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経済を成長させたいなら中国から学べ:通貨発行特権の利用(小野盛司)(神州の泉)
http://www.asyura2.com/10/senkyo97/msg/702.html
投稿者 忍 日時 2010 年 10 月 17 日 16:36:39: wSkXaMWcMRZGI
 

経済を成長させたいなら中国から学べ:通貨発行特権の利用(小野盛司)
※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第214弾です


 日本経済は円高、株安、デフレの3重苦に悩まされており、失われた20年の後、これから更に何十年失われるのだろうと危惧される。日本の失敗の原因の一つは、老大国である米国の金融システムをそのまま入れようとしたことである。「進んだシステム」が日本にとって必ずしも良いわけではなく、逆に日本経済を悪化させた原因になっている。

 進化論を知らない人は、進化した生物ほど繁栄すると考えている。もしこれが本当なら原始的な生物は、とっくに絶滅してたはずだが、実際は原始的な生物と高度に進化した生物が共存しているわけで、必ずしも進化した生物が進化しない生物を滅ぼすわけではない。巨大な体に進化した恐竜は環境の変化に適応できず絶滅したが、進化しないで小さいままでいたほ乳類は生き残り繁栄していった。
 日本は老大国米国の金融システムをそのまま導入するのでなく、躍進する中国のシステムをもっと参考にすべきだと主張したい。中国の金融システムについて少し書いてみよう。

@中央銀行である人民銀行の独立性は無い。
A人民銀行が無制限にお金を刷って米国債等を直接買い取ることができる。
B人民銀行の巨額損失にも拘わらず、人民元の信認が失われていない。
C事実上の中央銀行の国債引き受けをやっている。

 中国人民銀行は、独立性をもっていない。人民元の上昇など金融政策の重要な決定は首相や国務院によって下される。日本経済がここまで悪くなったのは、日銀の金融政策の失敗だと言われることが多い。日銀は政府の政策との整合性を取ろうとしないし、デフレからの脱却に失敗しているのにその責任を取ろうとしない。かつて世界恐慌に巻き込まれて日本が昭和恐慌になったときに、見事に経済を立て直すことができたのは、大蔵省と日銀が協力して国債の日銀引き受けを行い、大規模な財政出動ができたからであり、政府と日銀は一体となって政策実行をしなければ、現在のような大不況からの脱却は不可能だ。

 そうであれば、中国のように日銀から独立性を剥奪し、政府の命令に従うようにすべきだ。そうすると、政府が国債を自由に発行するようになれば金利が暴騰しハイパーインフレになり円が暴落すると主張する馬鹿な識者がいる。中国を見ればよい。インフレ率も金利も為替も政府によっては見事にコントロールされている。中国にできて日本に出来ぬ事はない。

 中国の外国為替市場は、市中銀行が人民銀行に外貨を受け渡す場であるに過ぎない。人民銀行、従って政府が圧倒的な価格決定力を握っており、見せかけの柔軟性を示すために値幅制限内で値動きをさせている。実際は市中銀行に集まった外貨を人民銀行が直接引き受け、その替わりに人民銀行がお金(人民元)を刷って渡しているのである。

 人民銀行の資産(バランスシート)が異常に大きくなってきた。2009年10月時点で、22.5 兆元にまでなり、GDP に対する比率が70%近くにも達する。欧米(米連銀、英中銀、欧州中銀)の場合、中央銀行の資産が一昨年以来大きくなっているとはいえ、GDP 比で15−20%だし、日銀の資産はGDP 比25%程度である。資産が大きくなったということは、人民銀行が巨額の資産を、元を刷って買い取っているわけだ。

 日銀も同様に円を刷ってETF、REIT、国債、米国債等様々な資産を大量に買い取れば、デフレ脱却は可能だ。米国債等を政府から買い取るだけで、約110兆円の財源が生まれる。このように主張するといつも次のような反論が返ってくる。

@インフレになる。
Aこのような資産を買い取ると将来巨額の損失が発生し、円の信認が失われる可能性がある。

 しかし、この両方とも中国の現状を見れば間違いであることが分かる。中国政府は過度のインフレを完璧に抑えている。中国では、預金準備率を上げたり、金利を上げたりする事で、インフレは簡単に押さえ込むことが出来ているから@は完全に間違えている。

 05年7月の切り上げ直前を基準時点として、人民銀行が人民銀行債券金利で元を調達して米ドルの買い介入を行い、ドル資金を全て3カ月もの米国短期国債で運用したと仮定すると、05年7月から08年6月末までに、約1兆4000億元の損失を被ったと試算される。これは、約21兆円にも上る損失であり、中国の07年の名目GDPの5.6%にも相当する。今後見込まれる、更なる人民元切り上げにより人民銀行の損失は更に拡大するのは間違いない。しかし、元の信認は全く失われていない。それどころか、近い将来切り上げが確実な元を入手しようと、おびただしい人がその方法を探しており、逆に中国政府はそれを阻止しようと必死だ。

 つまり、「お金を刷れば通貨の信認が失われる」というのは真っ赤な嘘ということだ。もう一つ、中国政府の国債発行の例を書いておく。これは2007年の例である。政府が1兆5500億元(約25兆円)の特別国債を発行した。特別国債なので、市場には出回らず暴落の心配は無い。それをすべて国有商業銀行である中国農業銀行が買い取り、それを直ちに人民銀行が買い取った。要するにこれは事実上中央銀行による国債引き受けにすぎない。国の機関内での取引なので、誰もこれを「国の借金」とは呼ばないだろうし、将来国民の税金で返さなければならないなどと馬鹿なことを言わないだろう。日本もこの方式を採れば「国の借金」の問題は一挙に解決する。そうすればハイパーインフレになると言うのは中国を見れば嘘だと分かるだろう。

 このようにして政府が手に入れた資金の一部は、大幅な赤字を計上している中国農業銀行の増資(約400億ドル)に使われるとのこと。日本では不良債権処理に手間取って貸し渋り、貸し剥がし等の問題が生じ、経済に重大な悪影響が出た。中国流の処理の仕方であれば、お金を刷って銀行を助け、経済を活性化するのだから誰も文句を言わないし、速やかな処理が可能である。

 日米の金融の仕組みを比べて明らかなように、中国が通貨発行特権を十分に活用して経済を大躍進させているのに比べ、日本は自主的にその権利を放棄し、経済を破壊させている。これでは競争にならない。言ってみればサッカーの試合で中国チームだけは、手も足も使うことが許されており、日本は足しか使ってはならぬという自主的に決めたルールで試合をしているようなものだ。これで勝てるわけがない。今からでも遅くはない。中国の金融システムを未熟と言って馬鹿にするのでなく、中国を見習って日本経済を復活させようではないか。


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小野盛司氏の日本経済復活シリーズ・インデックス


2010年10月14日 (木) 経済・政治・国際 | 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (1)

2010年10月 6日 (水)
遂に日銀が「お金を刷る政策」を始めた!(小野盛司)
※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第213弾です


 日銀は10月5日の金融政策決定会合で、政策金利を現在の年0.1%から「0〜0.1%」に引き下げると共に、国債や社債やETFなどを買い取ることを決定した。この程度の金利引き下げであれば、景気浮揚効果はほとんど無いし、これがほぼ限界であると言える。しかし、資産買い取りは我々が約10年前から強く主張していることであり、やっと実現するのかと感慨深い。こちらは、景気浮揚効果は間違いなくあるし、その規模は際限無く拡大できる。

 しかも今回は、この金融緩和策を気まぐれでは中断しないと確約した。すなわち、「消費者物価上昇率でみて1%程度が中心」の中長期的な物価の安定展望が出来る情勢になるまで続けるとある。期待したいのは資産買い取りである。買い取る資産としては国債、指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(REIT)などがある。過去に行った日銀による量的緩和と大差ないように思うかもしれない。しかし、これは違う。今回は資産購入は5兆円とあるので、確かにこれだけなら効果は限定的だが、これだけで足りないと思えば、際限なく購入額を増やすことができるのだから、その場合は間違いなく効果はでてくる。

 慶応大学教授で日本経済研究センター理事長の深尾光洋氏はダイヤモンド2002年4月13日号に次のような提案した。
「もしも私が日銀総裁ならば、第一にインフレ目標を明確に打ち出す。具体的には、「毎年の物価上昇率目標を3%とし、プラスマイナス1%の幅の中で達成させる」と宣言する。インフレ目標達成を裏付けるために、ETF(株価連動型の上場投資信託)を毎月5兆円から10兆円ずつ買っていく。その際、総額で300兆円買い続けることをあらかじめコミットメントしておくのだ。」

 その少し前、MITのドーンブッシュも日本のテレビに出演し、日銀に徹底的に株を買わせれば景気がよくなると主張した。10月6日現在の東証の時価総額は約290兆円である。日銀がETFを30兆円程度買っただけで、日経平均は2倍程度になり時価総額が300兆円程度増加するだろう。これだけの利益が日本の至る所に分配される。日銀の儲けは一部国庫に入る。株の取引に関連する税金、取引で生じた利益の一部は税金として国に入る。もちろん個人金融資産1400兆円は大幅に増加する。年金の一部は株で運用しており、年金積立金が大幅増加し、社会保険料の値上げが不要となる。企業年金も運用利回りが大幅アップだ。株が上がり始めると地価にも影響が出てくる。株で儲かると何か買いたくなるものだから消費も上向く。そうすると輸入も増え、経常黒字が減り円安に向かい企業に追い風が吹く。

 日銀は為替介入で2兆円ほど米国債を買ったが、一瞬だけ対ドル円相場は2円程度円安に振れただけで、今は元に戻っている。正確に言うと米国債は実は日銀が買ったのでなく財務省が国債を売った金で日銀に委託して買ってもらったのだから国の借金として残っている。しかし、今回日銀がETFを買うということは、新しく作られたお金で買っているわけで借金として残らない。借金を増やすことなく際限無く買える。日本経済が正常と言える状態になるまで思い切って買って欲しい。

 更に喜ばしいのは今回35兆円の基金を創設し、資産を買い取るのだが、その際長期国債の買い取りは「銀行券ルール」の対象外とするということだ。「銀行券ルール」とは、日銀が長期国債保有額を日銀券発行額の限度内に収めるという自主規制である。このルールは2001年3月の量的緩和導入時に日銀が勝手に定めたものであり、何ら経済学的な根拠はない。しかし、今までこのルールによって日銀が長期国債を十分買えなかった。そうなれば、政府も売れ残るのではないかと心配し、恐くて国債を十分発行できなかった。この「銀行券ルール」の対象外の基金ができたことにより、政府は安心して国債発行ができるだろう。

 今後我々がやるべきことは、国債を財源とした景気対策をもっと大胆にやれと政府に要求することと、日銀はETF購入額をもっと増やせと要求することである。

「神州の泉」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/

 

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コメント
 
01. 2010年10月17日 17:20:31: CRer5rROIE
>「銀行券ルール」とは、日銀が長期国債保有額を日銀券発行額の限度内に収めるという自主規制である。このルールは2001年3月の量的緩和導入時に日銀が勝手に定めたものであり、何ら経済学的な根拠はない。


オメエ、相当な経済オンチのようだな。
国債を引き受けるために中央銀行が実体経済の裏付けのない札を制限なく刷っていくと、たちまちハイパーインフレに直結することは経済の常識。

今の日本はマダ、どんなに苦しい経済であっても、国民の生活を根底から破壊するまでには至っていない。
しかし、制限のない国債の引き受けを日銀がやりだすと、国の経済を完全に破壊してしまうことになる。


02. 猿のセンズリ 2010年10月17日 17:25:39: fpN.gB5mzCY0U : 0h3BhsNan2
まず、金融については、アメリカと日本は、虎と猫・のたとえがあります。又、進化論の是非はともかく、こと、人間は、はたして進化しているか?なんです。又、又、この、恐竜を、大企業と見る事も可能と思います。2}・の元を無制限に刷っている・とあらば、これは、米FRBが、現在やっている事と同じです。以下は、じっくり拝読します。とにかく、現在の、日本の一番の課題は、景気対策・・この一点と、自身は思ってます。他にも、問題山積なのは、我が家も、同様です。一つ・一つ・片付ける様、こころ掛けてます。

03. 2010年10月17日 20:01:44: IuPxajJcAk
>国債を引き受けるために中央銀行が実体経済の裏付けのない札を制限なく刷っていくと、たちまちハイパーインフレに直結することは経済の常識。

残念ながら常識ではない。
すでに日本円は国債本位制通貨になって10年くらいになる。
日本円に実体経済の裏付けはないのだ。(日本だけじゃないけどね)

それでも円高よ。
円の根拠となっている国債はこの10年金利が下がりっぱなしじゃんか。
実体経済の裏付けられていない日本円が優良な通貨として信用されつづけているのだ。
これは事実だから認めるしかないぞ。

ところで、01さんが「制限なく」と言っているのは「際限なく」の間違いではないかと思うが、もちろん「際限なく」通貨を発行すればハイパーインフレになる。
では、どの程度が「際限」なのかと言うと、これは01さんが心配しているとおり実体経済の規模による。
ところがこの「実体経済の規模」は今現在の現実の規模ではなく、「潜在的な可能性としての規模」なのだ。
日本のように生産設備が眠っている国、しかもデフレの国の場合、「実体経済の規模」は思っているよりずっと上と言うことになる。
そこで潜在GDPとデフレギャップの話になる。

ところが小泉内閣のとき、政府が需給ギャップなんつうものを言いはじめて、これがデフレギャップと混同されるようになり、何がなんだか分からなくなってしまった。
ケインジアンが日本のデフレギャップは数百兆円だと言っているのに自民党の御用学者たちが20兆円とか30兆円に過ぎないと言うのはこれなのだ。


ところで、この話題は経済分野の方にも投稿されているけど、良いのか?


04. 2010年10月18日 00:40:05: QXVaulDOhs
円を沢山刷って(コンピュータの口座の数値増やすだけでいいんですから創造してというべきでしょうがまあ比喩的に“刷る”ということにします)仮に将来巨額の損失が出ても、元手がかかっていなんだからどうってことないんですね。ただ、こんなこと出来るのは中国にしても日本にしても十分な生産力があるからなんですね。
円を刷って損失が出ることを心配して、若者には働く場所がない、円高だから工場は海外に出て行って空洞化ということになると日銀の帳尻は黒字だが、国内の生活レベルが大幅にダウンということになり兼ねない。

05. 2010年10月18日 01:12:02: jfFAZGb6iI
産業が空洞化したうえに、国債を発行し続けて財政規律がなくなれば、円の信用も失われるので、ハイパーインフレでしょうけど。
仮定の上に仮定を乗せているような気が…

まぁ、そろりそろりと控え目なインタゲということならみなさん異論がないのでは?(ちがうのかな…)

http://econdays.net/?p=520

日銀もFRB同様、がんばってください。日本にも「財務省」と「そのスパイ」という財政規律厨がおりますので。
期待しております。


06. 2010年10月18日 09:08:01: CRer5rROIE
>>03
>残念ながら常識ではない。
すでに日本円は国債本位制通貨になって10年くらいになる。
日本円に実体経済の裏付けはないのだ。(日本だけじゃないけどね)


何をトンチンカンなことをw
それは、日銀がこれまで国債買取りを自主規制をして来ているからだろうが。

また、そもそもこの投稿者にしても
中国を見て日本も心配ないって言ってるようだが(w)

一党独裁国家の例を持ち出した時点で、この投稿の主張は「没」であることに気付いた方がいいな。


07. 2010年10月19日 22:47:46: IuPxajJcAk
06
>日銀がこれまで国債買取りを自主規制

はてはて? 何を言っているのかな?
日銀は、あれでも最大の国債保有主体だぞ。

06
>中国を見て日本も心配ないって言ってるようだが(w)

ちゃうよ。

経済成長には通貨供給が必要だと言うことさ。
生産力が増大した現代では、マネタリストが主張するような天井はないんだよ。
十分な通貨供給と政府部門からのGDP押し上げ、これがGDPを引き上げるもっともてっとりばやい方法だってことさ。

中国が一党独裁だろうが何だろうが関係ないのよ。
アメリカでもEU諸国も同じことをやってるからね。
だから、日本もやって良いし、やるべきだってことさ。

07
>若者には働く場所がない、円高だから工場は海外に出て行って空洞化

ほんとたいへんや。日本の若者が怒って暴れてもしゃーないと思うよ。
でも、実は日本の雇用は必ずしも空洞化していない。
製造業は逃げているけどね。
元々日本のGDPに占める輸出関連産業の割合は非常に小さい。
しかも雇用の8割はサービス業。
絶対的な雇用数はバブルの絶頂期より多いんや。
だから、若者の雇用は、雇用の数ではなく条件に問題があるねん。
政府が労働基準法を強化して、どんな仕事をしてもちゃんとした収入になるよう企業に強制せなあかんのや。
もちろん企業が儲からな給料はらえんから、景気対策が一番大事や。
それなのに均衡財政や緊縮財政をやれば景気が良くなるわけがない。
政府の国債残高なんて1000兆円が2000兆円になったかて、利子率が経済成長率を下回っとる限りは気にせんでええねんで。


08. りょー馬 2011年8月31日 13:23:11: 3nhn1kmgoEutQ : ZHeWivxECU
日本がこんな状態なのに、円高・デフレ。(おかしいぜよ!)
円が不足しているのは一目瞭然。円高・デフレを利用して、通貨を供給して、国民を豊かにして、若干のインフレ状態を維持するのが資本主義の健全な発展である。
「通貨を刷ればハイパーインフレになる!」なんて言う馬鹿は、高熱を上げている子供に解熱剤を飲ませたら冷たくなって死んじゃう!って言ってるのと同じである。アホか!?
何事にも適量と言うのがある。
早急に円を刷って、流通量を増やさないと、この円高・デフレじゃ、ホントに日本が壊死して製造力がダウンし、インフレ・円安が起きる!それからじゃ〜遅いきにぃ!

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