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昨夜中国から帰りました。日本のTVを見て仰天しています。《続》
日本のTVで、中国内陸部でのデモ発生原因を、➊就職困難学生の不満のはけ口とか、➋中国政府首脳(習氏)世襲化に象徴される格差拡大への反発のはけ口とか、➌チリ鉱山落盤事故救済と対比した中国国内災害救助の手抜きへの反発とかであり。
中国政府は国際的非難に直面して、過大な海外投資に依存した経済成長に赤信号が点灯し、中国政府が揺らいで、胡錦濤・温家宝政権が共産党内部覇権争いで窮地に立ったと、煽る報道に驚いています。
日本のTVや新聞が、中国政府内部を今見たかのごとく評論していいますが、この日本報道は“中国政府も知らない内部事情”を得々と報道している気がします。
「中国の高度成長は日本を始めとする海外からの投資に全面依存している」。だから、「今回の学生デモが海外に報じられて信用を失墜し、中国政府は海外からの投資引揚による経済失速の瀬戸際に直面した」との論説が日本で流布しています。
しかし、少なくとも日本の中国投資はとても小さく、大きな投資はドイツやフランスからなのです。学生デモが発生する2週間前から温家宝首相はEU各国を訪問して、EU各国の金融危機対策の重い負担を中国が分担する協議を繰り返していました。
中国滞在中はずっとCCTV(新聞)チャンネルのニュースを見ていました。10月1日から14日までは、温家宝首相のEU外交が坦々と報道され、特にギリシャ政府と経済支援の内容を協議し、ドイツ政府とは同国のギリシャ支援負担の軽減を約束して、EU各国から賞賛を得ていたのです。
菅直人氏の「日本をギリシャにしたいのか」発言とは全く次元の違う外交を温家宝首相が行って、これで、日本の抜けた後をドイツやフランスが完璧に埋める関係がいっそう深まったと感じました。
日本に関する報道は殆ど無く、17日間でおおよそ200本のニュースが坦々とコメント抜きで流されるなかで、日本のニュースは為替が80円/$になったあとの野田財務大臣のコメントでけが記憶に残っています。
ニュースの他に日本に関する15分程度の特集がありました。➊自衛隊が購入する米国製無人偵察機について、➋釣魚(尖閣)島嶼に関する台湾と福建省コーストガードの対応、➌南シナ海の島々の領有問題に関する米日の軍事的牽制(日本が米国と集団的自衛権を行使するらしい)の三点でした。
声高に日本を非難するのでなく、坦々とした報道特集で、日本のTVや新聞のように、国民を扇動する感じは全くありませんでした。「日本がこのような動きをしている‥‥困ったことです。」くらいな感じなのです。
日本のマスコミ報道は抗日デモが就職口の少ない内陸部で発生したことから、中国政府への批判のはけ口としたいようです。これは、日本側の希望的観測に過ぎないように思います。
就職の容易な沿海部(上海や広州)でデモが発生していないことを日本マスコミは根拠にしています。しかしよく調べられた報道ではなく単なる憶測、希望的観測であると思います。
憶測ないしは希望的観測であるという根拠ですが:
➊最初のデモは内陸部の西安です。この地は日本人観光客に人気があり、日本人向けでもあるYokadoの百貨店もある土地です。中国政府は西安でデモが起こるとは予想できなかったと考えます。熱気を帯びていた中国から日本への観光自粛が広まる中で、日本からの観光客に見せるデモの気がします。
➋武漢でも数千人規模のデモが起こりました。武漢は人口800万人の政令都市で、孫文も影響した辛亥革命の発生した都市です。武漢には自動車など日本企業の工場があります。ことしの春、その日本自動車工場で賃上げストライキがありました。初任給1000元(1万2千円)への怒りです。
➌上海も10月15日以降、急速に抗日気分に染め上がりつつある気がします。私は上海⇒蘇州⇒南京⇒武漢⇒北京⇒蘇州⇒上海と仕事の旅をしましたが、帰国する上海で少しいやな気分になりました。
一つは、上海の浦東という日本の中小企業も進出している地区のビジネスホテルで、18時5分にチェックインしようとしたら、18時を過ぎたから予約はキャンセルされたとフロントが宣告したのです。事前に少し遅れると電話したが遅れたらキャンセルだと言っていました。こんなことは初めてです。
二つ目は、上海浦東空港でスーツケース内容不審と言われて、発券が待たされました。セキュリティに出頭すると、客室持ちこみでないスーツケースの中にライターが1ケあると言うのです。結局捨てて許可されましたが、そのライターは非常用で8年間スーツケースの中で30回も日中を往復したものでした。
最後は、出国検査場。可愛いお嬢さん検査員が、ビザの許す滞在期間の残りを質問して来ました。これは罪のない遊びですが、ひとこと言おうという気持がこんな可愛い官吏にも顕在化しているのです。
日本人と最も経済的な繋がりがある上海ですら、中国政府の指示ではなく、ホテル従業員や空港のセキュリティ従業員に、日本人への反感が顕在化しているのです。
中国の友人と意見交換しました。彼は言いました。「日本政府とマスコミおよびネット愛国者に問題がある。彼らが、中国人のプライドを傷つけ抗日デモを発生させた。中国政府は困っている」「中国も褒めることのできないことが多々ある。しかし、中国人は大義の遵守と策の実行を重んじる」
中国人友人はまた「日本政府とマスコミは大儀を理解する気持は無く、策も無い」と批判した。
大義とは➊毛沢東が日本軍人を許し、➋周恩来と田中角栄が約束し、➌ケ小平が問題を棚上げにし、➍江沢民が日本の大義違反に怒ったポツダム宣言(カイロ宣言)受諾の前提条件なのです。
策とは、菅直人の言う「戦略的互恵関係」とは異なる、東アジア共同体への筋道なのです。
小泉政権から今の菅直人(仙谷?)政権に至る21世紀の日本政府は、鳩山・小沢政権を除いて、ことごとく中国脅威論に浸って中国を牽制する包囲網の構築にいそしんできました。戦前における欧米列国と中国による日本へのABC包囲網と全く同じことを、今の民主党政権が進めているのです。
隣国との友好は口先で、敵対心を煽って、牽制し、経済封鎖にすら行く可能性を秘めた日米政府行動です。
中国にも問題はあるのですが、日本政府やマスコミによる大義無視と東アジア共同体への敵対的環太平洋自由貿易圏という日米の“策”は、隣国間の敵対心と憎悪しか招かない餓鬼の喧嘩でしかないのです。
さっき、NPJサイトの新聞記事を読みました。【前原外相発言に反発=首脳会談へ環境づくりを−中国】http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010101900776
➊前原誠司外相が尖閣諸島沖の漁船衝突事件をめぐる中国側の対応を「ヒステリック」と批判した発言について、「一国の外相がそのような言論をするとは驚きだ。中日関係の改善と発展は両国民の基本的利益に合致しているのに、一連の発言はそれと相反する」と反発。
➋中国各地で起きた大規模な反日デモについて「日本側の誤った言動に怒りを表すのは理解できる」とする一方、冷静な対応を呼び掛ける立場を改めて表明し、「中国政府がデモを組織したのか」との質問に「事実ではない」と否定。「反日活動は社会不満のはけ口ではないか」との問いも、「根拠がない」と。
➊は前原餓鬼が隣村境の河原で喧嘩遊びの次元が嵩じた神経戦のつもりであり、中国政府は不愉快で付き合っては居られない次元
➋はこのような質問を中国外交部報道官に質問する日本記者の悪意のある挑発に中国政府が耐えている構図
月末にハノイで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議での日中首脳会談の見通しに関し、「日本側が実際の行動で誠意を示し、会談が実現するために必要な条件と環境をつくることを希望する」と述べ、会談は日本側の対応次第だとの考えを示した。‥‥と時事は報道するが、
日中友好の前提である大義がなんであるかを理解しない前原大臣が大義に立脚した対応などできるわけがない。前原と安倍の餓鬼の喧嘩が、日中友好の太くは無い絆を最終的に切断する結果を招きかねない。(おわり)
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