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(回答先: 小沢弁護団は「 刑法230条:名誉棄損罪」 を矢継ぎ早に連射すべし! (世相を斬る あいば達也) 投稿者 純一 日時 2010 年 10 月 18 日 12:12:46)
小沢一郎へのアドバイス その5
2010-10-17 (日)政治・経済
宮崎学である。
http://miyazakimanabu.com/2010/10/17/850/
小沢は私のアドバイス通り、行政訴訟を起こしたのはいいが、まだ大手メディアへの名誉毀損の方は提訴していないようだ(アドバイス その1参照)。そもそも東京第5検察審査会の審査員が有罪の可能性があるとして小沢の強制起訴を決めたのは、大手メディアの報道内容が先入観として頭の中にあり、目の前の証拠を評価する際に、この先入観のせいで公正な判断ができなかったためとみられる。小沢は検審の議決で既に大きな損害を被り、早期の救済が必要なことを示す意味でも、名誉毀損訴訟も早くやった方がいい。
1本の記事を例に、訴訟のポイントを教えてあげよう。繰り返し言うが、ヤメ検ではなく、本当の弁護士に依頼しろよ。
《見出し》4億円偽装「小沢氏了承」/石川容疑者供述/個人提供隠す/陸山会事件
《記事本文》小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件で、同会の元事務担当者・石川知裕衆院議員(36)が東京地検特捜部の調べに対し、土地代金の支払い直後に組んだ4億円の定期預金と同額の融資について、「小沢先生が用意した4億円を隠すための工作で、小沢先生にもそう説明し、了承を得ていた」と供述していることが、関係者の話で分かった。検察当局は小沢氏を不起訴とする方針を固めたが、虚偽記入容疑に関連する一連の行為に、小沢氏が関与していた疑いが改めて浮かび上がった。同会は2004年10月、東京都世田谷区深沢の土地を購入した。石川容疑者は同月上旬、小沢氏から土地代金など計約3億5200万円の支払いに充てるため の現金4億円を受け取り、同月中旬以降、同会の口座に入金。同会は同月29日午前、土地代金を不動産会社に支払ったが、同じ日の午後、新たに組んだ別の4億円の定期預金を担保に、銀行から小沢氏名義で同額の融資を受けていた。関係者によると、石川容疑者は特捜部の調べに、定期預金と融資に ついて「融資の必要はなく、小沢先生からの4億円を隠すためだった」と偽装工作だったことを認めたうえで、「小沢先生にも『先生の4億円を隠すために定期預金を組みます』と事前に説明し、了承を得ていた」などと供述しているという。(以下略)
これは読売新聞東京本社発行の2010年2月4日朝刊の記事だ。小沢の記者会見や石川の十勝集会での発言によれば、記事の内容は真実ではない。また小沢が陸山会の政治資金収支報告書の記載について、石川から具体的に説明を受け、了承して政治資金規正法違反の罪を共謀したことは立証できないとして、東京地検特捜部は小沢を不起訴処分にしている。
読売が名誉毀損という不法行為の責任を免れるには、@公共の利害に関する事実の指摘である(公共性)、A報道の目的がもっぱら公益を図ることにある(公益性)、B報道機関が真実と信じる相当な理由・事情がある(真実相当性)−の3つを立証しなければならない。
小沢が政治家である以上、@の公共性はあるだろう。問題はAとBだ。果たして、この記事の目的は「もっぱら公益を図る」ものなのだろうか。真実と信じるだけの取材を尽くしているのだろうか。
まず、陸山会事件で起訴された石川らは裁判も始まっておらず、無罪推定を受けるのに「政治資金規正法違反事件」と断定している。この表現は読者(中には検審の審査員や裁判官もいるかもしれない)に先入観を与えている。検察は「違反事件」と言うかもしれないが、読者に向けては、公正な言葉遣いが必要だ。ちなみに、朝日がいいというわけではないが、「土地取引事件」としている。
次に問題なのは「関係者」という取材源。石川の供述内容を知り得るのは、検察とヤメ検の弁護人、弁護人から伝え聞いた家族・支援者だが、家族・支援者がここまで詳しく弁護人から供述内容を伝えられたとは聞いていないうえ、こうした内容をリークしても何の得もない。取材源になり得るのは、小沢を起訴できずに悔しがっている検察の一部か、将来のコメント掲載や系列テレビ局への出演で利益を得ようともくろむヤメ検の弁護人だ。ヤメ検は検事当時と同様、被疑者・被告人に不利益なことをリークして平気な人がいくらでもいると聞いている(だから早く解任しろと言っている)。
取材源がどちらにしろ、その話を報道して「公益」にかなうのか。片や憂さ晴らし、もう一方は依頼者より個人の利益優先だ。石川に確認取材もせずに、検察の一部やヤメ検の話だからと言って、真実と信じたとすれば、正確さが何より求められるはずの報道機関として軽率ではないか。当時、石川は勾留中で直接取材できなかったが、保釈後に確認すればいい。それでは他社に抜かれると思って先走ったのならば、この報道は「公益」目的ではなく、読売の利益目的ということになる。また読売には、ポチをやっていればネタをくれる自民党政権や官僚支配の政権の方が都合がよく、小沢は邪魔だから排除しようという意図があったとすれば、これも「公益」ではないことは火を見るより明らかだろう。私は政権交代後、読売が一転して与党批判を続けているので、こっちの方も疑っている。
ここで基本的なことを確認すると、報道機関は憲法の「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」(21条)に基づいて取材・報道に当たっているとされている。西山太吉事件の最高裁判例では、国家公務員が守秘義務に違反して内部告発し、その内容を報じた場合、報道側も国家公務員法違反の共犯や幇助などに当たるが、取材先を脅したり、恋愛感情を利用したりするなどの違法な取材方法でなければ、憲法に規定により、正当行為とみなされ、免責されるとしている。まあ私は判例など糞食らえではあるが、報道機関はこの判例に従って役人から情報を聞き出しているようだ。
取材源の秘匿も憲法21条に基づくもので、一概に否定はしない。ただ読者には、記事に表示される取材源によって、報道内容の信用性を判断する権利がある。これは「知る権利」に含まれている。インターネットという新しいメディアが登場し、多様な言論が当たり前になっているので、その権利はさらに重大だろう。だから「関係者によると」は、読者の知る権利を冒涜する表現である。また「関係者の話で分かった」として、自分たちが分かったことを教えてやろうという書き方は、読売がいかに自らを権力者だと思っているか、傲慢な姿勢で報道しているかを示している。
百歩譲って、公人の中の公人である小沢に関するいかなる情報の提供も「公益」にかなうとしても、検察やヤメ検のリークはそれと分かる形で、例えば「小沢氏の不起訴処分に不満を持つ東京地検特捜部の検事は、石川氏が取り調べで※※※と供述したことを明らかにした」とか「石川氏が※※※と供述していることを、元検事の弁護人が明らかにした」と書くのが、読者の知る権利に応える報道だ。これではパロディというのなら、せめて「検察関係者が明らかにした」とか「石川氏側の関係者が明らかにした」とすべきだ。
さらに、この記事は石川供述の内容を報じているが、石川は逮捕されて身柄を拘束され、取り調べで小沢の共謀を白状するよう連日求められていたことは当時、周知の事実だった。特捜部の取り調べがどういうものかも、リクルート事件、ライブドア事件、細野会計士事件、鈴木宗男・佐藤優事件などで明らかであり、取り調べの期間なども記事に入れるべきだ。例えば「この供述は石川氏が1月15日に逮捕されて以来、東京拘置所で連日朝から夜まで、検事の取り調べを受ける中で話した内容」と書け。記事を見る限り、石川の言い分もなく、真実と信じるだけの取材が尽くされていない。いくら権力のポチだからといって、検察の言い分だけを一方的に信用し、過去の特捜事件について当事者が書いた本の内容をすべて虚偽と決めつけているとすれば、もはや報道機関をやめ、自民党・高級官僚・検察広報紙と正直に名乗った方いい。
この記事には「同会(陸山会)は昨年10月、読売新聞の取材に、土地代金の原資について『4億円定期預金を担保に、銀行から受けた同額の融資を充てた』と回答。小沢氏は石川容疑者が逮捕された後、土地代金の原資は個人の資金だったと説明を変えていた」と続きがある。今回の報道に対する小沢の言い分は取材していないか、取材できなかったとみられる。記事で社会的評価を大きく低下させられる人の言い分を入れずに、一方的に報道するのは公正ではないし、石川供述の内容を真実と信じるには、取材が不足している。
このほか、読売の部長やデスクが記事の掲載に当たり、記者が取材してきた内容をどのようにして確認したかも問題になろう。取材相手は誰か確認したか。記者のメモは見たか、取材相手が本当に石川供述の内容を正しく知りうる立場の人かどうか確認したか。記者の「検察幹部から聞きました」「ヤメ検から聞きました」だけで、それ以上の確認作業はしていないのでないか。知り合いの記者によると、部長やデスクによる確認作業は、記者に信用してないと思われるのが嫌で、おざなりのケースが多いという。真実と信じる相当な理由・事情があるためには、部長やデスクによる確認作業は不可欠だ。この点は訴訟の中で追及したい。
まあこんなところかな。バブル崩壊の前くらいまでは、報道機関は世論を伝えると自他ともに考えられてきたのかもしれないが、価値観が多様化した現在では、少なくとも公正、正確で多様な情報を提供する機関であることが求められている。なのに一方的な報道を続けるから、その存在自体が問われている。金を出して新聞を買ったり、テレビのニュースを見たりしようと思わない人が増えているが、この人たちは小沢を支持する人たちに重なっているように思う。大手メディアと闘うことは、小沢の支持者を増やすことにもつながるはずだ。とにかく名誉毀損訴訟を早く起こせ。
話は変わるが、検察審査員の経験者を名乗る人が読売や産経に登場し、「自分たちはしっかりやっている」と話している。匿名なのででっち上げかもしれない。そうでないとしても、新聞社の部長やデスクは記者の原稿を見るだけでなく、その経験者に会い、いつ、どこの審査会で審査員を務めたか、ちゃんと確認しているのだろうか。今回のケースでは、構成員が市民だといっても、権力は検審であり、それに対して憲法で人権が守られる対象は小沢だ。読売や産経には、そのことを理解しているかどうか、公開質問状でも出して尋ねてみればいい。
また、東京地裁から22日までに指定弁護士の推薦を依頼されている第二東京弁護士会は困っているらしいな。ヤメ検はやはりまずいということになり、検審の審査補助員を務めた吉田繁実弁護士に対しては、私をはじめ数十名くらいから懲戒請求が相次いでいるようだ。もっと多いかもしれない。無理して推薦して、指定弁護士がしょうもない人だと、小沢無罪の確率はさらに高まるだろう。
そろそろ疲れてきた。本職(私の本職は作家である)の原稿の締め切りも近づき、担当の編集者が「一体、何に熱中しているんですか!」と怒り始めた。困ったことだ。が、気が向いたら、その6を書くこととする。
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