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菅内閣で対中関係は一気に悪化した。領土問題があるとかないとかこの国内で議論をしてああだ、こうだと言ってみても第三国はそうは見ない。日中間で領土問題があるとしか見ない。ついでに言えば日本にシンパシーは感じても領土問題で強硬に日本の立場を支持する国など存在しない。
日本はロシアとの間に北方領土、韓国との間に竹島。中国、台湾との間に尖閣諸島の問題があり近接する国のほとんど全部と領土問題を抱える。これが深刻な問題らしくて日本の保守派にとっては最大の問題らしい。産経も田母神氏も安部前首相もこの系統の雑誌で正論とかWILLでもほぼ毎月この問題で日本の立場の正当性を主張している。そんなにこの問題を論じたいなら外国で外国語で宣伝してほしいと思うのだが国内で自分たちだけで通用する論理を主張をするのみのようだ。
日本国内にいるとこれは深刻な問題のようだがはっきり言って全く大した問題ではない。竹島も尖閣諸島も無人島だ。問題は漁業権と経済水域ということになる。北方領土は60年以上もロシアが実効支配を続け旧島民も高齢化しあとわずかの期間でいなくなってしまう。時の経過は実効支配している側が有利で4島一括返還だけが解決策と主張し続けている限り戦争以外の手段で返ってくることはないだろう。
日本は島国で周囲を海に囲まれており、歴史的には国境線など意識しなくても変わることが全くなかった。10世紀以後ではわずかにアイヌを追い詰め北海道に勢力を拡大したぐらいである。例外的な出来事は元寇のみでこれとて九州の一部に短期間侵入されたにとどまる。豊臣秀吉も朝鮮半島に攻め込んだが数年で引き揚げている。敗戦により朝鮮半島、台湾を失ったがそこはもともと日本人が住んでいたわけではない。
ちなみに世界地図を各世紀ごとに見てみよう。最近の千年どの世紀をとってみても日本以外の国の国境線は毎世紀大きく変動している。その時の軍事、政治の状況により国境線が変動することはそれこそ日常茶飯事だった。新しく生まれた国が勢力を拡大しまた縮小、滅亡にいたる経過を何度も何十回も繰り返し現在に至っているのが日本以外の国の歴史である。長い歴史を持つユーラシア大陸の諸国では都市は城壁で囲まれ軍事で敗れれば住民もろとも国を失ってきた。東欧の国を訪れるとその地域が何度も呼ばれる国の名前が変わったことかがわかる、トランシルバニアもボヘミアもすでに国としては存在しない。バルト3国も中央アジア諸国もつい20年前までなかった国である。(もっと昔はあった)麻生さんではないが今はチェコとスロバキアは別の国だ。その昔ビザンチン帝国の首都であったコンスタンチノーブルは現在はイスラム教でトルコのイスタンブールとなっている。日本と同様の敗戦国のドイツの国境線は東側が大きく領土を削られ旧プロイセンなど今やポーランドの中でも東に位置する。そのポーランドも旧ソ連に大きく領土を削られそこは現在はベラルーシ、ウクライナとなりこの両国は東方正教とカトリックの勢力が国内を2分することとなった。そのためあるときはロシア、またあるときは西欧を向く国となっている。
アメリカ大陸は西欧諸国が旧文明を滅ぼしアフリカから奴隷を伴って移民したことで生まれた国でそれまではネイティブにとって土地は利用するものであって境界線を引いて権利を主張するものではなかったしアフリカ大陸でも社会はほとんどが部族社会で国の概念はなかった。西欧が帝国主義で分割支配することで国と国境が生まれたものだ。
細かい経過は歴史の専門家に任せるとしても、周囲を海に囲まれ過去の日本人も難民となることがなく、安定した形で国が運営されてきたことは世界的にも珍しい恵まれた条件だったかも知れない。現在、世界の情勢は自由貿易とやらで必要な資源は金を出せば入手可能であり電子マネーは瞬時に国境を越えるし、人もすぐに国境を越えて移動できることを考慮すれば国境の意味も以前とは大きく異なってきている。資源が大切なのは現在も変わらないがそのためには周囲の国、資源輸入国を含む貿易相手国との友好関係を保つことが何より大切なことだ。自分の国の主張はするとしてもナショナリズムで敵愾心を煽り特定の外国を攻撃するキャンペーンを張るようなことは最低・最悪の政策だ。前原君、君は何もわかっていないようだ。最低だ。
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