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菅政権は、臨時国会に提出する国家公務員の給与法改正案について、2010年度の人事院勧告(年間給与平均1.5%減)以上の引き下げを見送る方針を固めた。菅直人首相は9月の民主党代表選の公約に「国家公務員人件費の2割削減に向け、人事院勧告を超えた削減を目指す」と掲げた。だが、スト権などの労働基本権を与える前に大幅引き下げに踏み切れば、支持団体である公務員労組の反発は避けられず、党内の意見集約もままならないと判断した。
菅政権は公務員人件費の2割削減を実現するため、来年の通常国会で、労働基本権を付与する法案と公務員の給与をさらに引き下げる法案をセットで提出する検討に入った。11年度の実施をめざす。
民主党は09年衆院選と今年の参院選マニフェストで「国家公務員の総人件費2割削減」を打ち出していた。達成には約1.1兆円の削減が必要だが、人事院の勧告通りなら約790億円の削減にしかならない。公約自体は13年度までの目標だが、他の削減策である国の出先機関の廃止、公務員削減も思うように進まず、このままでは実現は難しい。民主党は公務員の人件費削減などで生み出した財源をマニフェスト政策の実現に充てることを掲げており、他の政策にも影響が及びそうだ。
人事院は8月、国家公務員の給与引き下げを勧告。4月以降の給与への反映を12月支給のボーナスから調整するため、11月末までに給与法を改正する必要がある。このため、来週にも片山善博総務相や蓮舫公務員制度改革担当相らによる給与関係閣僚会議を開き、人事院勧告に沿った給与法改正案を閣議決定する方向だ。
勧告以上の引き下げは、民間給与が前年比で5%以上落ち込む中で「公務員給与カットに踏み込まないと世論の理解は得られない」との考えから、前公務員制度改革担当相の玄葉光一郎国家戦略相らが主張していた。
だが、連合の古賀伸明会長は「踏み込みすぎではないか」と不快感を表明。地方公務員にも影響が及ぶため、24日投開票の衆院北海道5区補選や来春の統一地方選を控え、有力支持団体の自治労などの反発を避けるべきだとして、政府内にも慎重な対応を求める意見が出ていた。
公務員にスト権などの交渉手段がない中で勧告の引き下げ幅を拡大した例はなく、訴訟リスクも避けられない。1982年に鈴木善幸内閣が引き上げ勧告を凍結した際には労働組合側が国際労働機関(ILO)に提訴し、凍結分は83〜85年の勧告で実施された。勧告以上に削減する場合、「適正な削減幅」の基準作りに時間がかかる上に、衆参で多数派が違う「ねじれ国会」で野党の協力を得られるかどうか見通せないことから、見送る方向となった。
◇
〈人事院勧告〉 労働基本権が制約されている公務員の給与については、人事院が中立の立場で民間給与と比較して給与水準を算出し、内閣と国会に勧告する。勧告に従うかどうかは内閣が判断するが、完全実施が通例。毎年夏に勧告され、秋の給与法改正を経て4月にさかのぼって適用される。対象は国家公務員だが、地方公務員の給与改定の指針になる。
http://www.asahi.com/politics/update/1015/TKY201010150538.html
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