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最高検は、21日大阪地検の前特捜部長と元副部長を、犯人隠避罪容疑で大阪地裁に起訴した。これを受け法務省は起訴された二人を懲戒免職処分とした。また、証拠改ざん疑惑を調査しなかった責任を問い、大阪地検検事正など3人を懲戒処分とした。懲戒処分を受けた3人は辞職するそうである。この事実を報道する22日の朝刊を読んで、今一つ「すっきり」した感じがしないのは、筆者だけだろうか。
何が「すっきり」しないのだろう。先に起訴された前田元検事は、証拠改ざん。その罪状は刑法第104条「証拠隠滅罪」。今回起訴された二人の容疑は刑法第103条「犯人隠避罪」。両方とも「2年以下の懲役又は20万円以下の罰金」である。これに対して、村木さんが問われたのは、刑法第156条「虚偽有印公文書作成・同行使罪で、3年以下の懲役又は20万円以下の罰金」。何かおかしいが、これではない。
よく考えてみれば、「証拠隠滅罪」とか「犯人隠避罪」は、誰かが重過失致死罪などを犯した時に、証拠の刃物を隠したり、犯人を隠したりしたことの罪である。犯意よりは、肉親の情などから起こす行動が犯罪である。処が、今度の事件の本質は、特捜部による「犯罪の捏造」である。「証拠隠滅罪」はその一部に過ぎない。だからネットでは事件の本質である虚偽告訴罪(誣告罪)を適用すべきだとの意見が出ている。
つまり刑法第172条(虚偽告訴罪)の定める「人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をした者は、3月以上10年以下の懲役に処する」に該当するのではないかと云うことだ。「証拠隠滅罪」とか「犯人隠避罪」は、この「虚偽告訴罪」に付随して犯したに犯罪に過ぎない。処が、検察はもちろん新聞をはじめマスコミで、この罪状に触れた記事が全くない。
そして172条について、「逮捕されてしまうかもしれないけど、それでもいいやとの認識で、誰かを貶めてやろうとして、軽い気持ちで嘘をついた場合でも、この法律に抵触する」とある弁護士のブログに書いてあるのを見つけた。仮に、いたずら心でも、そのために誰かを罪に陥れるかもしれない。それだけでもこの刑罰に触れることになる。そう解釈される。検察官なら、この刑法172条を知らないはずはない。
従って、前田容疑者が「遊び」であろうが、「誤って」であろうが、フロッピーディスク(FD)の日付を6月8日に改ざんしたままなら、刑法172条違反。そう云う認識を、検事総長以下、検察官なら誰もが持っているはずだ。こう云う疑惑が新たに浮かんで来た。大林検事総長が記者会見で、「前代未聞の事態に至り、国民の皆様に深くお詫びする」と謝罪したそうだが、まだまだ隠し事をしている。そう思うのだ。
今のところ問題になっているのは、前田容疑者の証拠隠滅罪だけである。だが、前田容疑者が起こしたFDの改ざんが、問題の本質ではない。偶々、村木さんの無罪を契機に明らかになったに過ぎない。証拠改ざんより、もっと問題にしなければならないことがある。思いつくまま挙げると、特捜検察のシナリオ捜査であり、密室での調書作成であり、検察に有利な証拠や調書だけが公判に出されることなどである。
これらの問題を解決するには取調べの全面「可視化」しかないと、世の識者は言う。冤罪を無くすにはそれしかないと、予てから言われていたことである。確かに取調べの「可視化」は一歩前進ではある。そう云うことは、この事件を契機にどの新聞も書いている。それでも、今一つ「すっきり」した感じがしない。それは、大林検事総長が「前代未聞の事態」と言うが、「そうではない」と感じる何かがあるからだ。
そう感じるのは、今の所、誰も刑法172条違反について全く触れていないことだ。これを突き詰めて行くと、大阪地検特捜部だけでなく、FD改ざんの事実を知っていながら公判に臨んだ公判部を含む、大阪地検、さらには検察一体の原則から言えば、大阪高検そして最高検まで責任が及ぶはずだ。この事件を最高検だけ委ねていると、3人を起訴という「トカゲの尻尾切り」で終わってしまうのではないか。
これまで諸悪を暴くのは検察だと国民は思い込まされて来た。だが、多くの冤罪や冤罪の疑いのある事件が沢山ある。最近だけでも、足利事件、看護師の爪きり事件、再審の始まった布川事件。西松献金事件と陸山会土地取引事件、福島県知事汚職事件、鈴木宗男議員のムネオハウス事件、リクルート事件と枚挙に暇がない。そう云うことを含め、何か「すっきり」しないのだろう。
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