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衆院北海道5区補選で自民党前職の町村信孝氏が勝利し、菅内閣は厳しい政権運営を迫られることになった。菅直人首相は大敗した今夏の参院選に続き、改造内閣で初めての国政選挙も落とし、昨年夏の政権交代時の勢いを完全に失った。菅政権は10年度補正予算案の早期成立を目指すが、自民党など野党側が小沢一郎元代表の証人喚問要求を強めるのは必至。国会運営は不透明感を増し、政府・民主党に危機感が募っている。【中山裕司、高山祐、岸川弘明】
民主新人の中前茂之氏の敗北を受け、同党の渡辺周選対委員長は24日夜、党本部で記者団に「非常に残念な結果だ。『政治とカネ』の問題も敗北の要因の中に当然ある」と率直に認めた。補選の端緒になった北海道教職員組合(北教組)の違法献金事件のあおりで実動部隊となる労組が動けず、中前陣営ではチラシを配布できない地域も出るなど選挙運動が制約された。
「政治とカネ」への批判をかわすため、民主党は景気対策を前面に出す戦術をとった。告示前の9日には札幌市内のホテルで、党道連が道内の経済9団体から意見を聞く政策懇談会を開催。首相側近の荒井聡前国家戦略担当相は「今まで『コンクリートから人へ』と言ってきたが、地域振興には公共事業も効果がある」と語り、選挙への協力を暗に促した。だが、内閣支持率が下落に転じる中、業界・団体の大半は「民主党もこの先どうなるか分からない」と自主投票を決め込んだ。
一方、自民党の町村氏は「落選したら政治生命は終わり」という危機感から、中小企業や町内会の会合などをこまめに回り、これまでにない徹底した「どぶ板選挙」を展開した。党本部も小沢氏の強制起訴議決や沖縄県・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件などを追い風に、谷垣禎一総裁や石原伸晃幹事長らが相次いで選挙区入りして政権批判を展開した。
中央政界で民主党との間合いを詰める公明党は、補選の対応は党道本部に一任した。実質的に町村氏を支援した道本部幹部は「民主党はオウンゴールの連続。これでは勝てるわけがない」と指摘した。
菅首相は選挙期間中、劣勢を見越して一度も応援に入らず、22日に記者団から理由を問われると、「私自身のことは幹事長に判断を任せている」と言葉を濁した。しかし、党代表として小沢氏の国会招致問題からは逃げられない。谷垣氏は24日夜の記者会見で、小沢氏の証人喚問について「菅さんは積極的な姿勢を示していない。きちっと指導力を発揮されることが重要だ」と首相に迫った。
民主党は衆院で305議席(衆院議長を除く)を占め、補選の結果が各法案の衆院通過に直接影響するわけではない。とはいえ、小沢氏の国会招致に早期に結論を出さなければ、参院で野党が多数を占める「ねじれ国会」の運営は一層厳しくなる。小沢氏の側近議員は政治倫理審査会への出席すら否定的だが、党内には「先送りしていいことはない」(幹部)との懸念も強まっている。
民主党にとって悩ましいのは当面、攻勢に転じる材料が見当たらないことだ。政権浮揚のきっかけをつかむため、補正予算案で公明党との連携に期待するが、同党の山口那津男代表は24日夜、「民主党がどう責任ある対応をとるかが、国会審議に影響を及ぼす」と距離を置いた。
民主党の輿石東参院議員会長は24日夜、補選の敗北について「菅内閣発足以来の実績が問われているのは確かだ」との認識を表明。渡辺氏も「政権交代の成果をしっかり見せていかなければならない」と注文をつけた。同党幹部は「小沢氏の招致を巡り党内が割れ、野党に振り回されると、国民は『菅内閣で大丈夫なのか』と思う」と首相の政権運営の不安定化に懸念を示した。
自民党は後半国会で財政健全化責任法案を再提出し、補正審議の前提条件として菅政権の姿勢を問う構えをみせている。当選した町村氏は24日夜、札幌市内の選挙事務所で支持者に笑顔で、こう語った。「私の1議席は政治的意味合いが大きい。これが直近の民意だ」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101025k0000m010128000c.html
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