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2010.10.07
11人の操り人形たち
4月の末に、1回目の検察審査会が小沢一郎を「起訴相当」にした時に、あたしは、4月27日の日記、「検察審査会を仕分けしろ!」の冒頭で、こんな予想を書いた。
『あたしの予想としては、「起訴相当」→「検察は新たな証拠を見つけられずにまた不起訴」→「2回目の検察審査会でも起訴相当」→「強制的に起訴」→「事件性を立証できるだけの証拠もないのに無意味な裁判が始まる」→「長い時間と莫大な税金が無駄に使われた挙句に結局は立証できずに無罪」っていう流れになると思う。』
まあ、こういう流れになることは誰もが簡単に想像したと思うけど、今回、あたしの予想通りに「2回目の検察審査会でも起訴相当」になり、小沢一郎は「強制的に起訴」されることになった。そして、この先も、この予想通りに、「事件性を立証できるだけの証拠もないのに無意味な裁判が始まる」ってことになる。小沢一郎を犯罪者にしたくて仕方なかった東京地検特捜部が、1年以上に渡って徹底的に捜査してきて、それでも何の証拠も見つからず、結局、起訴を断念した案件で、100%無罪になることが分かってる無意味な裁判が行なわれる。
それも、これから1年以上に渡って、何度も何度も意味のない形式的な公判が繰り返されて、莫大な税金がドブに捨てられるのだ。ハッキリ言って、あたしは、この無駄な裁判に掛かる費用は、小沢一郎を「起訴相当」にした11人の検察審査員に自腹で支払ってもらいたいと思ってる。百歩ゆずって、たとえばこれから新たな証拠が見つかり、裁判で小沢一郎を有罪にできるのなら、裁判費用を税金でまかなっても「公共の利益」になるんだから構わないと思う。だけど、東京地検特捜部が二度に渡って「嫌疑不十分」、つまり、「疑わしいけれど容疑を立件することは極めて難しい」ってことで起訴を断念した案件なんだから、このまま裁判が始まっても、確実に「無罪」になることが分かってる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、今回、小沢一郎を「起訴相当」にした検察審査員11人の内訳は、男性5人、女性6人で、平均年齢は30.9歳だったけど、これは、あまりにも偏った人選だと思う。高齢化社会を迎えてるニポンでは、国民の平均年齢は毎年のように上昇してるけど、去年の国民の平均年齢は45歳だ。だけど、これは、生まれたばかりの赤ちゃんからお年寄りまで、すべての国民の平均年齢なので、検察審査員の資格のある「選挙権を持った国民」、つまり、「成人」だけの平均年齢になると、50代の前半になる。だから、ホントに何の意図もなく、無作為に検察審査員を選び出したのなら、11人の平均年齢は45歳から55歳の間くらいになるハズだってことだ。
今のニポンは、65歳以上の高齢者の割合が22%だ。だから、国民から無作為に11人を選び出したら、少なくとも2人以上は高齢者になる。だけど、これも、生まれたばかりの赤ちゃんからお年寄りまで、すべての国民を対象とした場合の割合だから、20歳以上の成人だけを対象とすれば、高齢者の割合はもっと大きくなり、11人のうち3人から4人は高齢者が含まれることになる。
で、高齢者には70歳の人も80歳の人もいるけど、高齢者の中でもっとも若い「65歳」の人が、割合として最低の「3人」だけ含まれてたとして、11人の年齢を計算してみると、すごく面白いことが分かるのだ。11人の平均年齢が30.9歳ってことは、全員の年齢の合計は「30.9歳×11人=340歳」ってことになり、ここから「65歳×3人=195歳」を引くと、残りの8人の年齢の合計は145歳ってことになり、割り算すると「18歳」になっちゃうのだ。ようするに、極めて平均的に高齢者が含まれてた場合には、平均年齢は30.9歳って形は成り立たないのだ。
試しに、65歳の人を2人にして計算してみると、残りの8人は「23歳」になるので、これならギリギリで「成人」てことになる。だけど、無作為に選んだのに、11人のうち9人が20代前半なんてことはアリエナイザーだろう。
ま、それでも、「無作為に選んだら、今回だけ偶然に若い人ばかりが選ばれてしまった」っていうことだって考えられる。だけど、そうした理屈が通用するのは、あくまでも「今回だけ」っていう前置きがあっての話だ。小沢一郎の案件を審議した検察審査会は、4月の1回目の時も、11人の内訳が、男性4人、女性7人で、平均年齢は34.8歳と、日本人の成人の平均年齢の50代前半よりも20歳近くも低かったのだ。
無作為に選んでるハズなのに、2回も続けて、成人の平均年齢よりも20歳も若いだなんて、とてもじゃないけど偶然とは思えない。ちなみに、現在のニポンの成人の中から無作為に11人を選び出し、その平均年齢が35歳未満になる確率は、わずか「1.6%」で、31歳未満になる確率は、わずか「0.06%」、そして、これが2回続けて起こる確率は、ナナナナナント! 「0.001%」なのだ! つまり、10万回に1回しか起こらない年末ジャンボの1等賞みたいなことが、小沢一郎の案件の時に起こってるのだ。
そして、この2回とも、11人全員が「起訴相当」の議決をしてるってのも異常すぎる。たとえば、完全なる証拠や証言があって、起訴すれば裁判で絶対に有罪にできるような案件だとすれば分かるけど、東京地検特捜部でさえも起訴を断念したような案件で、何の証拠もなく、あやふやな秘書の証言だけから推測しただけで、どうして11人全員が「起訴相当」だなんて言えるんだろう? 11人のうち、8人か9人が「起訴すべき」って判断して、最終的に多数決で「起訴相当」になったっていうのなら分かるけど、11人全員が口をそろえて「起訴相当」だなんて、あまりにも不自然だ。
‥‥そんなワケで、おんなじ小沢一郎の案件でも、7月に「不起訴不当」の議決を出した第1東京検察審査会の内訳は、男性4人、女性7人で、平均年齢は49.8歳だった。こっちは、平均年齢も不自然じゃないし、議決も不自然じゃない。だけど、2回続けて平均年齢が30代前半ていう「0.001%」しか起こりえない不自然な審査員による審査会では、11人全員が「起訴相当」の議決をするっていう不自然な結果になってる。
それも、小沢一郎を強制的に起訴できる2回目の議決は、民主党の代表選の当日、9月14日に結果が出てたのだ。うがった見方をすれば、代表選で小沢一郎が負けたからこそ、こんな時期になってから検察審査会の議決を発表したけど、もしも小沢一郎が代表に選ばれてたら、その場で「起訴相当」の議決を発表して、意地でも小沢一郎の総理大臣就任を阻止しようって魂胆だったんじゃないのか?‥‥なんてふうにも思えてくる。
ま、何の証拠もないことを言ってもジンジャエールなので、ちゃんと分かってることを書くけど、今回の検察審査会の議決では、トンデモないインチキが行なわれた。それは、告発の内容とは違ったことまでもが盛り込まれてたのだ。今回の告発は、「小沢氏側が2004年に購入した土地の購入費をその年の報告書に記載せず、翌年の報告書に記載した」っていう、自民党議員なら報告書の修正だけで済まされてきた微罪だ。だから、11人の審査員は、この問題に関してのみ審議をして、この問題に関してのみ議決をすることになってる。
それなのに、検察審査会の作成した議決書には、「土地の購入費には小沢氏が用意した4億円が充てられた」として、小沢一郎が何かの不正をして土地の購入費を捻出したと推測されるような記載があるのだ。確かに、土地の購入費の4億円については、その出どころが問題視されてきたけど、それは、テレビや新聞などの無責任なマスコミだけの話で、今回の告発内容とは別の話だ。4億円の出どころについても合わせて告発されてたのなら、それも含めて審議すべきだけど、告発された容疑は、あくまでも「報告書への記載の日時がズレている」っていう点だけなんだから、その点のみを審議するのが筋だろう。
‥‥そんなワケで、検察審査会ってのは、いくら何でも法律のドシロートが11人だけで判断することなんてできないから、審査員たちに法律的な助言をするために、弁護士が「審査補助員」としてアレコレと指示をすることになってる。そして、今回、「審査補助員」を務めた吉田繁実弁護士は、この毎日新聞の記事に書いてあるように、今回の議決に関して、こんなふうに発言してる。
「特捜部が手がけた事件で、政治家案件。プレッシャーがあった」
「『起訴すべきだ』という方針は、割と早い段階で決まった」
自民党の議員たちの過去の例を見ると、政治資金で購入したモノについて、政治資金報告書に記載してなかったとしても、ほとんどの場合は、発覚してから政治資金報告書に書き加える「修正報告」で済んでる。こうした前例から考えれば、政治資金報告書に記載してなかったんじゃなくて、記載の日時が半年ほどズレてただけなんだから、こんなに大騒ぎする話じゃない。その上、この「記載日のズレ」ってのも、何かを隠蔽しようとしてやってることじゃなくて、もともとは農地だった土地を購入して、それを宅地に変えてから登録したために、半年ほど時間が経過しちゃっただけなのだ。
つまり、土地を購入した費用の出どころについて疑惑を持たれることはあっても、政治資金報告書の記載については、何ひとつ問題はないのだ。そして、今回の告発が、この政治資金報告書の記載日のズレに関するものなのだから、その点だけを審議すれば、東京地検特捜部の出した結論と同様に、「起訴はできない」って議決になるのが当たり前の案件なのだ。
だけど、議決書にハッキリと書かれてるように、告発には含まれてない「4億円の出どころ」に関してまでを審議対象にして、仮に「怪しい」「怪しい」「怪しい」「怪しい」と煽り立てたとすれば、法律のことなど何も知らない20代の若者たちなど、簡単に洗脳されてしまうだろう。そして、11人全員が、専門家の誘導するままに「起訴相当」の議決をしてしまうだろう‥‥ってことで、今回の検察審査会では、あまりにも悪質な誘導が行なわれた疑惑がある。10月6日付の読売新聞の記事に、次の記述があるのだ。
「審査員に法律的な助言をする審査補助員を務めた吉田繁実弁護士は、暴力団内部の共謀の成否が争点となった判例や、犯罪の実行行為者でなくても謀議に参加すれば共犯として有罪になるなどと認定した1958年の最高裁大法廷判決を審査員に示し、「暴力団や政治家という違いは考えずに、上下関係で判断して下さい」と説明した。」
つまり、法律のドシロートである11人の審査員に対して、法律の専門家である「審査補助員」の吉田繁実弁護士は、「暴力団の組長が子分に命令して犯罪を行なわせたら組長も同罪」だという例をいくつも挙げて、「暴力団や政治家という違いは考えずに」とアドバイスして、今回の案件を判断させてたと言うのだ、ようするに、小沢一郎を「暴力団の組長」、秘書を「暴力団の組員」に見立てさせて、その上で判断させてたのだ。法律の専門家からこんなアドバイスをされたら、何も分からない若い女性など、誰だって小沢一郎のことを犯罪者だと思い込むだろう。その上、告発に含まれてない4億円の出どころにまで言及してたんだから、なおさらだろう。
「審査補助員」によるこうした悪質な誘導が行なわれたとしても、もしも11人の審査員の中に、50代や60代のモノゴトの分別のつく大人が何人か混じってたとしたら、11人全員が洗脳されて「起訴相当」にすることなんてなかっただろう。逆に、11人の中でリーダーシップを取るような審査員が現われて、「審査補助員」の誘導に乗せられないように忠告したかもしれない。だけど、今回の小沢一郎の案件は、1回目の審査員も、2回目の審査員も、摩訶不思議なことに、10万分の1の確率でしか起こりえない「異常に若い人たち」だけが選ばれてるのだ。そして、まるで台本でもできてたかのように、11人全員が口をそろえて「起訴相当」としてるのだ。普通に考えたら、こんなこと、競馬で1Rから12Rまでぜんぶ3連単を的中させるよりもアリエナイザーな話だ。
‥‥そんなワケで、結論を言えば、11人のアホのせいで国民の税金が無駄遣いされるだけで、裁判では小沢一郎の「無罪」が確定するんだから、小沢一郎にとってはアリガタイザーな側面もある。一度、裁判で「無罪」になれば、あとからどんな証拠が見つかっても、その事件では二度と起訴される心配はないからだ。ただし、確実に「無罪」になる案件で、今、小沢一郎を犯罪者扱いしてる人たちは、裁判の判決が出た時点で、いったいどんなふうに責任を取るつもりなのか?‥‥って問題は残る。自民党を始めとした野党の議員はともかくとして、民主党の内部からも「推定無罪」の原則を無視して、今回の「起訴相当」をもって小沢一郎を排除しようとする人たちがいる。そういう人たちは、裁判で小沢一郎の「無罪」が確定した時、いったいどうするつもりなんだろう?切腹でもするのかな?‥‥って思う今日この頃なのだ。
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