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1 農地に関する所有権移転登記に関する法例
(1)本件問題の土地について2004年10月5日に売買予約契約を締結し、同年10月29日に売買請求権の予約登記をなし、2005年1月7日に土地の所有権の移転の本登記がなされた。小澤氏と『T』株式会社との農地の売買契約が、本件土地が農地であったので、農地法の制限即ち農業委員会の許可か届出の為にやむを得ず遅れたかどうかが問題。私は農地法の制限ではないという見解。これに対して、あれこれの批判があるので、再度説明をする。
(2) 農地法5条1項但し書6号では、市街化農地の転用目的の所有権の移転登記は、農業委員会の許可は不要で農業委員会への届出で足りることは以前に指摘した。以下、この届出に関する農地法、施行令、規則の規定を引用する
イ、(農地法)
第5条 農地を農地以外のものにするため・・・・・・、これらの土地について第3条第1項本文に掲げる権利を・・・移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一 〜五 (略)
六 前条第一項第七号に規定する市街化区域内にある農地・・・政令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出て、農地・・・以外のものにするためこれらの権利を取得する場合
ロ (政令=農地法施行令)
第17条 法第5条第1項第6号 http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxrefer.cgi?H_FILE=%8f%ba%93%f1%8e%b5%96%40%93%f1%93%f1%8b%e3&REF_NAME=%96%40%91%e6%8c%dc%8f%f0%91%e6%88%ea%8d%80%91%e6%98%5a%8d%86&ANCHOR_F=1000000000000000000000000000000000000000000000000500000000001000000006000000000&ANCHOR_T=1000000000000000000000000000000000000000000000000500000000001000000006000000000#1000000000000000000000000000000000000000000000000500000000001000000006000000000の届出をしようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産省令で定める事項を記載した届出書を農業委員会に提出しなければならない。
2 農業委員会は、前項の規定により届出書の提出があつた場合において、当該届出を受理したときはその旨を、当該届出を受理しなかつたときはその旨及びその理由を、遅滞なく、当該届出をした者に書面で通知しなければならない。
ハ (農林水産省令=農地法施行規則)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S27/S27F00601000079.html
(市街化区域内の農地・・・の転用のための権利移動の届出)
第50条 令第17条第1項 http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxrefer.cgi?H_FILE=%8f%ba%93%f1%8e%b5%90%ad%8e%6c%8e%6c%8c%dc&REF_NAME=%97%df%91%e6%8f%5c%8e%b5%8f%f0%91%e6%88%ea%8d%80&ANCHOR_F=1000000000000000000000000000000000000000000000001700000000001000000000000000000&ANCHOR_T=1000000000000000000000000000000000000000000000001700000000001000000000000000000#1000000000000000000000000000000000000000000000001700000000001000000000000000000の規定により届出書を提出する場合には、当事者が連署するものとする。(以下略)
2 (略)
第51条 令第17条第1項 http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxrefer.cgi?H_FILE=%8f%ba%93%f1%8e%b5%90%ad%8e%6c%8e%6c%8c%dc&REF_NAME=%97%df%91%e6%8f%5c%8e%b5%8f%f0%91%e6%88%ea%8d%80&ANCHOR_F=1000000000000000000000000000000000000000000000001700000000001000000000000000000&ANCHOR_T=1000000000000000000000000000000000000000000000001700000000001000000000000000000#1000000000000000000000000000000000000000000000001700000000001000000000000000000の農林水産省令で定める事項は、第十一条第一項第一号及び第四号、第三十条第二号から第四号まで並びに第四十九条第三号に掲げる事項とする。
第52条 令第17条第2項 http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxrefer.cgi?H_FILE=%8f%ba%93%f1%8e%b5%90%ad%8e%6c%8e%6c%8c%dc&REF_NAME=%97%df%91%e6%8f%5c%8e%b5%8f%f0%91%e6%88%ea%8d%80&ANCHOR_F=1000000000000000000000000000000000000000000000001700000000001000000000000000000&ANCHOR_T=1000000000000000000000000000000000000000000000001700000000001000000000000000000#1000000000000000000000000000000000000000000000001700000000001000000000000000000の規定により届出を受理した旨の通知をする書面には、次に掲げる事項を記載するものとする。
一 第31条各号に掲げる事項
二 届出に係る権利の種類及び設定又は移転の別
第31条 令第9条第2項http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxrefer.cgi?H_FILE=%8f%ba%93%f1%8e%b5%90%ad%8e%6c%8e%6c%8c%dc&REF_NAME=%97%df%91%e6%8b%e3%8f%f0%91%e6%93%f1%8d%80&ANCHOR_F=1000000000000000000000000000000000000000000000000900000000002000000000000000000&ANCHOR_T=1000000000000000000000000000000000000000000000000900000000002000000000000000000#1000000000000000000000000000000000000000000000000900000000002000000000000000000 の規定により届出を受理した旨の通知をする書面には、次に掲げる事項を記載するものとする。
一 届出者の氏名及び住所(法人にあつては、名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名)
二 土地の所在、地番、地目及び面積
三 届出書が到達した日及びその日に届出の効力が生じた旨
四 届出に係る転用の目的
(3) 以上の条文を整理すると次のような流れになる
@ 市街化農地の売買の場合は農業委員会の許可は不要で、農業委員会に届出で足りる(農地法5条1項6号、令17条1項)
A この届出は売主と買主が連署(規則50条1項)の上、規則51条記載に事項を記載(規則51条)して農業委員会に届ける。
B 農業委員会は一定の事項を調査する。
C 問題がなければ規則52条が引用する規則31条の事項(@売主と買主A土地の所在、地目、地番、地積B届出書が農業委員会に到達した日、及びその日に届出の効力が生じた旨C転用の目的)が記載された書面を届出者に通知される(令17条2項)
(4) 受理通知書の意味
上記届出書は売主、買主が連署の上農業委員会に届出し、受理通知書が出された場合はその届出書が農業委員会に到達した日に、法的には転用許可に代わる効力があったことになり、受理通知書を法務局に持参すれば、農地法上の売主から買主への所有権の移転登記が可能となる。(もちろん普通の宅地の移転登記に必要な委任状、印鑑証明、権利書などは必要なことは言うまでもない)
28番の土地を分筆した7筆は全て農地のままで所有権移転登記ができていることから、その土地の地目が農地から宅地の変更とは連動しないことも明白。実測面積と公簿面積との違いも無関係。
(5) 届出書の提出から受理通知書が届くまでの期間
これは、農業委員会の許可と違い、売主、買主が連署の上、農業委員会に提出してからほぼ1週間から10日前後であると言われている。
ヤフーから『市街化農地、農業委員会 届出 受理通知』で検索すれば、ほぼ上記の期間がヒットする。なお八千代市などの自治体は2日でOKという。
http://www.city.yachiyo.chiba.jp/siyakusyo/nougyou/gojoutodokede.html
福岡市の場合は以前に紹介した
http://www.city.fukuoka.lg.jp/nogyo-iinkai/nogyoi/life/nougyou_iinkai/017.html
(6) 小沢氏への農地2筆の売主の「T」株式会社は、同じ地番の土地を分筆して2004年10月5日以前にも、同じ世田谷農業委員会に4筆の所有権の移転登記をなしている実績を有する売主であるので、10月5日に予約契約をしたのなら、契約と同時に届出に必要な書類を準備でき、直ちに農業委員会へ提出できるはずである。
通常のケースでは、10月29日の時には、農業委員会からの受理通知書はとっくに届いているはずである。
しかも、買主である小澤氏が10月29日に土地代金3億4264万円を全額支払い、登記簿の根抵当権が抹消されていることからすれば本登記が2005年1月7日になることは一般的には農地法の制限ではあり得ない。すくなくても、売買土地が農地だから、本登記が遅れたという理由は不存在である。
2 では何故、本登記が遅れたのか
(1) 考えられる本登記の遅れの原因は
@ 農業委員会からの受理通知書は2004年10月29日までにあったが、双方の合意で本登記を2007年1月7日と契約したことが考えられる。2カ月あまり本登記が遅れるので、買主側は順位保全の仮登記をしたと考えるのが一般的。
土地代金全額を払った上で、本登記をいつにするかは当事者の契約自由が支配するところで、お互いの契約で決めれば良い。この場合に、契約土地代金全額を小澤氏側が払ったという報道が事実ならば、売主側が本登記を伸ばして欲しいということは普通はありえず、むしろ買主側の都合の場合が多い。
この理由が問われている。
A 農業委員会への売主、買主の連署の届出が、何らかの事情で2004年12月末ごろになり、受理通知書が2005年1月初めに到達したので、それから本登記申請したということも考えられる。この場合に2004年10月5日以降に法5条1項6号の届出ができるのに、何故遅れたかの理由の説明が必要である。一般的にはあり得ないだろう。
B T株式会社と小澤氏が2004年10月5日以降、届出の書類を世田谷農業委員会に提出したが、同委員会から、受理通知が2004年12月末か2005年1月初めまで遅れたという特別事情も一応考えられる。それなら、それと説明すれば良く、ソモソモ事件になりはしない。農業委員会の第3者の客観的な証拠があるからである。杜撰な特捜部であると言われているが、この弁明を認めないほどお粗末ではないだろう。
(2) 以上の事実は小澤氏側とT株式会社との間で一般的に考えられる事実で推測の域をでない。もっと別の理由があるかも知れない。
どちらにしても、小澤氏側が、世田谷農業委員会に法5条1項6号の届出書を連署して提出しているし、かつ農業委員会からの受理通知書のコピーがあるはずだからこれを開示すれば、何があったか一番早く判る。しかし、何故か、その説明がない。
3 売買対象土地が農地だけでは説明できない理由である。
http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/62178880.html
《小澤氏土地本登記の遅れは農地の為ではない》
http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/62161884.html
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