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貿易自由化を柱とする環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加検討を巡る政府内の対立が鮮明となった。
27日に公表した日本経済への影響についての3府省の試算はバラバラで、閣僚の賛否も分かれているからだ。政治主導を掲げる民主党政権内で、議論の迷走は深刻化している。
◆極端な前提
試算では、農林水産省がTPPに参加すると11・6兆円の損失が出るとしたのに対し、経済産業省はTPPに参加しないことが10・5兆円の損失を生むと算出した。農業と輸出産業という所管分野の違いはあるが、プラスとマイナスで正反対の結果が示された。
原因は、両省が互いに「極端だ」と批判する前提条件に色濃く出ている。
農水省は「TPPで関税が撤廃されると、すべての国との間で輸入関税を維持できない」と主張。主要19品目を全世界に開放し、農家への戸別所得補償制度の拡充を含めて何も農業対策を行わないことを前提にし、「被害」を強調した。
一方、経産省は「TPPに参加しないとEUや中国とも自由化できない。ライバルの韓国は主要国との貿易自由化を進める」という前提で、「日本が鎖国に向かうシナリオ」(担当者)となっている。
閣内の調整不足は深刻だ。前原外相は27日の衆院外務委員会で、「役所の思いが込められた数字」と指摘した。だが、「外務省はまとめる立場にはない」として議論をリードする姿勢は見せなかった。
◆「閣内不一致」
菅首相は24日の日曜日に全閣僚を集めて勉強会を行い、TPPへの対応を2時間以上も議論したが、方向性が出なかった。
閣僚からはその後、国会答弁や記者会見での発言で賛否が分かれ、「閣内不一致」の状態だ。推進派の仙谷官房長官は27日の記者会見で、「第三の開国期に臨むための具体的施策は何なのか議論すべき」と述べた。だが、鹿野農相は「TPP参加は『関税ゼロ国宣言』にあたる」と、国内農業が壊滅的打撃を受けかねないとの危機感を示した。
TPPの旗振り役であるはずの大畠経済産業相が同日の衆院経済産業委員会で「何が何でもTPP(参加)というわけではない」と、慎重姿勢に転じたことも議論を複雑にしている。“心変わり”の原因については、鳩山前首相がTPP慎重派の議連顧問に就任したことが、鳩山グループの幹部である大畠氏の言動にも影響しているとの見方もある。
菅首相は11月13日に横浜市で開幕するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、TPPに参加するかどうかを表明する方針だ。省庁間の対立を収めて政治決断できるかどうか、民主党政権が掲げる政治主導の真価が対外的に改めて問われる事態になりそうだ。(植竹侯一、寺村暁人)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20101027-OYT1T00975.htm
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