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菅直人首相の続投が決まった民主党の代表選は党に大きな亀裂を生んだ。敗れた小沢一郎元幹事長も国会議員票200票を獲得し、大きな存在感を示したが、強制起訴されることになり、今後の影響力保持は不透明となっている。首相を推した土肥隆一、小沢氏を支持した川内博史両衆院議員に、挙党態勢のあり方を聞いた。
≪川内博史氏≫
■小沢氏には存在感と発信力
−−9月の代表選で菅直人首相ではなく小沢一郎元幹事長を支持した理由は
「小沢氏は『国民の生活が第一』の政治を実現すると主張し、実行力・決断力・指導力や実績がある」
−−挙党一致とは
「目標を明確にし、みんなが一丸になれる態勢をつくることだ。政権交代前夜のころの党内の雰囲気は挙党一致だった。みんなが『税金の無駄遣いや天下りをなくす』『予算を組み替え政策を実現する』と確信を持って語っていた」
◆来年度予算案「熟議」を
−−小沢陣営に不満はないか
「不満がないと言うとウソになる。代表選で負けたこと自体が不満なのだから。だが、われわれも菅内閣で政策を実現させることで不満は解消される。逆に、政局は政策によってつくられるかもしれない。例えば、来年度予算案が国民生活が第一のビジョンに沿う内容になるか。『熟議』が大切だ」
−−菅体制の目標は明確か
「政治とカネ、米軍普天間飛行場の移設問題、菅氏の消費税増税発言などで民主党政権に対する信頼が揺らぎ、7月の参院選で敗れた。その後、代表選までの間は党内にミゾが生まれたが、代表選を激しく戦ったことで、私たちが目指すべきものが再び明確になってきた。菅氏は『ひも付き補助金の一括交付金化に着手する』と語り始め、平成22年度補正予算案も5兆円規模に積み増した。小沢氏やわれわれの主張を取り込んだ」
◆処分すべきではない
−−小沢氏は党代表代行への就任要請を断ったが
「小沢氏は誰もが認める実力者だ。ポストは関係ない。小沢氏が自ら公に発言せずとも、『小沢氏がこう言った』と話題になる。こんな扱いをされている政治家は日本で1人だけだ。それぐらい存在感と発信力がある」
−−小沢氏は検察審査会から起訴すべきだとの議決を受けたが
「郵便不正事件の無罪確定や大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)事件が明らかになった後なら違った議決になったのではないか。国民目線の議決は重いが、捜査のプロの特捜部が重ねて不起訴の判断をしたことは重要だ。通常の起訴より強い推定無罪の原則が適用されるべきだ。党執行部は小沢氏を処分すべきではない」
−−小沢氏に期待することは
「政策実現に力を尽くしていただきたい。小沢氏の一言はみんなが傾聴する。沖縄・尖閣諸島周辺の中国漁船衝突事件について、小沢氏は先週、『政治が判断すべきだったよな』と私に語った。その通りだと思った。菅内閣は小沢氏の発信力を活用すべきだ」(斉藤太郎)
◇
≪土肥隆一氏≫
■今こそ党綱領つくるべきだ
◆内部から溶ける危機
−−ずばり挙党態勢とは何か
「民主党にとっての挙党態勢は、鳩山由紀夫前首相と菅直人首相、小沢一郎元幹事長の3人によるトロイカ体制のことだった。だが代表選後、トロイカ方式は消滅し、過去のものとなった。鳩山グループや菅グループといった党内グループも意味をなさなくなった。民主党は今、挙党意識がなく、内部から溶け始めている。ある意味で危機だ。例えるなら溶解し、そのま固着した金属のような状態で、これを成形していかないといけない」
−−そのために何が必要か
「実は民主党には根本理念がない。党綱領がないのだから。どんなに議論が白熱しても『この党にいる限り、これだけは順守する』という気風があっていいのだが、それがまったくない。小沢さんの合法的なクーデターともいえる今回の代表選の実態は、理念も理想もかなぐり捨てた多数派工作だった。こんなに激しい選挙になるのは、ベースになる理念がないからだ。今こそ党綱領をつくるべきだ」
−−綱領と合わずに、党を離れる人も出てくるのでは
「そこはしようがない。中国との関係の中で尖閣諸島をめぐる問題も出てきた。これも思想が問われる。これだけの混乱状況で、民主党の議員として何をするのか、一人一人問われるときが間もなく来る。挙党態勢構築のもう一つの鍵は政策調査会の活性化だ。対立していても議論を戦わすことで政策的なまとまりが生まれる」
◆鳩山さんに一番失望
−−新内閣人事は「脱小沢」ともいわれた
「今度の閣僚構成はまあまあの顔ぶれだ。小沢降ろし、小沢排除といわれるが、実は小沢さんのグループには当選5、6、7期のベテランがいない。もともと閣僚級の人材が不足している」
−−いまなお菅首相にあれこれ注文をつける鳩山由紀夫前首相が挙党態勢を乱していないか
「今度の選挙で一番失望したのは鳩山さんだ。首相を辞めた人はやはり民主党をまとめる役割を担わないとだめだ。民主党の未来のために中立を保ち懸け橋になるべきだったのに、こっちで菅、あっちで小沢と言い、最後は小沢さんについた。実はこれでトロイカも完全につぶれたわけだ」
−−強制起訴が決まった小沢氏に離党勧告を、との声がある
「政治家の出処進退は政治家が決めるのが大原則。離党勧告は、ときの執行部が政党に与えた損害などに基づいて判断するものだ。ただ、巨額な資金を必要とする小沢さん的な政治手法は、民主党の文化風土にとって必要なのか。それを今、考えなければならない」(原川貴郎)
◇
【プロフィル】川内博史
かわうち・ひろし 昭和36年、鹿児島県生まれ。衆院鹿児島1区選出。大和銀行などを経て、平成8年の衆院選で初当選、連続当選5回。党内では鳩山グループに所属。超党派の「沖縄等米軍基地問題議員懇談会」や「取調べの全面可視化を実現する議員連盟」の会長を務める。早大卒。
◇
【プロフィル】土肥隆一
どい・りゅういち 昭和14年生まれ。福岡県出身。衆院兵庫3区選出。当選7回。衆院外務委員長などを歴任し、衆院政治倫理審査会長。菅直人首相が主宰する「国のかたち研究会」所属。東京神学大大学院修了。日本キリスト教団牧師。座右の銘は「われ地の塩とならん」。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101008/stt1010081156004-n1.htm
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