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ひとつの政治的イデオロギーなり、宗教的教説に固執する集団や個人が、いわゆる「思考停止」状態に陥ってしまう例は、枚挙にいとまがない。原理主義は、思想や教説の純化を極限にまで進め、集団を構成する個々人の思考から柔軟さを奪い、硬直させ、またそれを他者への攻撃に転化させる。
思想政党や宗教教団が、そのような傾向を示しがちなのに対しては、是非はともかく、「当たり前」のことであるから、格別な不自然さは感じない。ところが、「公正・中立」を標榜しているはずの「大新聞」が、そんな原理主義的硬直性を、臆面もなく曝け出しているわが国の現状は、憂うべき事態と言わざるを得ない。
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菅直人首相と民主党は小沢一郎元代表に対し、政治的なけじめを強く求めなければならない。証人喚問に応じるなど国会での説明を促し、離党勧告か除名をする。最低限、それが必要だ。小沢氏はきのう「政治活動は淡々と続ける」と述べ、離党も議員辞職もしないことを明言した。真相解明は「司法の場に移っている」とし、国会での説明にも前向きと言えなかった。 検察審査会の議決で強制起訴は決まったが、公判の行方は予断を許さない。しかしながら小沢氏には、自らの政治資金をめぐる問題で元秘書ら3人が逮捕・起訴された時点で、すでに極めて重い政治的な責任が生じている。鳩山由紀夫前首相とともにダブル辞任に追い込まれたのに、わずか3カ月後に党代表選に立ち、多くの国民を驚かせもした。一連の政治行動に、選良としての節度を見ることはできない。有権者の期待を裏切らず、歴史的な政権交代の意義をこれ以上傷つけないためにも、強制起訴決定の機会に議員辞職を決断すべきだった。 今後、法廷で闘うということだが、そのかたわら国会議員の重責を果たせるとは到底考えられない。(後略)2010年10月8日(金)付 朝日新聞社説
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この国には、起訴された時点で、その人物が社会的に抹殺されてしまうという、実に理不尽な慣行が存在する。「起訴=有罪」という誤った認識の底にあるのは、99%という異常な「有罪率」と、それに立脚した、マスコミの「検察無謬論」的な報道姿勢だ。
しかし、大阪地検特捜部の主任検事が、証拠を自らの有利になるように改竄したことが明らかになり、その「無謬論」が大きく崩壊してしまった後でも、いまだにこうした「起訴=有罪」論を振りかざし、「起訴された時点で政治家はけじめとして離党・辞職しなければならない」という、十年一日のごとき主張を念仏のように繰り返す朝日の言動は、教条主義的ドグマに取り憑かれたカルト集団と、寸分も違うところはない。
有罪と決まったわけでもない政治家の身分を、軽々にああしろ、こうしろという、一種の傲慢な僭越さは、その政治家に負託した有権者の思いを踏みにじるものであり、民主主義を否定する、実に許されざるべきものでもある。自らがデッチあげた怪しき「世論」「民意」を絶対とし、唯一、正当な民意の表出である選挙結果を体現した国会議員を軽んじる朝日新聞は、国民、民衆の敵である。
それと、小沢氏は、まだ、現時点で起訴されているわけではない。まだ、検察審査会が二度の「起訴相当」の議決をしたという段階である。これから、検事役の弁護士が裁判所から選任されて、「強制起訴」ということになる「流れ」であるというに過ぎない。しかし、検察審査会議決文には、その稚拙な内容もさることながら、周知のごとく、重大な欠陥が存することが指摘されている。
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民主党の小沢一郎元幹事長の資金管理団体の土地購入をめぐる事件で、小沢元幹事長の弁護団が、検察審査会の起訴議決について、無効確認などを求める訴訟を起こすことを検討していることがわかった。小沢元幹事長の弁護士によると、東京第5検察審査会の起訴議決について対応を協議してきたが、対応策の1つとして、議決の無効確認などを求める訴訟を東京地方裁判所に起こす方向で検討しているという。弁護団は、議決の犯罪事実に、告発には含まれていなかった「資金管理団体が小沢元幹事長から借りた4億円の不記載」との内容が加えられていることについて、「重大な欠陥がある」としていて、来週行われる弁護団会議で法的な対応を最終決定するとしている。 (10/08 13:23 FNN) ******
一度目の議決文になかった「事実」とされるものが、二度目の議決文に付け加えられている。ということは、一度目の議決と二度目の議決は異質のものであるということだ。さらに言えば、「二度目の議決」は「二度目」にあらず、「一度目」でしかない、したがって、「強制起訴とはならない」という可能性も浮上してくる。
こういう要素がありながら、まったくそれを報道せず、(検索したところ、記者クラブメディアでは、FNNと共同しかこの件に触れていない)「起訴だ」「離党だ」「除名だ」とアジるその軽率さはいかばかりか。もし、「起訴」とならなかったら、どういう責任をとるつもりだろうか。
古ぼけた、独善的、教条主義的な論説しかできぬ朝日は、無用の長物、いや、国民にとって有害な存在と成り果てている。少しでも、森林資源を守るためにも、このわがニッポン国の地上から、跡形も無く消えてなくなることを、切に望む。
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