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【政治】
擦り寄る社民 “閣外協力”で生き残り
2010年10月24日 朝刊
民主党との連立政権から離脱した社民党が、ほとんど閣外協力のように振る舞っている。政策実現をアピールして生き残りを図るには、与党に擦り寄るほかないようだ。
「自民党抜きの政権をつくった成果が水泡に帰すかどうかだ」。社民党の重野安正幹事長は二十日、札幌市内で政権交代の意義を訴えた。傍らには民主党の岡田克也、国民新党の下地幹郎両幹事長。衆院北海道5区補選で民主党公認候補を応援するため、五月の連立離脱後、初めて三党幹部が街頭演説に並んだ。
社民党の与党への回帰ぶりは顕著だ。二〇一〇年度補正予算案は「党の主張の相当部分を受け止めた」(重野氏)と賛成方針。国会答弁が乱暴と批判された仙谷由人官房長官も「感性の問題」(同)と問題視せず。強制起訴される小沢一郎民主党元代表については「恐らく無罪」(福島瑞穂党首)と擁護する。
連立離脱後、辻元清美氏が離党するなど、党再建の道筋が定まらぬまま漂流。「元与党の余熱で命をつなぐしかない」(党関係者)のが実態だ。
野党が参院で過半数を握る「ねじれ国会」を打開するため、民主党が秋波を送るのは公明党。
一方、社民党の協力があれば、衆院で再議決が可能な三分の二に達するため、国民新党幹部は「社民と合わせて三分の二でやっていけばいい。公明党に擦り寄ってどうする」と訴える。
だが、菅政権は、社民党の連立離脱を招いた米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移設を見直す考えはなく、両者の溝は埋まりそうにない。その上、民主、自民両党は参院憲法審査会の規程づくりで合意し、社民党の党是である護憲にも手をかけた。
社民党内からは菅政権への接近について「利用できるところだけ使われて、切り捨てられるだけだ」と警戒する声が上がっている。
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