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2010/10/29
壊れるメディア、壊れる民主と鳩山由紀夫的ココロ
今週の月曜日、ツイッターを見ていたら↓のようなつぶやきがあった。
@kazz006: 朝から、町村氏がクリーンな政治を訴えて当選など言うブラックジョークをニュースで聞いて、とうとうテレビが壊れたのかと思いましたが、壊れているのはメディアの方らしい。テレビなら修理できるが、メディアの方は不買運動でもしなければ、いっこうに直らないようだ。
これには思わず笑ってしまったが、まことにもって的を射ている。
本当にメディアの壊れっぷりは凄まじい。
私はこの月曜日の晩に間違ってNHKのニュース9という番組の最初の部分を見てしまったのだが、大越某という男が北海道の補選の結果を受けて小沢一郎や民主党の「宿題」とやらを思いっきり高いところから得々と解説しているその壊れぶりに開いた口がふさがらなかった。
ま、これに限らず北海道で敗れたのも、そしてまたまた民主党の支持率が下がっているのも、メディアや民主党の現主流派の連中にとってはすべて小沢一郎の責任、政治とカネの問題ということらしい。
私の記憶では、確か枝野幸男は選挙担当の幹事長代理だったはずで、だとすると参議院選挙に続いてまたもやは敗北を喫したこの男こそが責任を問われるべきだと思うのだが、そのような声はメディアからは上がらず、本日も枝野はいけしゃあしゃあと事業仕分けをしている。
そして民主党は法人税を減税する一方で企業献金の受け入れを再開するのだという。
いやはや、坂道を転げ落ちるように旧自民党路線に向かって突き進む菅政権。
ここまでくると、森、小泉以降はともかく、小渕あたりまでの政権の方がマシだったと真剣に思えてくる。
その昔、私は単純に田中角栄や竹下登の一派をけしからんと思っていた。しかし、竹下などは(多分、角栄もそうだろうが)「二度と戦争はしてはいけない」ということは、わりとはっきりと言っていたと思う。これは梶山静六などもそうだし、羽田孜もそうだ(かつて朝日新聞の早野透がコラムで羽田孜のことを書いていたが、羽田は「とにかく日本は戦争をやらない国にしないといけない」とパーティで言っていたというような内容だったと記憶している)。
極めつけは後藤田正晴で、晩年のインタビューなどを読むと「これが内務官僚、警察官僚出身者か」と思うほどリベラルである。
つまり彼らは実は非常に良質な保守で、しかも政治家としての胆力も十分にあった。
ところが現在の自民党にはそういう勢力は残っておらず、しかも民主党の主流派にもいない。
そういう状況のなか、鳩山由紀夫が政界引退を撤回する可能性を示唆したという。
そしてメディアは予想通りこのニュースを否定的に流している。
火曜日の早朝にクルマを運転しながらAMラジオを聴いていたら、若い女性のキャスターが鳩山のことを思いっきり揶揄していたのものだった。
しかし、私は鳩山の気持ちがなんとなくわかる(勝手な推測だが)。
民主党が昨年夏の衆議院選挙で約束をした「国民の生活が第一」の政治をきちんと実行し、その路線が揺るぎないものになりつつあるのなら、おそらく鳩山由紀夫は引退の撤回などしなかっただろう。
ところが、現実は政権交代からわずか1年ちょっとで、その路線が音を立てて崩れつつある。
もちろん、この点については鳩山個人が負うべき責任も重大である。だが、この状況をこのまま放置したら政権交代の意味はまったく失われ、自民党内の派閥間による権力移動とほとんど変わらない、いやかつての自民党政権と比べても重みがない分、官僚やアメリカに軽くあしらわれる政権が続くことになる。
それに対して危惧を抱いた結果の引退撤回なのではないかと思うのだ。
だとしたら私はこれを支持する。
この状況で鳩山由紀夫の存在はまだまだ貴重である。
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