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「政治的検察」を完全抹殺するために、 小沢氏はあえてガチンコの法廷闘争を /上久保誠人 [立命館大学政策科学部准教授]
http://www.asyura2.com/10/senkyo97/msg/772.html
投稿者 赤かぶ 日時 2010 年 10 月 19 日 01:01:01: igsppGRN/E9PQ
 

 検察審査会が、小沢一郎元民主党代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る政治資金規正法違反を不起訴処分とした検察の判断を「追及不足」として、「起訴相当」と議決した。今回は、これを約100年間に渡る「政党政治vs検察」の戦いの流れの中に位置づけてみたい。

■「政治的検察」が動いた典型的事例としての小沢問題

 約100年前、平沼赳夫衆院議員の祖父で検察官僚の平沼騏一郎が、汚職事件に関連する政治家を罪に問うかを交渉材料として、政治に対して影響力を行使しようとしたことから「政治的検察」が誕生した。その後、検察は歴史的に権力の座にある(座を狙う)政治家をターゲットにした駆け引きを繰り返して政治的影響力を高めてきた。中には、まったくのでっち上げや形式犯でしかないものを起訴することで、多くの政治家の政治生命を奪ったこともあった(第21回http://diamond.jp/articles/-/3717を参照のこと)。

「政治的検察」は、日本の刑事司法が裁判所での審理中心でなく、検察の捜査中心で判断が完結するシステムである上に、「起訴=ほぼ有罪」が日本社会の共通認識であることで成り立ってきた。

 政治家が一旦起訴されると、仮に裁判で無罪になっても計り知れないダメージを受けた。それ以前に、検察はたとえ起訴できない事件でも、その理由を詳細に公開する必要がない。だから検察は「有罪」の確証がなくても簡単に捜査に着手することができ、政治家に社会的制裁を加えることができた。

 小沢氏の問題は、この「政治的検察」が動いた典型的な事例といえる。小沢氏の3人の元秘書の「政治資金規正法違反」は、「小沢氏からの借入金4億円を収支報告書に記載しなかった事実」のみであり、水谷建設から渡ったとされる5000万円の裏献金の事実は起訴事実に含まれなかった。

 これには法曹関係者などから、政治資金収支報告書の訂正ですまされるもので起訴に値しないとの指摘があった。また、秘書からは小沢氏の積極的な指示・関与を裏付ける証拠を得られず、小沢氏は不起訴となった。

 この事件で検察は、小沢氏の政治生命にダメージを与えられると考えて、元秘書3人を無理やり逮捕したと考えられる。実際、小沢氏は元秘書が逮捕される度に、一度は検察に徹底抗戦の姿勢を見せても、最終的には支持率低下に抗せず要職を辞任した。2010年9月の党代表選で、小沢氏は菅直人首相に挑戦したが、一般国民の感覚に近いとされる「党員・サポーター票」で大差をつけられて惨敗した。
(第58回http://diamond.jp/articles/-/9441を参照のこと)

 たとえ小沢氏が不起訴になろうと、国民が小沢氏に持つ心証は真っ黒となっており、「政治的検察」は十分に目的を達成したように見えた。しかし、ここで検察に思わぬ誤算が生じた。検察審査会が、検察の判断を覆して小沢氏を強制起訴したことだ。

■「政党政治vs検察」の戦いを終焉させる小沢裁判の意義

 検察審査会による議決は、「政治的検察」にとって皮肉なものであった。検察が小沢氏の心証を真っ黒にしたことが、民間人から選ばれた検察審査会の「起訴相当」の判断をもたらしたといえるからだ。

 検察審査会の議決は「(検察審の制度は)公正な刑事裁判の法廷で白黒つけようとする制度である」と訴えた。裁判が真相究明の場と明確に位置付けられることは、起訴=ほぼ有罪の「推定有罪」を前提に政治的影響力を高めてきた「政治的検察」の存在の根幹にかかわる問題となる。

 本来、検察審査会の権限強化は「政治的検察」が扱う特捜事件を対象として導入されたものではない。そもそも犯罪被害者団体が圧力団体化して、市民による検察審査会で被害者たちが起訴を望む事件を救済することを求めたものだ。また、法廷で白黒つける「公判中心主義」も裁判員裁判の導入によるもので、特捜事件とは本来関係がない。

 しかし、一連の司法改革によって司法に持ち込まれた「市民感覚」は、小沢氏の不起訴を許さなくなった。皮肉にも、「政治的検察」が最大の敵・小沢のネガティブイメージを作りすぎたために、特捜事件への「公判中心主義」導入という、「政治的検索」の基盤を揺るがす事態をもたらしてしまったのだ。

 小沢氏の裁判は、有罪立証へのハードルが高いとされる。小沢氏本人の直接的な関与を示す客観的な証拠がない。立証の柱は秘書らの供述だが、彼らは無罪を主張している。大阪地検特捜部の捜査資料改ざん・隠ぺい事件で調書の信頼性自体が揺らいでいる。

 そもそも、検察審査会の審査過程の不透明さへの批判もある。しかし、それでも尚、小沢氏の裁判の意義は小さくない。「起訴」の目的を真相究明として公判が行われれば、「起訴=ほぼ有罪」を前提とした「政治的検察」の政治への影響力は消える。約100年続いた「政党政治VS検察」の攻防は、検察の敗北に終わるのだ。

■「政治的検察」を潰すために、小沢氏の政治的・道義的責任を問うべきではない

 小沢氏の側からすれば、この裁判は自らの身を犠牲にして「政治的検察」を潰すことができる絶好の機会だ。小沢氏は検察審査会の議決の無効性を訴える「行政訴訟」を起こすべきではない。「行政訴訟」は「政治的検察」に手を差し伸べることになるからだ。小沢氏が自らの無罪を確信するならば、あえてガチンコの法廷闘争を挑むべきだ。公判中心主義への移行を確実に実現することこそ、「政治的検察」の完全抹殺につながる。

 国会での小沢氏の証人喚問・政治倫理審査会出席も不要だと考える。「公判至上主義」の定着には、「推定無罪」という考え方を徹底させる必要があるからだ。

 裁判が結審するまでは、政治家に嫌疑がかけられても、その「政治的・道義的責任」を問うべきではない。そこに「政治的検察」が政治と駆け引きする余地があったのだ。「政党政治vs検察」100年戦争を終わらせるためには、政治は短期的な支持率の低下を恐れず、小沢氏を「推定無罪」として「公判中心主義」定着に徹すべきである。

 更に言えば、「推定無罪」を徹底しないと、「政治的検察」が影響力を失っても、今度は「市民」が政治家のあることないことをでっち上げて、「起訴」してしまうリスクがある。これも我々が忘れてはいけないことである。

http://diamond.jp/articles/-/9768

 

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コメント
 
01. 2010年10月19日 01:20:46: U66ahMkAFs

 へぼ大学のへぼ教授がな〜にを寝とぼけた世迷言をいってるんだ。w

                   by イカフライ


02. 2010年10月19日 01:40:06: HtBMEhRPbA
この大学教授の前提が間違い
>特捜事件への「公判中心主義」導入という、「政治的検索」の基盤を揺るがす事態をもたらしてしまったのだ。

正しくは
特捜事件(通常の刑事事件を含む)への「検事調書」優先順位が第一位導入という
裁判所の証拠判定機能放棄の基盤を揺るがす事態をもたらしてしまったのだ。


03. 2010年10月19日 01:58:22: qLD3iMuk5o
>>01
そうですね

検察審査会は検察よりむしろ「裁判所」との結びつきの方が強い(低気温のエクスタシー)
http://www.asyura2.com/10/senkyo97/msg/768.html

猫野きじにゃあ
http://twitter.com/kijinyaa/status/27660464899
近頃、検察審査会と検察が一体という人が多いですが、その歴史や組織図をみたら検察審査会と裁判所の結びつきの方が強いわけです。そういう意味では、検察審査会の議決取り消しを求めるより刑事裁判で争えという主張に、うっかり乗るのは危険です。裁判を始めさせないことが肝心。


これらを読めば、こんな甘いことは言ってられないはず


04. 2010年10月19日 01:59:19: T6jfss8DhQ

この評論家=大学教授は、自分は屁理屈をこくだけで、


自分は全く戦わず(=全く手を汚さず)、他人(=小沢一郎)を


戦わせたいらしい! 


>小沢氏は検察審査会の議決の無効性を訴える「行政訴訟」を起こすべきではな
>い。

あんたが小沢さんの身になってみろ!
打てる手はすべて打つ!これが戦いの鉄則だ!
これは、小沢一郎&国民 VS 腐れ内閣&腐れ司法に対する戦争だ!


05. 2010年10月19日 03:48:29: MzJ9MXsBEc
このケース、通常の刑事事件として考えられないのではないかと思う。
まともでないところが問題なのだ。

司法権が行政権から独立しているというのは建前、実際は幻想。
裁判官は政府の顔を見ながら判決を書いているのが実情。
菅政権があるいは民主党が、一体になり小沢擁護というのならお説の通りの展開かも知れないが、政権内に小沢抹殺の意向があるとも言われる。
また判検交流で検察・裁判所の間はズルズル。
それらの状況から見ると、小沢無罪は予断を許さない。
結論ありきの恐ろしい事態が進行しつつあると見るべきでは。


06. 2010年10月19日 07:40:38: LRkIGYPJRw
なんか、>>1>>3ってどの投稿にも屁みたいなコメント
つけてるけど。そんな連中か。 

    by タコフライ


07. 2010年10月19日 08:20:43: B1ZhhZMSbM
王様は裸だとおそるおそる言ってみてるような文ですね
もっとはっきりいわんかい。

検察審査会で起訴できなかった検察を弾劾したわけだから、検事を国会に
証人喚問して、どうして起訴できなかったかを説明させろ。検察審査会と
同じことをして同じ結論に達するかためしてみんしゃい


08. 2010年10月19日 08:44:55: 3I1YYA16jw
捜査検事たちを、国会喚問する案は、いいねえ!

偽証罪に問えるから。やってみたらええ。

議員たちが、そこまでしないと、検察の横暴は暴けない。

市民に対する絶大なるアピールになる。

およそ、世間のアホは、検察が正義の味方と、勘違いしているからね。(笑い)

効果は、大きい。

 まあ、今の民主党では、無理でしょうねえ。


09. 2010年10月19日 09:23:09: Bfy14IO3uQ
久保誠人氏 [立命館大学政策科学部准教授]。彼を批判する前に、今後の活動をウオッチしましょう。

10. 2010年10月19日 21:16:47: FN1zC6nnJI
今やっているのがガチンコ法廷闘争でしょ。
はなから、地裁判決はヘロヘロではないですか。

11. Militant Liberal 2010年10月19日 23:37:24: jieMt3FL1bLFI : gPByWbIkmY
上久保先生の議論もなかなか面白いが、最大の弱点は裁判所に対する見方が大甘なことだ。特捜検察が政治的、国策的な捜査・逮捕・起訴をしてきたのは周知の通りで、先生も指摘の通り平沼騏一郎がその開祖にあたることもよく知られている。問題は裁判所自体が開闢以来、検察と二人三脚というより、国策検察の下部役を務めてきたということだ。起訴有罪率99%以上というが、まともな捜査で有罪の証拠が固まったもの以外は起訴しないという方針が貫かれているとしたら、それ(高い有罪率)自体が問題とはならない。しかし実態は捜査や尋問はまともではなく、人質司法の下で捏造調書が乱造されてきた。本来そうした調書の証拠能力を検証すべき裁判所が、その役割を全く果たしてこなかった。裁判官はよほどの虚け者でない限り、検事の取り調べに問題があり、調書に信用性がないことは承知しているはずだ。だが連中は自らの地位を危うくしてまで、検事調書の証拠能力にいちゃもんをつけたりはしない。なにより御身大事の自己保身なのである。こうした状況では公判中心主義もヘチマもあったものではない。われわれは特捜検察と同時に裁判所の犯罪も糾弾し、司法の腐り果てた病巣を剔抉せねばならない。

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