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『「ジャーナリスト同盟」通信』より下記転載
2010年10月23日
本澤二郎の「日本の風景」(606)
<アレイダ・ゲバラ会見>
彼女のことを初めて知った。2回目の日本訪問という。前回、広島を訪問した。今回は長崎に行くのだという。本日、大阪で講演会を開く。父親はキューバ革命の指導者で知られるチェ・ゲバラ。筆者は名前しか知らないのだが、10月18日午後の日本記者クラブでの会見の際、隣席の友人が「父親そっくりだ」と教えてくれた。1960年生まれの彼女は、配布された資料を見ると、父親同様の医師で、さらに途上国の人権活動もしている。
<非暴力抵抗運動>
いかなる口実を用いようとも暴力は否定すべきものである。他人の命を暴力で奪う行為ほど残酷なことはない。その最悪な事例は、今も止むことなく続いている戦争である。
武力の行使で一番の恩恵を受けるのは一握りの武器生産に携わる富豪財閥である。被害者は無数の貧困の若者たちだ。アメリカ軍の多くは、貧しい家庭青年たちだ。戦争は貧困者同士の殺し合いそのものである。
無数の貧困者が連携すれば、政治を自分たちのものに取り戻せる。これこそが真の革命である。富豪も存在しない公正な社会が実現する。非暴力抵抗運動を21世紀の主流にすれば、経済恐慌や餓死を地球上から追放できる。戦争防止に全ての宗教・思想も無力である。
非暴力運動が燎原之火のように氾濫させることに成功すれば、世界に平和と安定・安心社会が実現する。
<父親を超えた娘?>
アレイダが4歳のときに、さらなる革命の地を求めてゲバラはキューバを去った。筆者は3歳で敗戦を迎えたのだが、当時の記憶は何もない。祖母から振舞いの一つを聞いただけである。彼女は、変装して自宅に現れた最後の父の姿を詳しく語ったことに驚いた。
娘は、武力による革命に関心はないとみた。真実を語ることで、人々の脳を健全にさせようとしている。背後に武器弾薬メーカーはいない。ブッシュ政権の取り巻き連は、ほとんどが死の商人とかかわり合いを持っていた。東京にもいる。
筆者は民主党と自民党に巣食う松下政経塾議員に重大な懸念を抱いている。武器弾薬利権に取り込まれた政治家は、要注意である。ネオコンとは、そうした意味でも用いられている。こうした連中に限って息子を自衛隊に送り出していない。海外派兵に熱心だった小泉にしても、息子の一人として自衛隊員にさせていない。例外は小沢だったが、彼の息子はすぐ辞めてしまった。
武力革命に関心を示さないアレイダは、時代も変わったものの、父親を超えたのではないだろうか。初めて会見で知ったのだが、ゲバラは広島を訪問したという。そして「母親に絵葉書を送り、そこに革命家はすべからく広島を訪問すべきだと書いてあった」という。
<ワシントンの圧政>
彼女の非暴力抵抗運動は、言論戦である。体を動かし、その地で民衆に対して真実を吐露することで可能になる。筆者もその幸運な一人として、経済封鎖の真実を教えられた。ワシントンの反民主的・非人道的な悪辣さについて、である。
「キューバは子供たちに与える牛乳がない。外国から輸入するしか方法はない。近くて大量の牛乳生産地は北米南部だが、アメリカ政府は貿易をさせない。許せないのは、他の国々に対して輸出するなと指示している。ヨーロッパの国々もアメリカの圧力によって輸出を止めている」
自由貿易の国は、小国のキューバに対して徹底的な経済封鎖をしているのである。過去にソ連は核兵器を持ち込もうとしたことがある。このときはケネディとフルシチョフの英断で、暴走軍部を押さえつけて危機を回避した。
それにしても、さしずめ象が蟻を踏み潰すのに似ているワシントンの狂気じみた悪政を知り、仰天してしまった。物理的に可能な限り、北風を吹かしている。これは意図的に緊張を永続させている策略といっていい。悪魔に取りつかれたワシントンそのものではないか。
「仮にヨーロッパの国がキューバに輸出したとすると、アメリカでの経済活動に対して制裁金を取る。製品も買わなくさせる」
超大国アメリカが、こんな微細なことにまで、徹底した反人道的政策を強行しているのである。「アメリカのいい民主」を信じてきた日本人ジャーナリストも、これまでの幻想を捨てなければならないのか。寛容さが皆無である。
「キューバは島国である。寄港した船を6か月間、アメリカの港に寄港させない法律まで作っている。こんなわけでキューバは地球の反対側のニュージーランドから牛乳を買っている。一般の3倍の高価格だ。これらが日常的に行われている。牛乳はその一例にすぎない。薬剤も」
アメリカ帝国主義という言葉が口を突いてくるではないか。キューバの人々の生きる糧を全て奪っている。ヒトラーのようにガス室ではないが、やっていることは同じなのか。
グァンタナモ基地でのイラク・アフガン人捕虜への拷問にも驚愕させられている人類は、キューバ経済封鎖における非人道的な仕打ちでも同じ思いをさせられるのである。
「キューバにはニッケルがある。日本企業が鉱山開発に乗り出そうとした。結局のところ、ワシントンの圧力で断念してしまった」
日本企業も被害を受けていることになる。自由と民主を宣伝してやまないワシントンの傲慢さは、中東政策だけではないのだ。1%の富豪が支配するアメリカの不条理は、もはや通用しなくなっている。
<キューバは進んでいる>
彼女にもそれが見えてきているという。
「キューバはそれでも発展してきている。それはキューバ国民が自分たちの社会主義に確固たる意思を抱いているからだ。むろん、社会主義は完全ではない。改善しなければならない。そうして過去50年維持してきた。いまや世界の多くの国々とも連帯し、発展を強めてきている。ラテンアメリカに夜明けを告げる動きが表面化してきている。それらがキューバを力付けている」
「人々は自由に生きたいと考えているが、しかし識字率が低くてはそれもかなわない。教養がなくては無理だ。そこで我々は識字運動を展開している。知識を持てば、人間は搾取を封じて自立することが出来る」
「白内障の人はそれも無理だ。我々は無償で白内障の手術を施している。既に200万人が克服している」
マイケル・ムーア監督は、アメリカの貧しい人々をキューバの病院に送り出す映画を公表して、世界をあっと言わせた。
文字を教え、教養を身に着けさせることで、世の中の不正・腐敗を理解させる。すなわち、人民を覚醒させる方法が教養と健康というのである。これこそが本物の革命である。非暴力抵抗運動の核心なのであろう。
<オバマへの一言>
「オバマ政権にかなり期待した。しかし、我々の期待に沿えていない」と決めつける革命家の娘は「たった一つの望みは、キューバ国民の願いは、こわい隣人でなく、当たり前の隣人になってほしい。キューバの尊厳を認める大統領であってもらいたい。キューバを当たり前に迎え入れてほしい。ただ、それだけだ」
恐怖の隣人のワシントンから、ごく普通の隣人であってもらいたい、という。オバマに聞かせてやりたい言葉である。
<日本医療に苦言>
彼女は医師として日本の医療現場を見学している。そこから一つの疑問を抱いている。それを指摘した。「病院崩壊」を膚で感じる筆者は聞き耳を立てた。
「日本の医療施設のレベルは高い。でも、なぜ中国など伝統的な治療を疎かにしているのか。もっと興味を示さないのか。伝統的な治療を忘れてしまっているとの印象を持っている」
「病院の施設の医療器具に欧米のものが目立つ。キューバには日本の器具が多い。どうしてなのか。伝統的医療との協力が重要だろう。自然にあるものに将来がある」との指摘は間違っていない。
西洋医学の限界は明白である。
「中国と北朝鮮の人権問題について明るい社会主義から、どう認識しているのか」という質問に彼女は実に科学的公正に回答した。
「私は中国人でも北朝鮮人でもない。かの国々の文化も知らないので意見は避けたい。大事なことは双方の意見を聞くことが大事だ。一方的な見解だけでは判断を誤る」
<カストロは健在>
カストロについて「革命50周年の時、1時間演説をした。聞いていた若者がもっと聞きたいというと、さらに30分も話した。彼の体調はよくなっている。私の心配は健康を害したカストロを若者がどう受け止めるか、私自身自信が持てなかった。結果は革命を知らない若者が、彼を愛していることを確認出来たことだ。すばらしいことだ」と語った。
<5年後に自給自足経済へ>
「キューバ経済はサトウキビ栽培に頼り過ぎた。これは正しくなかった。いま有機農業など農地利用を転換した。5年後には自給自足の体制に切り替えることが出来る」との明るい農地政策も披歴した。
5年後のアメリカはどうなっているだろうか。日本も?
2010年10月23日12時55分記
(投稿者記)チェ・ゲバラが微笑みを浮かべている顔のアップのポスターを持っています。キューバで求めて来てくれた人が、幼い娘を見ているところらしいと言っていました。
「≪「MRA(道徳再武装)」、「松下政経塾」、「統一教会」、「CSIS」、などで検索した結果・・・・前編≫」
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≪「MRA(道徳再武装)」、「松下政経塾」、「統一教会」、「CSIS」、などで検索した結果・・・・後編≫
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