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中国の話題をする際や、中国に関するニュース等を見聞きする際、「中国は何を考えているのかよく判らない」といった言葉をよく耳にする。中国はそんなに”変な隣人”なのであろうか? 否、単に我々日本国民が、中国の支配構造・権力構造について”無知””情報不足”なだけであろう。
中国の権力構造については、ブログ「東京kittyアンテナ(@w荒」の管理人が非常に的確に把握し、判り易く解説されているので、引用しながら確認していくこととしたい。中国に限らず、国家の権力構造を把握する際、まず重要なことは「その国家を”1枚岩”のものとしてみない」ことが肝要である。必ずと言っていい程、2つ以上の勢力があり、それらが互いに足の引っ張り合いや権力闘争を延々と繰り返しているのである。
中国の場合は、「北京閥」「上海閥」という2大勢力が権力闘争を繰り返している訳であるが、この視点を抜きにして中国を”1枚岩”としてみるから、物事の本質が見えず、冒頭で述べたような混乱をきたすのである。
○中国の”国家主席”=”最高指導者”?
胡錦濤国家主席
現在の中国の国家主席は「北京閥」の胡錦濤(こきんとう)である。そして、次の国家主席に最も近いと言われているのが「上海閥」の習近平(しゅうきんぺい)国家副主席である。
習近平国家副主席
では、国家主席になりさえすれば、国家の最高指導者であろうか?否、中国においては「中国人民解放軍」は”中国政府”ではなく”中国共産党”に属しているため、”政府”ではなく”党”のトップ、即ち、「中国共産党軍事委員会」の主席(委員長)にならなければ、権力の源泉とも言える「軍を動かす」ことができないのである。
つまり、”国家主席”にして”中国共産党軍事委員会主席(委員長)”にもならなければ”最高指導者”になれないのである。一昔前の話ではあるが、国家主席でも無かったケ小平が最高権力者の地位に在った事実を考えると、いかに「中国共産党中央軍事委員会主席(委員長)」の座が重要かがわかるであろう。(当時は人民軍の力が絶大であった)
したがって、「ポスト胡錦濤の最右翼」である習近平にしてみれば、10/15に開催される「中国共産党第17期中央委員会第5回総会」(5中全会)にて”副主席”(副委員長)に成れなければ、次期トップにはなれないということである。(※胡錦濤が現主席(委員長)であるため、現時点でNo.2である”副主席”(副委員長)になることが必須)
ここで、「あれ?温家宝”首相”の位置付けは?」なんていうことをお考えの方も多いであろう。”首相”という言葉の響きで最高位の人物と思っている方も結構いるかと思うが、温家宝が務める“首相”というポストは、党内序列は第3位でしかなく、実際、人民解放軍に対して全く指揮権を有していない。
何故、長々とこのような話をしているかといえば、現在、中国にて起こっている事象のほとんど全てが、習近平を次期国家主席にせんとする「上海閥」と、それを阻止しようとする「北京閥」の軋轢(あつれき)によるものだからである。
○「北京閥」VS「上海閥」
以前のエントリーでもコメントした通り、現在、「上海閥」はアメリカ戦争屋とグルになって、様々な横暴・非道的行為を繰り返している。尖閣諸島における漁船衝突事件という“茶番劇”も、この「上海閥」がアメリカ戦争屋とグルになって引き起こしたものであろう。そして、ノーベル平和賞を受賞した劉暁波に対して、中国国内にて発狂した様に情報統制や言論弾圧が行なわれているが、これも「上海閥」によるものではないであろうか?
何故? 何のためか?
それは、「上海閥」が横暴・非道の限りを尽くして、胡錦濤国家主席率いる現政権(「北京閥」(団派))を国際的批難対象に祭り上げ、攻撃する材料として用いるためである。判り易く言えば、現政権の足を引っ張るべく、「上海閥」が”反政府”を煽るパフォーマンスを全世界に向けて発信しているのである。
歴史的にみると、中国をここまでの大国にしたのは、ケ小平から胡錦濤に連なる知識人階級の「北京閥」である。「北京閥」は、軍部の力をうまくコントロールし、中国を民主国家へとソフトな変革を促そうとしてきた集団である。一方で、江沢民の流れをくむ「上海閥」は、軍部とグルになって、利権をむさぼる共産党独裁主義を是に掲げる集団である。
実際、胡錦濤国家主席率いる現政権は、アメリカとの関係を非常にうまく駆け引きして対峙している。その一方で、「上海閥」はアメリカ戦争屋と“グル”になって横暴を極め、米国債を買わせているという噂すらある。ちなみに、「北京閥」は李克強なる人物を担ぎ上げているが、李克強は若かりし頃、小沢一郎氏の自宅にステイしていたこともあるという知日派である。このことからも、日本としては、「北京閥」の方が国益にかなうであろう。
いずれにしても、今の中国の”狂乱”は「上海閥」にて演出されていることが濃厚であるが、これも今月15日から開催される「中国共産党第17期中央委員会第5回総会」(5中全会)にて、習近平が無事に共産党軍事委員会の副主席(副委員長)に選出されれば、事態は一気に収束に向かうであろう。何故ならそのための”政治的パフォーマンス”だからである。
ここまで一方的に「上海閥」叩き的コメントを繰り返してきたが、過去に「北京閥」も同様、”やること”はしっかりやっている。本来であれば、習近平は、去年の「4中全会」で共産党軍事委員会の副主席になっていなければならない筈であった。その「4中全会」は昨年9月10日から18日に行なわれたのが、その2ヶ月前の昨年7月に「ウイグル自治区にて大規模な暴動が発生」し、警官隊と衝突、156名もの死者が出るという事件があった。
その結果、胡錦濤がG20に出席している間、その留守居役であった習近平が「ウイグル暴動」の責任を取らされ、中国共産党軍事委員会に入れなかったのである。これを仕掛けたのは、間違いなく「北京閥」であろう。習近平の足を引っ張るべくウイグル自治区の暴動劇を引き起こしたのである。
これを受けて発狂した「上海閥」が、「5中全会」が近づくにつれ、習近平を必ず”副主席”(副委員長)にするべく、尖閣諸島事件等の”政治パフォーマンス”を繰り返しているのが今の中国の姿である。余談であるが、昨年秋、天皇に接見をしにやって来たのが、この習近平である。海外から見て”日本国王”である天皇に、次期中国のトップとして挨拶参りに来たというわけであるが、これも一種のパフォーマンスであろう。
いかがであろうか。正直、小生も中国の権力構造についてはまだまだ勉強中(研究中)であるため、説得力に欠ける部分や、間違っている部分もありやも知れない。(忌憚のないご意見、ご指摘をいただければと思う次第である)
いずれにしても、「北京閥」「上海閥」という対立軸でみないと、中国のことなど本質的に理解などできないであろう。日本のマスゴミ報道にあるように、一括りに「中国」という見方をしてしまえば、いつまでも中国は”奇怪な隣人”としか映らず、事(こと)の真実が見えてこないことだけは確かである。(マスゴミはわかっていてそのように報道している“確信犯”であろう。本当に役立たずである)
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