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参院で与党が過半数割れしている「ねじれ国会」を受け、野党・公明党について「民主党と連立も視野」などと報じられている。一方で、「民主へのすり寄り」批判の声も気になるようで、そろりそろりと様子をうかがっているようだ。その微妙な空気は衆院北海道5区補選にも影を落としている。
「自民、対決色強め 北海道5区補選にらみ」との見出しの真横に「公明、補正予算賛成も」と、民主党に対する野党の「真逆」の姿勢を示す記事が並んだ。毎日新聞の2010年10月13日付朝刊の総合面だ。
補正予算案に「賛成する可能性を示唆」
毎日新聞の公明関連の記事は、同党の斉藤鉄夫・幹事長代行が、ビジネス・経済専門ケーブルテレビの日経CNBCの番組で、2010年度補正予算案について、「国会での修正を条件に賛成する可能性を示唆した」ことを伝えている。
参院で19議席の公明が賛成に回れば、与党は過半数を確保できる。「元与党」の社民系会派の「4」議席が仮に与党へ復活しても、過半数には届かない状況の中、公明議席は与党にしてみれば、のどから手が出るほど欲しい「数」だ。
補正予算に対する公明の姿勢を巡っては、産経新聞も10月8日付朝刊で、公明が補選予算案に賛成する方針を固めた、として「(与党と公明との)協力関係が深まれば連立も視野に入れることになるとみられる」と慎重な表現で報じた。
「与党の味」を知る公明党としては、来11年春の統一地方選を前に「政策実現力」を示して存在感を高めたい思いがあるようだ。しかし、10年来の協力関係にあった自民党との「きずな」を重んじる声も党内に根強く、あっさり「さよなら自民、こんにちは民主」とはいかないようだ。
予定されていた民主と公明の参院幹部による会談が延期される見通しとなったことを受け、毎日新聞(10月13日付)は、「『民主党へのすり寄り』批判に神経をとがらせる公明党が直前に難色を示したとみられる」と分析した。
衆院補選にみる微妙な民・自・公の関係
そんな情勢の中、10月12日に衆院北海道5区の補選が告示された。民主党の小林千代美・前衆院議員陣営の北海道教職員組合の違法献金事件などを受けた小林氏の辞職に伴う選挙だ。09年夏の衆院選で小林氏に敗れた自民公認の町村信孝・元官房長官や民主、共産の新顔ら5人が立候補している。公明は、09年時には町村氏に推薦を出したが、今回は推薦も支持もしていない。
今回の補選での公明と自民の関係は、なかなか微妙なもののようだ。10年9月24日に公明の山口那津男代表が「わが党も自民党も再建途上だ。政党対政党で選挙協力をするという合意に至ることは難しい」と述べたことを受け、中央レベル・地方レベルの区別をつけずに「公明は今回自主投票」と報じるマスコミ報道が多い。
一方、読売新聞は10月13日付朝刊(政治面)で、公明の北海道議会議員が町村氏の応援演説に立ったことに触れ、「補選では『野党陣営』として結束を固めている」と報じた。地方レベルでは、「自公」の枠組みを保っている、ということなのだろうか。
公明党北海道本部の佐藤英道幹事長(道議)にきいてみると、「道本部としては、自主投票でもないし、自公結束でもない」と微妙な答えが返ってきた。今回の補選が「政治とカネ」の問題に伴う辞職劇が発端であることと、「『政治とカネ』に厳しく対応してきた」公明党の従来の立場を重視して、「こうした経緯を踏まえて、棄権ではなく投票してほしい」というのが公式見解なのだそうだ。
この見解は、民主新顔には投票しないよう排除しているだけのようにも読めるし、読売新聞は「町村氏を実質的に支援」と受け止め、そう報じた。佐藤幹事長は、「『町村氏を実質支援』は違和感がある」と述べる一方で、個人的に町村氏を支援する公明支持者や地方議員がいるのも事実、と説明した。
なんとも微妙な「自公関係」がうかがえ、「民主への配慮」がちらつく対応にも映る。いずれにせよ、補正予算案を巡る公明の柔軟姿勢は、近い将来の「連立入り」を占う試金石となりそうだ。
http://www.j-cast.com/2010/10/13078105.html?p=all
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