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菅政権の失速が顕著だ。衆院北海道5区補選での敗北から一夜明けた25日、参院予算委員会の集中審議では、「陰の首相」こと仙谷由人官房長官と「仕分けの女王」の名をほしいままにする蓮舫行政刷新担当相が、ともに謝罪する事態になった。補選敗北の要因となった小沢一郎民主党元代表の「政治とカネ」の問題も待ったなしの状況。逃げ場を失った政権は行き詰まりの様相を呈している。(小島優、坂井広志)
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「事実に反した答弁があったほか、委員会運営に異を唱え、政府参考人に圧力を加えたと思われても仕方がない不適切な答弁があったと認め、陳謝します」
予算委の冒頭、仙谷氏は淡々と書面を読み上げながら、全面降伏してみせた。
この日の答弁では得意のはずの法律論でも精彩を欠いた。問題となったのは、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件の中国人船長釈放の際、仙谷氏が那覇地検の判断について「刑事訴訟法248条を踏まえて釈放処分した」としたコメント。
弁護士出身の自民党の森雅子氏から「『踏まえて』は(条文の)類推適用か」と質問されると、仙谷氏は「準用というものもある」と答弁。森氏から「司法試験を受けたのは何十年も前でお忘れになったのですかね。準用でないことは明らか。これは刑事法。厳格に適用できなくてどうする」と切り返された。
蓮舫氏に至っては謝罪が完全に裏目に出た。
国会内でファッション誌の撮影に応じたことについて、蓮舫氏は「院内での議員活動の範囲を超えたものであった」と平謝り。
しかし、撮影の理由を「議員活動」としたのは「参議院警務部の示唆」と答弁していたことを「虚偽ではないか」と森氏に問われると、「結果として虚偽と思われ、警務部に申し訳ない」と答弁。自ら「虚偽答弁」を認めた格好となり、野党の抗議で審議が何度も中断した。
政権の二枚看板のピンチに、最近になく張り切ってみせたのが菅直人首相だ。
「今、リーダーシップについて真正面から答えているじゃないか!」
漁船衝突事件や小沢氏への対応で「リーダーシップがない」と批判されて答弁に立った際、野党議員からのヤジに対し、久々に“イラ菅”を炸裂(さくれつ)させた。
もっとも、首相は森氏の最初の質問に答える際、「森裕子さん」と呼びかけ、民主党の女性議員と人違いする失態も演じた。
この日は与党からも政権批判が飛び出した。小沢氏に近い民主党の川上義博参院議員は、首相の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加検討表明に苦言を呈した。
「消費税もそうだが突然出してくる。『熟議を』と言うが、党内には熟議も何もない」
野党席からは「その通りだ」と拍手がおきた。
国会で失点を重ねる政権をカバーしようと、党執行部はいよいよ重い腰を上げざるを得なくなった。
岡田克也幹事長は25日の記者会見で、小沢氏をめぐる問題が補選に与えた影響について「個別のことを取り上げて言うのはいかがなものか」と言葉を濁したが、仙谷氏や輿石東参院議員会長と会談。小沢氏の国会出席に向け動き始めた。
ただ、政治倫理審査会(政倫審)など国会対応について25日の党役員会で議論されることはなかった。
連立を組む国民新党の亀井静香代表は25日、浜松市での講演でこう警告した。
「このままでは連立政権はメルトダウンし、自公政権と同じ道をたどっていく危険性がある」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101026/plc1010260057001-n1.htm
「このままでは政権はメルトダウン、自公政権と同じ道…」 補選敗北で亀井氏
国民新党の亀井静香代表は25日、浜松市で講演し、衆院北海道5区補欠選挙での民主党敗北を受け「このままでは連立政権はメルトダウンし、自公政権と同じ道をたどっていく危険性がある」と指摘した。
民主党による公明党との連携模索の動きには「公明党が簡単に物分かりの良い態度を取ってくると期待するのが間違いだ」と牽制(けんせい)、「国民新党と一緒になって、どういう政策を断行するかを決めていくべきだ」と連立政権結束の重要性を強調した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101025/stt1010251723005-n1.htm
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