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http://mainichi.jp/life/today/news/20101101org00m020022000c.html
日本はやはり壊れかけているのだろうか。最近の相次ぐ国家を揺るがす事件をみていると何となくそんな懸念をもってしまう。日本の基本的な土台や支柱が崩れつつあると感ずる人は多いのではないか。
残虐な事件や親殺し、子殺し、理由のない無差別殺人の続発は、むろん気になるところだ。だが今回の尖閣問題をめぐる日本政府の対中外交、大阪地検特捜部の組織ぐるみの証拠改ざん事件は、国家組織の基本にかかわるとみられるだけに看過できない。
尖閣諸島付近の日本領海内で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突したのは9月7日、翌8日に船長以下15人を公務執行妨害で逮捕。すでに7日に中国外務次官が丹羽宇一郎駐中国大使に抗議していたが、仙谷由人官房長官は会見で「日中関係に影響が出るとは考えない」と語っている。14日に民主党代表選が予定されていたから関心はそちらにあり、菅直人首相のコメントもなかった。その後も前原誠司外相らは国内法にもとづき「粛々とやる」と述べ続け、中国が外交問題として重視しているのに対し日本側は「中国側が故意にぶつかってきた事故なので刑事事件として処理する。証拠となるビデオもある」とし、外交問題(扱い)を避け続けた。
しかし中国側は一貫して外交的な対抗策をとり続けガス田共同開発交渉延期、丹羽大使の深夜の呼び出しなどがあり、結局13日に船員14人を釈放。船長は拘置延長とし起訴をめざしたが、その後も中国の外圧が続き21日に温家宝首相が無条件釈放要求と新たな対抗措置を発表するとついに24日、那覇地検が船長釈放を決めた。中国は完全に外交問題として扱ってきたのに対し、日本は「司法の問題。証拠もある」と主張していたが、結局外圧に屈した弱腰外交と内外から批判されるハメに陥ったのである。
大阪地検問題は国の内側から日本の土台を崩すような衝撃をもたらした。検察権力への批判はこれまでもあったが、腐敗や社会悪を追及し日本が真っ直ぐに立つ軸を守る最後のとりでは検察、とくに特捜部とみられてきた。だからなのか、時折りみせる検察の傍若無人の立居振舞いにもメディアは引き下がることが多かった。だが最強の権力をもつ捜査機関が組織ぐるみで自己組織防衛のために一人の弱い市民を証拠改ざんなどで有罪にしようとしていた今回の事件は、その非情さ、人間性の無さ、事実や人間への尊厳、思いやりのなさのひどさにガク然とさせられた。検察は国家権力の暴走や不正をただす最後の頼みの機関とみられ、そこが検察の誇りでもあったのではなかったか。
国民が政治と国家組織に求めるものは、情報や歴史観、大局観などから国益や罪のない市民の生命、財産などを守ることにある。その国家と権力機関が判断を誤まり、国民に誇りを失わせ恐怖心を与えたら国家への信頼の基盤、土台そのものが崩壊してしまうだろう。これらを報道するメディアを含め国家組織とその権力機関、国を動かす政治家は言い訳や自己弁護をする前に、国民や海外に大きな不信、“軸”のない日本をさらけ出してしまった恥をしっかり噛みしめてもらいたい。[財界11月2日秋季特大号(10月12日発売)]
2010年11月1日
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