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衆院予算委員会は12日、菅直人首相と全閣僚が出席して基本的質疑を行った。午後からは野党議員の質問が始まり、本格論戦がスタート。菅首相はさっそく、「20年間の日本の閉塞状況を打ち破るのは、私1人ではできない」と能力不足を自ら認めた。実際、不安だったのか、重要な場面では、仙谷由人官房長官が代わって答弁に立つなど、「影の宰相」ぶりを発揮する局面が目立った。
野党質問の先頭バッターを務めたのは自民党の石原伸晃幹事長。「このテレビ番組を見ている国民も多いでしょうから」と、NHKの生中継を意識した質問を浴びせ続けた。
冒頭で、菅首相が自らの政治姿勢を「大風呂敷を広げた」と開き直っていることについて、パネルを出しながら「『大風呂敷を広げる』というのは、『ホラをふく、できもしないことを言うこと』という意味だと広辞苑には書いてある。これからは大風呂敷内閣と呼ぶ」とジャブを入れた。
これに対し、菅首相は「そう簡単にはできないけど、やりたいことを言うのが私の大風呂敷だ。石原さんのとは意味が違うので残念だ」と声を荒げて反論。しかし、その直後、「この20年の日本の閉塞状況を打ち破るには、とても私1人、民主党1つの政党ではできない」と、自らの首相としての能力や民主党の政権担当能力不足を認めてしまった。
「政治とカネ」問題で、強制起訴される小沢一郎元代表の証人喚問を求められると、菅首相は「国会の決定と本人の意向」という紋切り型答弁に終始した。
石原氏が、野党時代の菅首相の著作に「コメントを求められた総理大臣は『国会のことは国会で決めてくれ』と答弁するだろうが、自分の党が疑惑を求められているのであれば、なんらかの措置を取るべきだ」などと記していることを突っ込むと、菅首相は「首相になってみると、ひとつひとつの言動が大きな影響を与える」と逃げた。
一方、尖閣問題や日中関係に質問が及ぶと、仙谷氏が代わりに答える場面が目立った。
石原氏が「弱腰外交」批判をぶつけると、菅首相を押しのけて答弁席に立った仙谷氏は「弱腰内閣と言われるが、柳腰という強い腰の入れ方もある。しなやかにしたたかに対応している」と気色ばみ、「中国に大国として、先進国の和にどういう形で入っていただくかがわれわれの課題だ」と中国に敬語を用いながら持論を展開した。
石原氏は「官邸には首相が2人いるようだと言われる」と、「仙谷時代」と揶揄される仙谷氏の権勢を皮肉った。
午前中には、与党議員による質問が行われ、2010年度補正予算案について、菅首相は「少なくとも今国会で成立させて来年1月から実行できるようにお願いしたい」と、改めて野党に協力を要請した。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20101012/dms1010121653020-n1.htm
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