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「組織というのはほっておくと拡張主義に陥る」という考え方です。組織内の人間達の為に役職とご褒美原資が欲しい。 伊藤洋一
http://www.asyura2.com/10/senkyo97/msg/635.html
投稿者 TORA 日時 2010 年 10 月 16 日 10:44:37: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu226.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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「組織というのはほっておくと拡張主義に陥る」という考え方です。
組織内の人間達の為に役職とご褒美原資が欲しい。 伊藤洋一

2010年10月16日 土曜日

◆【正論】中国現代史研究家・鳥居民 中国軍増強の裏に利益集団あり 10月15日 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/world/china/101015/chn1010150336000-n1.htm

南シナ海、東シナ海における中国海軍の傍若無人ぶりは目にあまる。世界の人びとは顔をしかめている。もちろん、愛国主義を教えられてきた中国の若者たちは快哉を叫び、この水域の海底資源を一手に収めたいと願う中国海洋石油の首脳陣はご満悦であろう。それだけであろうか。

 中国の軍事力の増強は尋常なものではない。その国防費の毎年の伸び率は平均15%であり、それは21年間にわたり続いてきた。始まりは1989年、天安門事件があった年である。士官と兵士の生活改善という名分だった。民衆に向かって武力を行使させたトウ小平としては、陸軍を慰撫しなければならなかったのであろう。

 そして、そのトウ小平の指名により党中央軍事委員会の主席になった江沢民は、革命戦争と無縁、軍とも無縁だったことから、軍の機嫌を取るため国防費を増やし続けなければならなかった。

 ≪「大躍進」もかくや≫

 「世界の工場」として経済発展に加速度がつく2000年代に入ると、国防費の増加はまさに、毛沢東の「大躍進」並みになる。1999年の千億元から、3年後の2002年には2千億元へと倍増した。ロケット師団が新設されて師団長が任命されれば、同じ軍歴を持つ別の将官がごねて、ロケット師団がもうひとつつくられるといったありさまだった。

 江沢民は04年に中央軍事委主席の椅子から退かざるを得なくなったが、軍事費の15%の伸び率は落ちなかった。中国の国防費は07年には、日本の防衛費を追い抜き、翌年には3500億元、09年には4800億元に増大した。今年の国防予算は、伸び率が1桁になったものの、5321億元(786億ドル)となった。日本円にして6兆9000億円である。

 さて、人口増による労働力の増大を土台にし、世界経済の好調に頼った輸出依存の中国経済のシステムは終わろうとしている。そして、中国も間もなく高齢化社会になるのだが、そのための用意が遅れている。経済の2桁成長時代に増え続けた国防費のさらなる増大は自制しなければならないことは、誰もが承知している。

 ≪提督たちの大風呂敷≫

 だが、愛国主義を看板に掲げる将軍たちが国防費の維持、増大を強く求めていることも、誰もが思うところだ。中国海軍艦艇が南シナ海や日本近海で緊張を高め、周辺各国を刺激し、騒ぎを引き起こしているのもひとつには、海軍首脳による予算獲得のための国内向け宣伝行動なのだろう。

 ただし、国防費の維持、増大に血道を上げる最強の勢力は、また別にいるのではないか。

 1991年にトウ小平に代わって「改革・開放」の論陣を張った、周瑞金というジャーナリストがいる。天安門事件の衝撃から教条主義の古い陣地に引きこもってしまった江沢民とほかの幹部を引きずり出した人物である。それから18年後の昨年10月、彼は、権力と利益が絡み合ったいくつもの国有企業、事実上、地主と化してしまった地方政府を指して、中国を滅ぼすものだと批判し、「特殊利益集団」だと糾弾している。

 その周も、ミサイルから戦車、軍艦、航空・宇宙までの分野にわたる軍需メーカーの一群を取り上げるのは避けている。これらの軍需工業もまた、中国の新貴族たちが支配する「特殊利益集団」なのであり、増大を続ける国防費の最大の受益者なのである。

 ≪“埋蔵金”があった≫

 中国の国防費については、公表される数字がすべてでないことは誰もが分かっている。米国防総省がこの8月に発表した推計では、昨年度の中国国防費は1500億ドルと公表数字の2倍だ。

 政府から公表された数字とまさに同額の“埋蔵金”が存在しているのだ。これが、軍需メーカーの研究、開発費に回され、空母建造や、地対艦ミサイル、衛星破壊兵器の開発・製造の費用に充てられているのだといわれる。

 そして、この「特殊利益集団」は、小型火器は言うには及ばず、軍用機やミサイルの輸出に懸命である。権威主義的外国政府と連携を深める最も有効な手段が兵器の輸出であることは、中国政府がはっきり認めているところだ。

 さらに、この「特殊利益集団」の幹部たちは、何十年か先には、米国のロッキード・マーティン社や英国のBAEシステムズのような世界トップの軍需企業になることを夢見ている。国防予算を削減させないのは、提督たちの大風呂敷だけではなく、この「特殊利益集団」の力なのである。

 今年の国防費の伸び率が、1桁(7・5%)だったことに触れたから、ついでに、治安維持費のことも記しておこう。治安維持費は昨年、前年比16%の伸びを示し、今年は8・9%増えて、総額5140億元となった。国防費として公表された数字よりも、わずか百数十億元少ないだけだ。

 そうしてみれば、すべての「特殊利益集団」の一致した願いは、治安維持費を増やし続けることにもあるに違いなかろう。(とりい たみ)

◆Day by Day 10月15日 伊藤洋一
http://www.ycaster.com/diary/index.html

 「最近の中国はどこかおかしい」と思っている方は多いでしょう。私もそうです。やっていることを見ると、どこか子供っぽい。見え見えの駆け引きを繰り返し、世界全体から見れば「何やっているんだ、この国は」と笑われる形になっている。

 ノーベル賞ごときでヨーロッパの一部の国と外交関係を傷つけるなんて常軌を逸している。と思うと、自分では「日本包囲網」を作っているつもりなのでしょうが、韓国の国防相を中国に招く方向だとか。つい最近まで米韓の軍事演習は激しく非難していたのに。

 私はずっと、「組織というのはほっておくと拡張主義に陥る」という考え方です。組織内の人間達の為に役職とご褒美原資が欲しい。秀吉も組織の必然的な拡張主義の結末として海外への道を選ばざるを得なかった、と考えている。

 そして重要なことは、その拡張主義が蹉跌したときにやっと組織の拡張は止まる、ということです。その蹉跌によって組織内に「ここで終わり」の雰囲気がやっと出来上がる。それまではどうしても組織はイケイケになる。日本の戦争に向かう道と終焉もそうだった。

 今の中国を考えると、二つの組織が重要です。それは共産党と軍。表裏一体です。中国の軍はまたホテルから何から経営する大きな利益・資本集団です。鳥居さんの文章はこの点を良く突いている。今の中国の海洋権益拡張主義には、中国内部の力が色濃く反映していると思う。

 問題は「その拡張主義がどこで止まるか」「何で止まるか」です。日本など周辺国家として望ましいのは、内部でそれを抑制する力が生まれることです。しかしそうなるとは限らない。もしかしたら、外への拡張主義を中国がトライし、そこで何かにぶつかって(例えばアメリカの軍事力)、そこでやっと止まるかも知れない。

 やや関心を呼ぶのは、ノーベル賞作家ばかりでなく中国の力のある元政府高官からも「民主化」を要求する動きが出ていることです。備忘のためにその関連記事を掲載しておきます。

 中国共産党の引退幹部ら23人が発起人となり、憲法が認める言論や出版の自由が厳格な統制を受けている国内の状況を痛烈に非難する公開書簡をインターネット上で発表した。
 発表は、服役中の民主活動家、劉暁波(りゅうぎょうは)氏へのノーベル平和賞授与決定直後の11日で、共産党政権は、民主化要求の高まりも警戒してネット上から削除した。

 発起人は、故毛沢東主席の秘書だった李鋭氏、党機関紙「人民日報」元社長の胡績偉氏ら。言論、出版、集会、結社の自由を保障した中国憲法35条が、共産党と政府機関が定める細則のために「絵に描いた餅」になっていると断じた。その上で、全国人民代表大会(国会)常務委員に対し、党中央宣伝部などによる検閲廃止やネット上での言論封鎖廃止などを求めた。

 こうした各方面での動きがどうマージし、中国で今日から始まる第17期党中央委員会第5回全体会議(5中全会)の方向性に少しでも影響を与えるかどうか。可能性としては小さいでしょう。もしそうなら、中国を動かす二つの組織(共産党と軍)の組織内論理の行き着く先を予想しなければならない。企業でもそうですが、組織はほっておけば必ず内向きになる。そして冒険を恐れなくなる。日本近海でスカーミッシュが起きる可能性は小さくはない。


(私のコメント)
昨日書いたリーダー論の続きになりますが、伊藤洋一氏が書いているように、組織というものは放置していくと拡張主義に陥る。昨日も書いたように、満州事変を起こした石原莞爾は関東軍の組織拡大を狙った立役者ですが、後にも彼の真似をする陸軍の青年将校を抑えることができなくなってしまった。

現代における各省庁も同じであり、天下りを通じて組織の拡大を目指している。本来ならば内閣の総理大臣や各大臣が、各省庁の暴走を押さえなければなりませんが、昭和初期の時のように暴走を抑えることが出来なくなって来ている。

その経験から戦後は内閣総理大臣の権限を強化して、陸軍や海軍のような暴走を抑えられるようにしたはずですが、それでも総理は各省庁の暴走を食い止めることが出来ないでいる。国会中継などを見ていても、菅総理の答弁は一国の最高責任者であるという気概に欠けている。

総理大臣に強力な権限を与えても、それを生かす能力が無ければ総理大臣としての機能が果たせないのであり、各大臣も同じだ。総理大臣も各大臣も一年も持たずに次々と代わる。戦前と同じように選挙で選ばれる国会議員の資質が低くては、官僚たちの暴走を食い止めることは難しい。

ならば官僚よりも優秀な人材を官邸に加えて、補佐官のような役割をすべきですが、そのような人材の登用がなされていない。官僚は各省庁のことしか考えないが、官邸のスタッフともなれば国家全体の事を考えて仕事をしなければならない。そのためには予算配分の権限から人事権に到るまで官邸が掌握しなければ、各省庁の暴走は止まらない。

中国においても、おそらく同じ事が起きているのであり、地方の軍閥が勝手な事をし始めているようだ。中国軍は国軍ではなくて共産党の軍事部門であり、中央政府の統括が効かない部分があるようだ。中国は共産党独裁国家ですが、やはり強力なリーダーでないと軍部の暴走が止められなくなってきているようだ。その点で戦前の日本と良く似ている。

鳥居氏の記事にも、その事が書かれていますが、世代交代が3代目4代目ともなると人材も劣化してきて組織も統括できなくなって来るのだろう。日本においても大正時代までは軍縮なども出来てデモクラシーの時代も出来ましたが、維新の元勲がいた世代までは組織の統制も取れていましたが、昭和になって誰も統括する元勲がいなくなってしまった。

そうなると陸軍も海軍も、青年将校たちは立身出世のために組織の拡張に走るのであり、石原莞爾や板垣征四郎のような野心家が出てくる。現代における各省庁も天下り先を作る事が出世の条件であり、中央官庁は地方の出先機関に現役のまま出向させるようにした。民主党がそれを認めてしまったから、中央官庁はウハウハだ。

民主党に言わせると出向は天下りでないと言う理屈ですが、都道府県や市町村が中央官庁の天下りの受け皿になって、中央官庁の組織拡大が止まらない。特殊法人も好きなだけ作る事が出来るから国家予算は年々膨れ上がっていく。だから財政赤字は溜まる一方だ。

財務省は増税で税収の拡大を目論んでいますが、経済の状況は税収を担えるような状況ではない。問題は中央官庁の組織拡大を食い止めて、大軍縮を行なわなければなりませんが、それが出来る政治家がいない。民主党も政権をとる前は天下りの廃止や、公務員給与の二割カットを公約にしていましたが、政権をとったら棚上げにしてしまった。

日本はどのようにしたら優秀なリーダーを育てることが出来るかが重要な課題ですが、選挙制度にも問題があるのだろう。イギリスでは40歳前後の若手のリーダーが次々育っていますが、年功序列から能力主義への切り替えが出来ているからだろう。しかし能力主義もいろいろと問題があり、どのようにして能力を評価するかが難しい。

議会制民主主義が機能するためには、国民の中から優れたオピニオンリーダーも必要であり、ジャーナリズムにしても質的な向上が望まれます。そのためには優れた人材を生み出す教育の充実も無ければなりません。そうして国民レベルの資質の向上が優れた政治家を生み出す母体になる。

日本の政治家に資質に疑問を抱かせるのは、ブログなどに書かれた記事のお粗末さだ。これでは官僚たちに手玉に取られるのは明らかであり、これといったビジョンを打ち出せないのでは国民からリーダーとして支持されないのは当然だ。菅直人首相も「大臣」と言う本も書いていましたが、「株式日記」でも紹介したことがあります。


◆菅直人総理大臣はどうか 1998年7月11日 株式日記
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu7.htm

自民党が作り上げた慣例は、衆議院議員の選挙で6回当選しさえすれば、誰でも大臣になれる、と言うものだ。この「誰でも」と言うところが、大事なのである。事実、当選6回以上でこれまで大臣になれなかった例は、近年では浜田幸一氏と佐藤孝行だけだった。

誰でも大臣になれる為には、一人一人が長く大臣をしていたのでは困る。そこで、ほぼ1年ごとに「内閣改造」をしなければならなくなった。更に言えば、総理大臣もまた誰でもいい、と言うのが自民党のシステムだった。・・・理念や政策は官僚達に任せ、自分達は利益配分だけを担当してきた。・・・もし、何回当選しても大臣に必ずなれるとは限らない、となったら、自民党議員の多くはやる気を失うのではないだろうか。

一方、そのような大臣を迎え入れる官僚の側は何を考えてきたのか。政治家に大臣と言うポストを与える代わりに、「官僚内閣制」を認めさせてきたわけだ。「どんな人が大臣になっても務まるように、挨拶文から答弁書まですべて私たちが用意します。大臣は私たちの言う通りに動いていただければ、1年の在任期間中、大過なくすごせるようにしますから」と言って、行政の実権を政治家の手から奪っていった。

政治家から奪うと言う事は、国民から奪うと言う事である。この結果、自民党政権が続いていると言われながらも、実態は官僚政権、霞ヶ関政権が続いていたのである。(以上 、管直人著「大臣」より)

私は金融危機、経済危機の対応が遅れてきた原因は以上のごとく官僚任せであった事が原因であったと思います。それが去年の末まで続いていました。それが山一、北拓の倒産の不手際により、政治家も慌てて動き始めました。官僚達にも手におえなくなってしまったのです。しかしながら政治家もこの危機に対して大蔵大臣のなり手がいない。総理にも私が代わろうと言う人がいない。いっそのこと管直人に総理をさせてみたらどうだろう。


(私のコメント)
菅直人が批判してきた事を、総理大臣になった今、批判してきたことをそのまま実行しているのは皮肉な事だ。民主党は一年生議員が過半数を占めているから、年功序列など無視できるはずですが、一年生議員でも大臣に抜擢できるはずだ。しかし民主党でも小沢一郎のように、一年生議員は選挙区に張り付いて選挙活動していろと言うボスが幅を利かせている。

これではやる気のある若い政治家が磨り潰されてしまうだろう。10年も国会議員をやっていると利権談合でズブズブになってしまって、日本の政治は悪い面が踏襲されていく。官僚を上回る人材がいても10年もやっていれば官僚に取り込まれてしまって丸投げするようになってしまう。菅直人もその一人なのだろう。

 

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