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一昨日、朝日の夕刊に、とうとう、あの「真実を求める会」が登場した。先日の小沢氏「強制起訴」への道筋をつけたことになるこの理不尽な「市民団体」の正体は、今まで秘密のベールに包まれていた。当ブログが最初にこの団体の存在に疑問を投げかけたのは、今年の1月26日。ブログたちあげから、間もない頃だった。
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今日、ランチを食べながら、テレビ朝日の「ワイドスクランブル」を見ていて「ああ、そういうことだったのか!」と、頓悟したところがあった。ワイドショーのコメンテーターとして頻繁に登場し、法律関係の解説者として重宝がられている、ヤメ検弁護士の大澤孝征氏が、開口一番、小沢氏を「被告発人」として調書に署名捺印させたことで、「東京地検特捜部は、『してやったり』と思っているはずだ」と言ったのだ。
たしかに参考人として聴取するのと、被疑者として聴取するのは、天地ほど違うらしい。「二通、署名捺印した」と、小沢氏は記者会見で明らかにしたのだが、被疑者扱いとなると、その内容に今後、小沢氏は縛られ、事実と違う部分があれば、「偽証」の罪も問われるというのだ。 検事は「告発人が存在するので・・」という言い方で、小沢氏に被告発人としての聴取であることを宣言したうえ、黙秘権にかんする事項を説明したことが明らかになっている。 (中略)
では、小沢氏本人を告発したのは誰か・・そう、、聴取の前日になって、またまた突如としてあらわれた、「真実を求める会」なのだ。 例によってこの「真実を求める会」は、まったく検索に引っかかってこない。どういう経緯で生まれ、どういう人物が代表で、どういう活動をしているのか、市民団体である以上、ネット上にその情報が皆無ということが、信じられない。
そして、昨日も書いたとおり、報道各社の一社たりとも、この団体の実体について、突っ込んだ情報を報道しない。まるっきり、無視している。 事情聴取を要請→小沢氏、聴取を受け入れ→「真実を求める会」が小沢氏を刑事告発→検察、小沢氏を「被告発人」として聴取・・・。 実に巧妙に仕組まれた筋書きだ。
今まで、たとえば野党が、与党自民党の政治家を告発したとき、検察はなかなか受理せず、告発状をいつまでもたなざらしにしていたのに、このケースに限って、実体のはっきりしない「市民団体」が、聴取前日に告発したものを即刻受理するという、まことに不可解な動きを示している。 そうか、この会ってのは、検察か、はたまた、マスコミが、小沢氏を「被告発人」として聴取するためだけにわざわざデッチあげた団体ということなのか。 当ブログ 2001年1月26日付「『真実を求める会』の真実を求める」より******
東京地検特捜部が、最初に小沢氏への参考人聴取を要請し、小沢氏がそれを了承した直後に、忽然とこの世に湧いて出てきて、小沢氏を告発したこの団体の、あまりの胡散臭さに、不審の念を抱いた人は、僕ひとりではなかったはずだ。今でも、このブログにヒットする検索ワードの第一位が、この「真実を求める会」であることは、それを如実に物語っているといっていいだろう。
9ヶ月の間、一国の政治を激しく揺さぶったこの「団体」の実態を、メディアがほとんど報道してこなかったのはなぜか。さすがに、「強制起訴」という事態に立ち至って、それではマズイと思ったのか、朝日がとうとう、この団体のことを記事にした。その全文を載せてみる。
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小沢一郎・民主党元代表について「起訴すべきだ」との結論を出した検察審査会。東京地裁の脇の掲示板に4日に張り出された「議決の要旨」には、審査申立人の欄に「甲」とだけ書かれていた。小沢氏を東京地検特捜部に告発した市民団体だ。一体どんな人たちで構成され、何が狙いなのか。匿名を条件に、謎の団体の代表が口を開いた。 その団体の名は「真実を求める会」という。
「命の危険があるから、名乗ることは出来ない」 団体の代表は取材の冒頭で、こう切り出した。強大な政治力を持つ相手を告発しただけに、素性を明らかにすることで、様々な中傷や嫌がらせを受けるのが心配なのだという。議決の要旨でも、審査会の事務局に頼んで名前を伏せてもらった。代表は、取材には氏名や経歴を明かしたが、それを公表することは拒んだ。メンバーは関東近郊に住む60代を中心とする男性約10人で、行政書士、元新聞記者、元教師、元公務員などがいるという。
政権交代前から民主党に批判的な目を向ける点で一致していた。「せっかちだ」「すぐに議員連盟を作って騒ぎ立てる」など、メンバーによって「ここが嫌い」の中身は様々だが、何か具体的な行動を起こそうと決めた。 政治的には「保守層」と自認する。自民党寄りではないか、との見方もあるが「政党とは関係ない」という。会の名前は、「右翼や政治団体だと思われないように、庶民っぽい名前」に決めた。 本格的な話し合いが始まったのは今年に入ってから。様々な民主党議員の疑惑を検討する中で、東京地検特捜部が小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件の強制捜査に着手。
1月15〜16日に、小沢氏の元秘書ら3人を相次いで逮捕した。別の市民団体の告発が受理された結果だったが、この告発対象に小沢氏は含まれていなかった。「秘書に責任を押しつけて、小沢氏だけが逃げるとしたら、許せない」 法律の専門家の助言を得て、急いで小沢氏を「被告発人」に含めた告発状をつくって、同21日に特捜部に提出した。告発状の末尾には、あえて「何らの政治的意図やイデオロギーを背景として行っているものではない。売名行為で行っているのでもない」と結んだ。
捜査当局への告発は、だれでもできる。まもなく告発状は受理され、特捜部による小沢氏自身の事情聴取も行われた。しかし2月4日、特捜部は元秘書ら3人だけを起訴し、小沢氏を不起訴(嫌疑不十分)にした。 納得がいかず、東京の検察審査会に審査を申し立てた。
土地取引事件では複数の市民団体が東京地検に告発したとみられるが、審査会への申し立て資格が認められたのは、小沢氏本人を告発して不起訴となった「真実を求める会」だけだった。
審査会の手で起訴に持ち込み、「小沢氏が無罪になったとしても、公判で資金の流れを明らかにして欲しい」との考えだった。十分な捜査をせずに不起訴にした特捜部への不満もあったという。 審査会を「政争の具」に使ったのではないか。その問いに対して代表は、「それは心外。小沢氏ありきでも、検察審査会の制度改正を利用したわけでもない」と反論した。「申し立てはあくまでも問題提起で、審査員も結局、公の場での説明が必要だと思ったから、このような議決になったのだから」と胸を張る。
4日の「起訴議決」の知らせを審査会事務局から電話で受けたときには、「とんでもないことを成し遂げてしまった」と驚いたという。今後は、小沢氏の裁判の行方を見守ると共に「今回の手応えをもとにおかしいところはどんな政党であれ、追及したい」と語る。(藤森かもめ) ******
これを一読した僕は、煮えくりかえるはらわたを鎮めるのに、しばしの時間を要さなければならなかった。「命の危険があるから、名乗ることは出来ない」 とは、どういうことか。今まで、小沢氏に正面から敵対する者は、数多く存在した。そのひとりでも、「不可解な死」を遂げた者が、いるだろうか。「命の危険」という言い方に、ものすごいエキセントリックな要素を感じるのは、僕だけではあるまい。いやしくも、ひとりの人間を告発するからには、それなりの存在を示すことが、責任ある社会人というものだろう。
たとえば「森田健作氏を告発する会」のサイトを見ればいい。代表者名、所在地、電話番号、すべて明確に記されている。これこそが、責任ある市民の行動というものである。こういうふうに素性を明かして、もし被告発者側が「命の危険」を脅かすような挙に出れば、それは、ブーメランのように被告発者側に不利な事実として跳ね返ってくる。
そんな、アホな真似をする被告発者がいようとは、とても思えない。また、この「関東近郊に住む60代を中心とする男性約10人」はどういうきっかけで集まったのか。見たところ、(元)職業はバラバラである。「市民団体」と言いながら、その具体的な「活動」は、把握する限りに於いては、この「小沢氏に対する刑事告発」と「検察審査会への申し立て」のふたつしかない。
これが、果たして「市民団体」と呼べるのか。市民社会に広くアピールし、啓発していくのが「市民団体」ではないかと思うのだが、この「真実を求める会」は、いきなり、告発、申し立てを行い、その後の活動は、一切、していない。
話がすこし飛躍するが、僕は「新撰組」という、幕末期に猖獗をきわめた白色テロ集団が大嫌いである。どうして、あんなゴロツキの集団を、時代劇のヒーローとして扱うのか、どうしても理解できないのだ。憂国の情に燃える有為の志士の多くを、膾のように軌りまくって、維新を遅らせたことに対してだけでなく、どうしても嫌悪の情を抑えきれないのは、その陰惨な「内ゲバ」体質である。
新撰組近藤一派は、のちに「高台寺党」と呼ばれた伊東一派(御陵衛士)の排除・粛清を企て、頭目である伊東甲子太郎に対し、実に卑劣な奸計を用い、「屠殺」とも言うべき、陰惨なやり方で、その息の根を止めた。慶応三年十一月十八日(坂本龍馬暗殺から3日後)、近藤勇からの酒宴の招きを受け、彼の妾宅でしたたかに飲んだ伊藤甲子太郎は、よろめく足で帰宅途中、油小路付近で待ち伏せていた、新撰組隊士の槍を真横から受け、首を貫かれた。伊東は果敢に相手のひとりに一太刀を浴びせ、「奸賊ばら」と叫んで絶命した。
北辰一刀流の使い手である伊東の技倆を恐れるあまり、酒宴に招くという偽計でおびき寄せ、したたかに酔わせ、帰り道で待ち伏せ、闇から槍で突く・・。芹沢鴨暗殺でも見られた、武士道とは程遠い卑怯千万な所業は、近藤・土方らの出自のあらわれだろうか。
ともあれ、「闇からの一撃」ほど卑劣なものはない。「真実を求める会」の勝手な言い草に、怒りを抑えきれないのは、彼らのやりかたが、こういう「闇からの一撃」に他ならないからである。小沢氏に言いたいことがあるのなら、堂々と名乗り、声明を出し、街頭でビラでも配り、webサイトでも立ち上げるのが健全な「市民活動」というものだろう。
然るに、小沢氏が参考人聴取を受諾したと見るや、絶妙のタイミングで忽然とあらわれ、まったくの匿名で小沢氏を告発する。検察が不起訴と見るや、すかさず検察審査会に告発する。この団体は、実に「闇の集団」と呼ぶにふさわしい。何がなんでも小沢氏を裁判にかけてやろうというこの暗い情熱が、どういう勢力の利害を体現しているのか。明日は、そのへんを衝いていきたいと思う。
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