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http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20101014/1286995507
2010-10-14 03:45
小沢一郎と柄谷行人、この二人の思想家のイメージが、僕の脳裏を駆け巡っている。
意外かも知れないが、僕にとって、今、もっともホットでアクチュアルな思想家は、政治家の小沢一郎であり、文藝評論家の柄谷行人である。小沢一郎が、検察やマスコミを敵に回しつつ、民主党代表選挙に立候補し、菅直人首相に敗れたとはいえ、ほぼ互角の闘いを演じ、敗れれば政治家としては終わりだろうと言われつつも、未だに政治力を保持し、温存し続け、尚且つ、政治資金問題で「検察審査会」とやらの「起訴相当」という議決で追い討ちをかけられているにもかかわらず、依然として「小沢一郎の闘い」とも言うべき政治的権力闘争を続けているのに対して、柄谷行人はというと、『トランスクリティーク』から十年、『世界史の構造』という大著を刊行することによって、「柄谷行人、未だ健在なり」をアピールするとともに、相変わらず、他の追随を許さない過激な思考力と分析力によって、読書界の注目を浴びている。少なくとも僕の頭の中では、この二人が、もっともアクチュアルな思想家として生き続けている。柄谷行人は、『世界史の構造』で、資本=ネーション=国家の枠組みを超えることはほぼ不可能であるにもかかわらず、それを超えようと悪戦苦闘しているが、その悪戦苦闘ぶりが、いかにも、検察やマスコミに追い詰められて悪戦苦闘している小沢一郎の姿に重なってくるのだ。おそらく今の日本で、心身を擦り減らして闘っているのは、この二人を措いてほかにいない。僕は、「命懸けの闘い」を続ける、この二人の闘う姿が好きだ。小沢一郎が「無罪」で「潔白」だから好きなのではない。「無罪」であろうが「有罪」であろうが、そんなことには関係なく好きなのだ。ただそれだけだ。「小沢一郎は好きでも嫌いでもないが……」とか、「小沢一郎の政治思想を支持しているわけではないが……」言いつつ、客観的、第三者的立場で、小沢一郎擁護の発言をしようとする奴等が、僕は嫌いだ。「推定罪の原則」や「検察の正義」を論拠に、小沢一郎擁護論を展開する奴等を、僕は信用しない。資本や国家は、ひとたび危機に直面するや、「推定罪の原則」や「検察の正義」等というイデオロギーをいとも易々と踏み躙って、必死の大反撃に出てくるに決まっている。だから僕は、小沢一郎が無罪だから、あるいは潔白だから、小沢一郎を支持するのではない。無罪であろうとダーテイであろうと、「小沢一郎の闘い」を支持するから、応援する。同じように、僕は、柄谷行人が左翼と言われようが、平和主義者と言われようが、あるいはその理論体系が破綻していようがいまいが、そんなこととは関係なく、その過激な「思考する実存」が好きなのだ。僕にとっては、小沢一郎と柄谷行人だけが生きている。他の奴等はみんな死んでいる。この二人だけが、巨大な敵と闘っているからだ。何が「推定無罪の原則」だ? そんな寝言は寝てから言え。
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