本阿修羅をはじめ、ネットで問題になっている朝日新聞１０月２６日付け１３面オピニオン欄の「強制起訴制度は三権分立外れ、違憲では」を拝読したが説得力がある。「では」は朝日が付け加えたのではないかと勘ぐりたくもなるが、それはそれとして、改めて、検察審査会法を読んだが、

第３条　検察審査会は、独立してその職権を行う。

となっていて、チェックの効かない機関になってる。やはり、検察審査会の法的性格について今臨時国会で徹底的に追及すべきだ。

小生の考えるところ、改正検察審査会（法）はやっばり憲法違反じゃないか、という素朴な疑問が消えない。

（１）東京地裁、高等裁とも「検察審査会は準司法機関なので、行政訴訟になじまない」として小沢一郎氏の訴えを却下したが、これは法務省の「検察審査会は行政機関に属する」という見解（平野貞夫氏 http://www.the-journal.jp/contents/hirano/2010/10/24.html#more による）と矛盾する。もし、司法機関なら司法機関が起訴して同じ司法機関の裁判所が裁判するなら、民事、刑事ともすべて有罪となり、司法ファシズム（おかしな言葉だが）に陥ることは明らかだ。

（２）もし、行政機関なら、憲法は国権の最高機関として衆議院、参議院に国政調査権を認めている（広く解釈すれば、国会議員にも国政調査 権を認めていると解釈できるかもしれない）ので、今臨時国会で今回の怪しげな第５検察審査会について、徹底的に正体を追求できるはずだ。現在、民主党の川口博史氏、階猛氏、森ゆう子氏、川口博史氏の３議員が追求しているが、巧みにかわされているようだ。なんとか国政調査権（現在は証人喚問くらいしかないらしいが）を発動すべきだ。

「立ち上がれ日本」の与謝野馨共同党首？は、「国会でリンチを行うのはいけない」といって、証人喚問には否定的のようだし、国民新党の亀井静香代表も証人喚問には否定的だ。これは、民意で選ばれ、政治活動の権利 がもっとも尊重、保証されなければならない国会議員の政治生命にかかわる、また、 民主主義の根幹にかかわることなので、国会が国権の最高機関としての最重要の機能を発揮すべだ。少なくとも、「国会議員の政治生命と議会制民主主義を守る議員連盟」を発足させるべきと考える。

（３）「強制起訴制度は三権分立外れ、違憲では」の論理も積極的に活用すべきだ。

（４）なので、
�@法務省と地裁、高裁の見解の相違について、政府・法務省を追及し、行政機関に属するとの答弁を引き出す。それなら、東京地裁、東京高裁の却下理由の不当性を満天下にさらせる
�A国政調査権を使って徹底的に第５検察審査会の正体をあばく（何のために、国政調査権があるのか。伝家の宝刀をぬぐ必要がある。国会は国権の最高機関ではないか）
�Bもし、三権の枠組みから外れた存在なら、「憲法違反訴訟」を起こすー
などの措置が可能ではないかと思われる。

（５）実際は、米国→ＣＩＡ→対米隷属内閣、外務省、法務・検察庁、最高裁事務総局（←植草一秀氏も指摘する http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-91ff.html ように、ここが日本の司法の民主化を阻止しているようだ）、マスコミ→対米独立を目指す政治家弾圧の構図だと思う。このルート で、日本の愛国政治家はみな、政治生命を絶たれてきた。

（６）ただし、第５検察審査会問題は第５検察審査会問題として、小沢氏側弁護団は「小沢一郎氏真っ白」であることを精緻に理論構成し、裁判の準備を行うべきだろう。

なお、植草氏も指摘する（http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-b3df.html）ように、閣議決定された補正予算案なるものは、長期デフレ不況の中をドル安ないしドル暴落が襲いつつある（月刊日本11月号「尖閣事件の背後にあった米中野合の可能性」（城内実衆院議員）で、城内議員は「いずれドルが崩壊し、アメリカは自壊するかもしれない」と警告している）のに、真水が７５００億円と景気浮揚効果ははっきり言ってゼロ。このまま官僚依存・対米隷属でいくと、諸般の国内、国際経済情勢からすれば、「民主主義崩壊大恐慌」が日本列島を押し寄せてくるだろう。

なお、当然のことだが、下記に検審法での罰則規定がある。９月１４日の代表選当日に議決され、その内容が小沢氏支持の議員を切り崩すため、一部の民主党議員に流れていたという噂があるから、小沢・鳩山量グループはそれを確かめるべきだと思う。底ぶたのない空き缶だから、菅直人空き缶・仙谷闇将軍・前原誠司対米盲従外相トリオの現内閣はもたないんじゃないか（日刊ゲンダイ１０月２９日号）。

第44条　検察審査員、補充員又は審査補助員が、検察審査会議において検察審査 員が行う評議の経過又は各検察審査員の意見（第25条第２項の規定により臨時に 検察審査員の職務を行う者の意見を含む。以下この条において同じ。）若しくは その多少の数（以下この条において「評議の秘密」という。）その他の職務上知 り得た秘密を漏らしたときは、６月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
《全改》平16法062
２　検察審査員、補充員又は審査補助員の職にあつた者が、次の各号のいずれか に該当するときも、前項と同様とする。
1．職務上知り得た秘密（評議の秘密を除く。）を漏らしたとき。
2．評議の秘密のうち各検察審査員の意見又はその多少の数を漏らしたとき。
3．財産上の利益その他の利益を得る目的で、評議の秘密（前号に規定するもの を除く。）を漏らしたとき。
《全改》平16法062
３　前項第３号の場合を除き、検察審査員、補充員又は審査補助員の職にあつた 者が、評議の秘密（同項第２号に規定するものを除く。）を漏らしたときは、50 万円以下の罰金に処する。
　

コメント
01. 2010年10月28日 19:04:36: wmx5n2atWo 民主党の川口博史氏、階猛氏、森ゆう子氏、川口博史氏の３議員が追求しているが 　　↓ 民主党の川口博史氏、階猛氏、森ゆう子氏の３議員が追及しているが、 小沢・鳩山量グループ 　　↓ 小沢・鳩山両グループ すみません。
02. 2010年10月28日 19:24:53: lvDn0fuAog 川口じゃなく川内でないかと思います
03. 2010年10月28日 19:27:51: gVJSLJRelw 投稿者 fighter　さんへ 民主党の川口博史氏ではなく、 ⇒ 民主党 川内 博史（カワウチ ヒロシ） 衆議院議員 でしょう。 折角よい投稿なので、二重、三重の間違いは、拙いよ。
04. 2010年10月28日 19:39:04: FN1zC6nnJI 東京第二弁護士会が３名の指定弁護士候補者を推薦、と報じられたので３名の中から東京地裁が選ぶのかと思っていたら、３名をまるまる指定している。 これでは、実質的には東京第弁護士会が指定したことになってしまい、検察審査会法「第41条の９　第41条の７第３項の規定による議決書の謄本の送付があつたときは、裁判所は、起訴議決に係る事件について公訴の提起及びその維持に当たる者を弁護士の中から指定しなければならない」という規定は意味をなさないのではないですか。 どうせ「指定」なのだから、それでいいということなのですかね。 「朝日」は「選任」と書いていたのでそれではミスリードになると指摘しておきましたが、検事役が裁判所の「指定」などといういい加減なことで決まるのではなく、裁判所が「選任」するものだと国民の大多数は思い込んでいるのではないのでしょうか。
05. 2010年10月28日 19:41:05: vjwuzVZbMc >>02 元法相で自民党議員だった保岡興治氏や、 法務委員として法改正に関わった自民党議員ですら、 改正検察審査会法に疑問を呈しているというのに、 民主党の小沢・鳩山両グループ以外から、 疑問が出てないとしたら、政治家としては相当に愚鈍な存在ですね。 強制起訴後の十月五日頃ならともかく、これだけ時間が経過してしまうと 誰の目にも検察審査会の法管理体制が異常なものであること が明らかになりつつありますし、今後、更に識者の支持は 拡大していくでしょう。 その時になっても、民主党内の反小沢グループが 小沢排除の旗印にしがみつくなら、 もはや政治家として存在する意味はありません。 今後は、法治国家の根幹を揺さぶるような重大案件を 政争の具にした小人として薄汚い烙印を押されるでしょう。 すでに管・仙谷政権に期待を寄せる国民など 何処にもいませんが
06. 2010年10月28日 19:42:54: vjwuzVZbMc >>05訂正。アンカーは>>02ではなく>>01宛。だから何って感じ。
07. 2010年10月28日 20:04:26: ebLu6MQwUM 民主党の国会議員、特に小沢、鳩山グループの面々はどうしたのか？ 検察審査会がおかしいとなぜ声をあげないのか？ 第５検察審査会の会議録を公開せよとなぜ迫らないのか？ 菅、仙谷を支持する国民は非常に少なくなっている。 菅、仙谷そしてマスコミが怖いのだろうか？。 このままでは民主党は終わってしまうよ。 勇気を持って大きな声をあげよう。 民主党を再生させるために。 ここまで書いて情けなくなった。 本当に民主党の国会議員はどうしたのだろう？ あと２年半国会議員にしがみつきたいので、菅首相を支持するというのだろうか？
08. fighter 2010年10月28日 21:11:42: 3eZ3jep8i/A.. : wmx5n2atWo fighter←（しっかりしろ！）です、 >>02　さん >>03　さん ご指摘どうも有り難うございました。 民主党の川内博史議員には、かんぽの宿事件依頼、非常に期待しています。 三井環（たまき）氏が、きょう午後、衆院第２議員会館で開かれる「取調べの全面可視化を実現する議員連盟」に出席するとの報道（日刊ゲンダイ１０月２８日号）がありましたが、どうなりましたか。「官総理よ、私を参考人招致せよ！」（月刊日本11月号）と言っておられて、「取り調べの全面可視化では生ぬるい。検察の残記録（検察が証拠提出しなかった調書）と押収証拠品」も全面開示せよ、と迫っています。 検察の裏金問題を暴露し、（最高裁にもあるそうだが）、認証官の府と化した法務・検察組織の解体的再建が必要だと思う。検事総長は法相が兼任するくらいのことをしないとだめでしょう。千葉景子のおばさん、本当に弁護士の資格持ってんの、と言いたい。あんたが遊んでいたから、悲惨なことになった。落選は当然。 それにもまして、鳩山由紀夫前首相は組閣に失敗した。国会議員やめないと言い出したが、１週間くらい飲まず食わずで反省し、小沢一郎氏または亀井静香代表の書生をやることから出直せと言いたい。それから、くるくる変わる宇宙人から卒業しろ。政治家の要諦は、愛国心に基づいたぶれない信念と政策だ。
09. 2010年10月28日 21:58:17: FN1zC6nnJI 準司法機関とは裁判ではなく審判をする機関のことであって、２回目の起訴相当議決を起訴議決とする審議機関の検察審査会が準司法機関であるはずもないでしょう。 東京地裁判決は、準司法機関である検察審査会がする議決であるから刑事司法手続きの一環である、刑事司法手続きの一環としての起訴議決をするから検察審査会が準司法機関である、という典型的トートロジーにほかならない裁判所の堕落を示すものに過ぎない。
10. 2010年10月29日 23:30:10: SPtnMDxJ8A 東京地裁、高等裁の「本音」が出て、今回の第五検察審査会の謎の審査員の正体を自白してしまったのでは？ 東京地裁、高等裁とも「検察審査会は準司法機関なので、行政訴訟になじまない」として小沢一郎氏の訴えを却下。 その文面通り、今回の第五検察審査会だけに限っては、準行政機関ではなく、実際に準司法機関なのです。 なぜなら、 検察審査会＝準司法機関＝準裁判所　になってしまい、 審査員は裁判所の職員か裁判官ということ？　となりますが！ 確かに、現行の検察審査会法でも裁判所の職員でも審査員になれますね？ 検察審査会法　第六条 第六条 　次に掲げる者は、検察審査員の職務に就くことができない。 六 　裁判所の職員（非常勤の者を除く。） ※非常勤なら、裁判所（司法機関）の職員も審査員になれるんです！ すなわち、 今回の第五検察審査会の平均３４．５５歳の１１人の謎の審査員の 正体は、 「非常勤の裁判所職員！！！」だったのです。 これで、すべての謎が明確になります。 小沢一郎を強制起訴するために、くじで選ばれた中から裁判所が非常勤の 臨時職員を１１人雇ったのです、非常勤の「準」裁判所職員が１１人で審査 したのですから当然「準」裁判所＝準司法機関です。 こうでも考えなければ、今回の東京地裁、高等裁の却下理由は辻褄が合わないと思う。 たしかに、東京地裁、高等裁の「司法機関のやらせ」なら、たしかに「行政訴訟にはなじまない。」から却下されるのは当然だからしょうがないか？

11. 2010年10月30日 20:37:14: FN1zC6nnJI 「準司法機関」とか刑事訴訟法に基づかない「刑事司法手続」などという法律上の概念ではない形容句をつなぎ合わせて、「準司法機関による刑事司法手続」だから、行政訴訟を提起するのは違法だ、などとする判決を通用させてよいものでしょうか。

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