http://www.asyura2.com/10/senkyo98/msg/239.html
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普段新しい記事を公開しない日だが、あまりに腹が立つので特別に記事を公開することにする。当初『kojitakenの日記』向けに書き進めていたが、長くなったこともあって、こちらでの公開に切り替えた。
鳩山由紀夫の件である。次の総選挙で政界を引退するという、6月に首相を辞めた時の発言を、鳩山は撤回した。
小沢信者が言う「真実を伝えるメディア」である『日刊ゲンダイ』も鳩山由紀夫をかばい切れなかった。普段、「ゲンダイ相手にせず」を信条にしている私だが、「ゲンダイ」とは信じられないまっとうな記事なので、禁を破って紹介する。
http://gendai.net/articles/view/syakai/127102
鳩山前首相 「引退撤回」のKYぶり
自民の老害政治家と同じになってしまう
この男は、いったい何を考えているのか。鳩山前首相である。24日、訪問先のベトナム・ハノイで記者団に対し「議員を続ける方向に気持ちが傾いてきている。まだ決めていないが今年中に結論を出す」と話したというのだ。
今年6月の首相辞任時に「首相を辞めた人が影響力を行使しすぎてはいけない。次の総選挙には出馬いたしません」とテレビカメラの前で明言し、次期衆院選に出馬せず政界を引退する考えを示していた。
その後、地元後援会の会合で、11年春の統一地方選のころを目安に結論を出すと、先送り発言。そして今回の“続投宣言”である。
鳩山は続投の理由について「民主党の状況が思わしくない。自分なりの役割を投げ出していいのかという、いろいろな声をもらっている。自分の判断を前向きに変えないといけないかなと思う」と、党を思っての行動だとしている。
いやはや、KYにもほどがある。
「9月の代表選直前に、トロイカを主張して、菅と小沢の仲介役にしゃしゃり出たものの、結局まとめることはできなかった。その後、中国漁船衝突事件が起きると、“私だったら事件直後に、この問題をどうすべきか中国の温家宝首相と腹を割って話し合えた”と発言し、ひんしゅくを買った。最近は首相特使や前首相の肩書で中国、ロシアやベトナムなど海外を飛び回っていますが、この人の復権を期待している人はほとんどいませんよ」(政界関係者)
鳩山の引退撤回に対しては、早くも野党から「いやしくも首相だった人が自らの進退について発言したことを翻すのは国民の信頼を損なう」(公明党の山口那津男代表)と批判が出てきた。野党にとっては民主党政権を攻撃する新たな材料となったわけだ。
いつまでも権力に未練たっぷりでは、自民党の老害政治家と変わらなくなってしまう。
(gendai.net 2010年10月25日)
『ゲンダイ』でさえこれだから、ozw信者言うところの「マスゴミ」の代表格・朝日新聞はもっと辛辣だ。
「引退撤回―新たな役割期待したのに」と題した10月26日付社説では、下記のように書いている(引用箇所前後の部分を省略)。
鳩山氏には議員の資格がない、というのではない。
ただ、鳩山氏は政界引退を表明するにあたり、「総理たる者、その影響力を、その後、行使しすぎてはいけない」と語っていた。
自民党政権時代、首相を退いた政治家が陰に陽に政界に影響力を及ぼすことは珍しくなかった。それだけに、この鳩山氏の言葉には、首相経験者の新たな身の処し方を示そうという自負と潔さが感じられたものだった。
鳩山氏は政権交代前にも、自民党の森喜朗、安倍晋三両元首相を念頭に、「総理まで極めた人」のふるまいが「政治の混乱を招いている」と批判し、自らはその道は採らないと述べていた。それは、確固たる信念ではなかったのだろうか。
(朝日新聞 2010年10月26日付社説より)
私は、鳩山由紀夫には議員の資格がないと思うが、朝日新聞は社説ではそこまでは書かない。だが、同紙4面に記事が掲載された西山公隆記者の意見は、社説よりはるかに厳しく、私にも共感できるものだ。
asahi.comには出ていないようなので、手打ちで紹介する。
資格なし、政界引退を
私たちは、かくも言葉の軽い政治家を一国の指導者に担いだものである。鳩山氏の引退撤回発言に、私はあぜんとするほかなかった。政治家にとって最も大切な出処進退の決断で迷走。これでは首相もおろか、政治家としての資格もない。
政策をめぐる発言が迷走して鳩山氏が内閣総辞職に追い込まれた6月、私は首相官邸に詰め、右往左往ぶりを目の当たりにしてきた。鳩山氏は首相辞任を表明した時、歴代首相がほぼ例外なく行ってきた辞任会見に応じなかった。私は「国民に背を向けた」と紙面で批判した。一方で、政界引退の決断は評価していた。
自民党政権では、首相が辞任後にキングメーカーとして君臨し、不透明な形で影響力を及ぼす例が続いてきた。鳩山氏の決意は政権交代を機にそれを断ち切り、政治文化を転換させる試みだった。自らの「政治とカネ」の問題や、突然の辞任で政界を混乱させたことに対する、最高権力者としての責任の取り方でもある。私は、層解釈していた。
ところが、鳩山氏は半年もたたぬうち前言を翻した。
民意による政権交代で首相になった鳩山氏の言葉は、政治への信頼に直結する。まして鳩山氏が掲げた民主党のマニフェストの信頼性が国会論戦の大きなテーマになっている。鳩山氏の振る舞いは、民主党全体の信頼にまで及ぶ。
鳩山氏は「党の状況が思わしくないので、自分の役割を投げ出していいのかと考えた」と引退撤回の理由を語った。これは逆である。いまや鳩山氏が党の足を引っ張ろうとしているのだ。
民主党への信頼を取り戻すため、為政者の言葉の重みを国民に示すため、鳩山氏は約束を貫いてこのまま政界を去るべきだ。
(朝日新聞 2010年10月26日付4面掲載 西山公隆記者の署名記事)
朝日新聞の4面には、西山記者の署名記事のほか、「辞めるのや〜めた 軽すぎる」「地元も不信」という見出しで、鳩山由紀夫への批判を大々的に展開している。
同紙によると、たとえば野田正彰・関西学院大教授(精神病理学)は、「恵まれた環境に育ち、優柔不断の性格で政治をやってきた。引退撤回も非常に情緒的な意思決定だ」と分析し、さらに鳩山由紀夫が代表選で菅直人支持から一転して小沢一郎支持に転じた理由が「首相にしてくれた恩返し」だったことについて、「私情と政治判断を混同していることに気づいていない。彼はこれからも同じことを繰り返す。この程度で政治家になれるのか」と厳しく批判している。
呆れたことに、年は鳩山由紀夫より若いが、「KY道」にかけては大先輩である、あの安倍晋三までもが「総理の発言があまりにも軽くなってしまう。3カ月くらい前の発言だから、多くの国民は驚くだろう」と発言している。3カ月どころか、前の日に行った所信表明演説をなかったことにして総理大臣の座を投げ出したことを、安倍晋三は忘れているのだろう。
6月の鳩山由紀夫の引退発言は、こんな安倍晋三(や森喜朗)のような人間がいつまでも政界にのさばり続けていることに対する、痛烈な批判になっていた。だから、鳩山内閣の業績をほとんど評価しない私でさえ、鳩山由紀夫の政界引退発言だけは、高く評価していた。
だが、歴代首相の中では他に安倍晋三くらいしか比較する対象が思い浮かばない「引退撤回」KY発言は、単に民主党の足を引っ張るのみならず、政界に害毒を流している安倍晋三らの行動を正当化し、彼らを勇気づけるものになった。安倍は、鳩山を批判しながら、内心でほくそ笑んでいるに違いない。
鳩山由紀夫の政界引退撤回は、このところの政界ニュースの中でも、とりわけ不快だった。
鳩山由紀夫よ、お願いだから、やめるのやめるのやめてくれ。政界をさらに混乱させようとしたことの責任をとって、直ちに議員辞職してくれ。こう言いたい。
http://caprice.blog63.fc2.com/
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