国と言いながらそれも怪しくなり、あったとしてもそれで食べていける人は少なく、技術のキャッチアップ速度、技術移転が直ぐに図られる中では、それで多くの人々が生活できるわけでは無いと考えられます。
米の生産等では苦しく、三ちゃん農業(母ちゃん爺ちゃん婆ちゃん)の状態ですが、TPP下ではそれも無理になりそうです。井堰-水路の管理等の共同作業の必要な農村は、耕作放棄地が増えたりすると立ち行かなくなり、一度荒れてしまった農地は雑草が増え土地も痩せ、元に戻すのは大変です。環境破壊、渇水水害が更に加速されそうです。
TPPに参加しなければ輸出は減少し、参加しても結局輸出が増えていく保障は余りありません。共存共栄、助け合いの世の中は夢にしか過ぎないのでしょうか。
弱肉強食のギスギスした世の中になってしまう他無いのでしょうか。

以下のような事も考慮する必要がありそうです。
http://thinker-japan.com/thinkwar.html
日本人の知らないニッポン

http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=21307
U.S. Economic, Political and Military Expansion in the Asia-Pacific Region


04. 2010年11月02日 14:54:11: lXAtg2yXKc
前原、管は、日本の農業従事者ばかにして、その生活と環境を破壊しようとしとぃる

農業を工業製品を海外に買ってもらう為の犠牲にしようとしている


安くて危険な農薬野菜、農薬米を 日本人に大量に食べさせようとしている

私は、農家の娘だが

本当に前原、管に怒っている!

農業従事者のデモがあれば参加したい


05. 2010年11月02日 19:25:20: FzJTBmlc3c
TPPなるものに対して、全マスコミが総力を挙げてお囃子や笛太鼓を鳴らしているところを見ると、ジャパン・ハンドラーズ肝入り工作⇒電通ルートと考えるべきだろう。実例を挙げると、4月中旬に、日テレの「デマ報道イヌ記者」という番組で「20代の女はなぜ40代の男に惹かれるか」とかいうゴミ新書を書いた電通総研の女がゲスト出演し「5月末に鳩山は必ず潰れる。」と断言していたのも同じルートからの情報だろう。日本の現状は満州国と同じで、大日本帝国の対満州工作に満鉄調査部(=電通)が介在していた状況と瓜二つだ。官僚が満州総督府、検察が特高、NHKが満州電視台、テレ朝が旭日電視台、フジが翼賛電視台、TBSが新京電視台、読売が大政電視台(憲兵大隊長が顧問)空き缶はスカタン総督、仙谷は領事、前原は辻政信。アメ公が正に斜陽の大日本帝国となるわけだ。

06. 2010年11月02日 20:50:26: KnAJ48bhn6
>80円の円が78円になるだけで2%以上ドル資産は目減りする。

日本は円発行権を持っていて、日本人の多くは円資産を保有してるのだから、
80円の円が78円になるだけで2%以上円の力が増加する。
80円の円が78円になるだけで2%以上日本人の円資産が増加する。
1.5%のドル資産持つ人だけ優遇はしない!
でしょうかね?


07. 2010年11月02日 21:32:16: uLo2NXZ70A

日本の農業の自給率を低め、壊滅的にさせて、
工業製品の輸出を優先するという政策でしょう。
工業製品を世界に売って、農産物は輸入させないのは、虫がよすぎる、
というアメリカの意向でしょう。こんなに、すんなりと進めて、
議論も出てこない。一方的なのは小沢叩きと同じ。
日本は自国で考えることができない。
軽自動車税も、議論の余地なく決められるのか?
わたしは、貧乏だから、税金安い軽自動車に乗るのに・・・。
小沢排除して、官僚(アメリカ)主導の暗黒に突入か。
改革は遠くなる・・・・。ひどい話ばかりだ。

08. 2010年11月03日 00:17:37: pufQrOKRSg
いかにも宗主国の意思を反映させた話だ。この政権の性格を物語るものである。
ところで日米中外相会談を持ちかけるアメリカの真意は何か。これから沖縄にどんな仕掛けをしてくるか。アメリカの打つ手はなんだ。(現政権とりわけ前原の意図は問わない。ただアメリカの指図に従うだけだから。中国は前原に向かい合う時にはちょうど江原啓之がその人の背後霊に話しかけるようにアメリカに話しかけているのだろう。その場合前原は守護霊がついていると思っているがほんとうは呪縛霊だ。そういえば一時期マスコミを席巻していた江原だが今どうしているのだろう。)

09. 2010年11月03日 06:57:25: gUKZMmTUlA
投稿者の的確な分析に感謝、
FTAで対処すべきだ。
TPPは日本の農業を壊滅的にする。
食料を外国に頼る日本にしてはならない。
TPPはアメリカの年次報告書の要求そのもの
前原はアメリカの手先という見方もあながち嘘ではないと思えてきた。

マスコミも経団連のいうことを真に受けて
急にTPPを言い出したが、これはおかしい。


10. 2010年11月03日 10:35:39: HXbxwV9z3Q
「安全性」と「自給率」、マスコミは議論を避けている。

11. 2010年11月03日 11:27:04: J0o6rialnc
難しい話は私には分らないが、鳩山氏が「東アジア共同体」を掲げた時、アメリカはそこにアメリカも加えろと言ったが、確か岡田氏はアメリカは「東アジア共同体」には加えないと言って拍手喝采を浴びたと思うが。
私もその時は一瞬岡田を見直しちゃったよ。
それがいつの間に又「アメリカ年次要望書」通りになっちゃったんでしょうね〜。
食糧危機が叫ばれている昨今、政府は何故日本の自給率を下げる危険のあるTPPをこんなに早急に薦めるのか、それは日本人の為ではなく、アメリカの年次要望書に従った政策ではないかと素人の私でさえ、危惧するのである。
食糧危機が来れば何処の国でも自国の食料を優先するのは自明の理であろう。
その時は日本人が一番先に飢え死にしてしまう。
先ず何をさておいても、日本の食の自給率を上げる対策が急務である。
TPPなどアメリカに利する事ばかりやる菅政権の退陣が日本国民の救われるたった一つの残された道である。


12. 2010年11月08日 21:31:24: o81NwTLFRY
TPP参加は断固反対です。
これからの世界の気象は、農作物生産に不利な方向に進んでいます。
今年はロシアも小麦輸出全面禁止になりましたし、世界各地で異常気象が続き、世界一の米輸出国タイは今も洪水が続いています。どこでも、食料は不足することが予想されます。ただでさえ自給率が低いのに、これ以上他国に依存しようというのは、愚の骨頂です。管政権はもうアカンです。民主党には全く政権能力が無く失望しました。

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