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平和憲法擁護・日中国交回復・シベリア共同開発・親アラブ政策 「在りし日の角栄の防衛論考」れんだいこのカンテラ時評832
http://www.asyura2.com/10/senkyo98/msg/126.html
投稿者 韃靼人 日時 2010 年 10 月 24 日 03:28:30: XfUHcQiPmEZmc
 

http://otd10.jbbs.livedoor.jp/1000013618/bbs_plain


れんだいこのカンテラ時評832 れんだいこ 2010/10/23 21:59

【在りし日の角栄の防衛論考】

 田中角栄の首相前の憲法観、憲法改正論、防衛論の開陳はなかなか見当たらない。角栄の専門は国土設計に始まる経済通による正味の政治を心がけ、或る意味で避けていたと思われる。対極的なのは中曽根で、軍事防衛、原子力行政、憲法改正論を威勢よく説きまくっていた。その癖底なしの経済音痴であった。未だに重鎮ぶっているが、中曽根を引き出すメディアの粗脳ぶりが知れよう。

 その角栄が、1962(昭和37).2.6日のロバート・ケネディ司法長官の来日懇談会で珍しく防衛論議している。これを確認する。出席したのは、ロバート・ケネディ司法長官、田中角栄政調会長、中曽根、江崎真澄、石田博英、宮沢喜一、山中貞則ら当時の自民党中堅であった。席上、ロバート・ケネディ司法長官が、日本の防衛力増強を持ち出した。背景に沖縄返還が日程に上りつつあったようである。この時、角栄は次のように述べている。

「アメリカが沖縄を返すに当たっては、アメリカが日本に憲法改正、再軍備を提起し、日本がそれを受け入れることが必要だ。日本の憲法が改正され、再軍備して共同の責任で防衛体制をとらねばできない」。

 角栄のこの発言は、自民党籍の角栄としては無難な成り行き発言であろう。この発言が国会で槍玉に挙げられることになる。しかし、上述の発言はリップサービスに過ぎず、角栄の真骨頂は次の発言にある。

 概要「なるほど、あなたの云うのは理屈だ。ただ防衛力増強と云われるが、アメリカが敗戦国である日本に押し付けた憲法は我が国に根付いてしまった。今や大木に成長している。大きな枝ぶり一本でも伐ろうとすれば、内閣の一つや二つは吹っ飛ぶ。根こそぎ倒そうとすれば、世の中がひっくり返る。しかし、我々にしても、あなたたちにいつまでも『おんぶに抱っこ』では申し訳ない。だから、どうしても防衛力を増やしてくれと云うのなら、アメリカから日本国民に対し、改めて日本国憲法の成立過程について一言あってしかるべきではないか」(佐藤昭子「田中角栄ー私が最後に伝えたいこと」)。

 角栄のこの発言は、(起論)米国の対日防衛力増強要請。(承論)防衛力増強の為には憲法改正を要する。(転論)ところが同じく米国によって押し付けられた戦後憲法が根づき大木に成長している。(結論)内閣が吹っ飛ぶ。世の中がひっくり返ると述べ、困難さを述べ間接的に否定していることになる。即ち、今日風に意義を確認すれば、米国の対日要請を御用聞き的に一方的に鵜呑みにするのではなく、政治的にかなり難しい要請であると切り返していることになる。その上で、「我々にしても、あなたたちにいつまでも『おんぶに抱っこ』では申し訳ない故に協力する」と述べ、但し、「アメリカから日本国民に対し、改めて日本国憲法の成立過程について一言あってしかるべきではないか」と注文を付けている。

 見事な切り返しではなかろうか。ところが、当時のマスコミメディア、社会党、共産党が最初のリップサービス発言を捉えて「日本の憲法改正・再軍備発言」であるとして問題化させた。2.9日、衆院予算委理事会で取り上げられ、角栄が「発言は遺憾であった」と釈明させられている。池田首相が次のように釈明している。 「沖縄、小笠原返還の前提条件に、仮にアメリカから憲法改正、再軍備強化などの要求を出されると大変なことになると発言したのが真意」。国語読解力的に見て、池田首相のこの理解の方が正しい。角栄は、「失言の池田と云われる俺が尻拭いするとは」と池田首相からお目玉を食らい「髭でもそるか」としょげ返る。これに対して、米国留学中の長女・真紀子が「ヤジ、ヒゲソルナ」と電報を打ってきたとの逸話がある。

 以上は、角栄の希少な憲法論、防衛論である。れんだいこは、角栄が部分で憲法改正を論じたこともあろうが、彼は真底の戦後憲法擁護政治家であったと判じる。その護憲ぶりは、口先社共の及ぶところではない。角栄こそ形骸化されつつある憲法の受肉化を政治と政策で後押ししていたのではあるまいか。

 付言すれば、米国即ち国際金融資本帝国主義の宗本家は、保守政党に在ってこういう異能的な政治能力を持つ角栄を早くより要注意政治家としてマークし続けていた。文芸春秋2001.8月号「角栄の犯罪25年目の真実」に発表された「国務省・電信機密文書655及び586」の「タナカ・ザ・マン」(インガソル駐日大使の詳細な「田中角栄レポート」)には次のように記されている。れんだいこが意訳要約する。詳しくは、次のサイトに記す。

 「アメリカ特務機関及び国務省の角栄レポート」
 (tttp://www.marino.ne.jp/~rendaico/kakuei/sisosiseico/cianokakueihyo.htm)  

 「田中角栄は、日本のためには優れた政治家であっても、それがアメリカの利益になるかどうかは未知数である。現在、福田と首相のイスを争っている。田中は、これまでの首相と違って学歴が低い。その為に軽蔑されている。彼の政治能力は高く、人を操縦するのも上手く、主要ポストを歴任して名声を上げている。最近、アメリカとの間で長年患っていた繊維問題も巧みに処理した。こたびの総裁選は、福田、田中、大平、三木で争われている。田中以外の3人が総裁になった場合、いずれとでも上手くやっていけるだろう。田中だけが我々との絆を持たず、それどころか接点すら持っていない。何をやりだすか分からない」。

 かく警戒されていた角栄が政権を取り、頭越しの日米交渉を出し抜くかの如く日中国交回復をやり遂げ、続いてソ連との交渉に向かい始めた。北方領土問題と云う難題があったが、シベリア共同開発に向けてお膳立てを整えつつあった。オイルショックに見舞われるや、日本外交上稀有の親アラブ政策を打ち出し石油資源確保に取り組んだ。続いて次世代燃料のウラン確保にも向かった。こういう逐一が、国際金融資本帝国主義の烈火の怒りを買い、キッシンジャーの断固たる指令が下された。用意万端一年後、ロッキード事件が勃発する。今で云う「鉄の検察ストーリー」が拵えられ、政財官学報司警の七者機関が総動員された。後の喧騒は承知の通りである。

 もとへ。こういう角栄の政治履歴を思えば、立花、日共式諸悪の元凶論を俎上に乗せ直すべきではなかろうか。中曽根以来麻生までの歴代自民党首相の粗脳、鳩山、菅の歴代民主党首相の粗脳を見せつけられるにつけ思う次第である。如何にマスコミメディアが中曽根、小泉を名宰相と囃したてようとも、「国務省レポート」の方が正しい。公開されていないが、「派手なパフォーマンスによる政治芸能力を持つので利用するのに具合が良い。どうにでもなる機会主義者であり、我々が金玉を抑えている」と記しているのではなかろうか。

 明日は小沢擁護集会が有るとのことである。れんだいこも行きたかったが諸般の事情で行けない。またの機会に出向かせて貰おうと思う。ネットで様子を確認するのを楽しみにしている。どなたかチューブを頼む。

 2010.10.23日 れんだいこ拝

 

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コメント
 
01. 2010年10月24日 09:05:33: WyKdAaYzLA
アメリカもそろそろドルをクラッシュさせて日本や中国からの借金をチャラにする段階に入ってきましたね。日本はロシアを含めたアジア、中近東、アフリカ、南アメリカとの友好を推し進める時期です。日本の国益のためだけではなく、世界の利益と平和のために。

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