「疑わしきは罰せず」が我が国裁判所の基本方針と思っていたが、その裁判所が面倒を見ている「検察審査会」の方針は「疑わしきは起訴すべし」だったのだ。まあ第３条によれば『独立してその職権を行う』のだから、別に構わないのだろうが。

　確かに起訴＝有罪と決まったわけではないから、「法廷で黒白を付けてもらいなよ」と軽い気持ちで起訴相当を連発する言い分も分からないではない。まして舌なめずりしている野党やマスコミに配慮して、なんてことは考えてはいけないのだろう。それにしては議決から発表まで、えらく時間がかかったが。

　検察審査会が「疑わしきは起訴すべし」の方針をはっきりと打ち出したのだから、今後検察が捜査した事件は起訴・不起訴を問わず、すべて「裁判所送り」になる可能性がある。検察が「物にならんわ」と諦めた事件でも、審査会が１パーセントでも有罪の可能性があると判断したものは「起訴相当」が２度出されることがありうる、ということだから。

　すると検察はうかつに捜査もできなくなる。たとえ捜査しても「超極秘裏」になるはずだ。マスコミには絶対に漏れてこないだろう。へたにリークして「結局ダメでした」とは言えないのだ。ことが政治家の場合「すべての国民が告訴の権利を持つ」のが恐ろしい。あるいは逆にどんな微罪でも起訴するようになるかもしれない。少なくとも起訴すれば、検察審査会にはかからないから。

　ここからは想像だが、あるいは審査会が「不起訴相当」しか議決しなくなるように、なにか手を打つかもしれない。役人は「出たとこ勝負」を最も嫌うから、素人判断を野放しにはしておかないだろう。第５検察審査会の起訴議決にしても、法廷で徹底的に恥をかかせる作戦に出るかもしれない。起訴したのは検察審査会なのであって検察は「やめる」とはっきり宣言したのだから、「無理を通せばこうなるぜ」と見せしめにする、かもしれない。供述調書などは片っ端から引っ繰り返るだろう、「検察」が法廷にいないのだから。仮に小沢氏の裁判中に大久保被告と石川被告に「無罪判決」が出てしまったら、どうなるのだろう？

添付＜検察審査会法＞
第３条　検察審査会は、独立してその職権を行う。

第16条　地方裁判所長又は地方裁判所支部に勤務する裁判官は、前条第１項の検察審査会議の開会前、検察審査員及び補充員に対し、検察審査員及び補充員の権限、義務その他必要な事項を説明し、宣誓をさせなければならない。

第20条　各検察審査会に最高裁判所が定める員数の検察審査会事務官を置く。
２　検察審査会事務官は、裁判所事務官の中から、最高裁判所が、これを命じ、検察審査会事務官の勤務する検事審査会は、最高裁判所の定めるところにより各地方裁判所がこれを定める。
　

コメント
01. 2010年10月06日 14:45:21: kTOYnLzWYg 別に無罪でもいいのさ。検察は恥をかかない。小沢一郎にはなんだかんだダメージを与えられるわけで。 ところでJR西日本経営陣に対する検察審査会の対応について批判はあまり聞かれないが、小沢一郎だと発狂したような非難が多いのはなぜ？
02. 2010年10月06日 15:03:51: 7njVfD17cs そりゃ 小沢一郎氏が真っ白だからさ。 　 ☆　小沢さんに伝えて！　『検察とマスコミのウソをあばく魔法の言葉。たった一言です』 http://www.asyura2.com/10/senkyo93/msg/797.html ☆　『検察の息の根を絶つ！』『陸山会はたった１２万円の表献金までも、水谷建設に突き返していた！』総集編 http://www.asyura2.com/10/senkyo89/msg/547.html ☆　『検察の息の根を絶つ！ 第二弾』『君達の認識次第で小沢さんを救える！』　完全保存版 http://www.asyura2.com/10/senkyo93/msg/610.html
03. 2010年10月06日 15:05:27: intS7oKpEk >01 それはＪＲは、事故犠牲者の肉親が告発しているからであるが、小沢の場合は権力が小沢失脚を目的にして起訴（黒白はどうでもよい）だけを目的しにしている疑いがあるから問題があるんじゃないのか。おかしいと騒がないことのほうがおかしい。
04. 2010年10月06日 15:07:35: rDGfSKt9AI 「疑わしきは罰せず」と、「疑わしきは起訴すべし」というのは別に矛盾しないと思う。 私は、「嫌疑が十分にあれば、訴えて白黒つけるべき」と思います。 ただ、今回の事件で何が問題かというと �@【全く別件の疑いを持ってきて、それをもとに、訴えようとしていること。】 　（つまり、正当な法の手続きに則っていない可能性が高い事。） �A【「国策捜査」等が行われた可能性が高い事件の延長上の話であること】 　小沢の政治上の立ち位置を考えれば、十分にあり得る話で、 　通常は起こり得ない、検察のリークや、決議の時期、審議会の抽選で無作為に 　選ばれたとする人の年齢が偏っていること、なぜかその年齢等が漏れていること等、 　かなり【異例】なことが立て続けに起こっています。 　大体、一人の政治家だけを、１年以上追い続け、その挙句、起訴内容が 　「政治資金の記載に、２か月の期限ずれを秘書がおこしたのを小沢が認知していたかどうか？」 　という、総理になろうかという大物政治家の政治生命を奪うには、 　あまりに稚拙な内容です。 通常の事件とは、かなり性質が異なる事を承知で、 疑わしくないのに、「疑わしい」として起訴しようとするのが酷い。 そして、一番酷いのは、一切公正な報道をしない 「マスコミ」にあります。 未だに【小沢は誰かから汚い金「裏金」を貰ったかどうかで争ってるんだ】 と勘違いしている人、結構いますよ。 ない所から、それを作り出した「マスコミ」は、ちゃんと回収する作業をしてほしいものです。
05. taked4700 2010年10月06日 15:18:26: 9XFNe/BiX575U : lGNDKvYXUp そもそも、検察審査会への申し立ては、事件の直接の当事者や告発人しかできない。 検察審査会法第2条２ 検察審査会は、告訴若しくは告発をした者、請求を待つて受理すべき事件についての請求をした者又は犯罪により害を被つた者（犯罪により害を被つた者が死亡した場合においては、その配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹）の申立てがあるときは、前項第１号の審査を行わなければならない。 ところが、今回の審査では、 ＞本来であれば告訴・告発人でなければ審査の申し立てはできないのですが、小沢一郎は国会議員という立場であり、なおかつ被疑事実も「政治資金規正法違反」という公金に関わる問題であるため、全国民が被害者という立場で申し立てを行うことができることを確認しました。（ただし、検察審査会側の判断によっては申し立てを却下する場合もあるとのことでした。） （＊http://kabu9uma9.cocolog-nifty.com/bloghimk_kabuk/2010/02/post-3748.htmlよりコピー） というように、「公金に関わる問題であるため、全国民が被害者という立場で申し立てを行うことができる」としてしまったのだ。これ自体が、もともとの検察審査会法の趣旨を大きくゆがめることであるはず。 しかも、桜井誠という人物は経歴もはっきりせず、どうやって生活費を稼いでいるかも不明な人物だ。 もともと、検察審査会へ申し立てがされたとき、だれが申し立てをしたのか、全く報道がされなかった。こういう事情だったから、報道できなかったのだ。そして、現在でも、以上のようなことはマスコミに載っていない。
06. 2010年10月06日 15:27:43: p75dV2wG02 >「疑わしきは罰せず」と、「疑わしきは起訴すべし」というのは別に矛盾しないと思う。 矛楯はしてないけど論理的に不当だよ。 裁判「疑わしきは罰せず」 検察「疑わしきは起訴すべし」 簡単のために「疑わしき＝Ａ」とする。 裁判「Ａは罰せず」 検察「Ａは起訴すべし」 裁判では「Ａは無罪」なのに「Ａは（それが本当にＡであるなら）裁判に持って行く」という方針になっている。 これでは始めから敗訴（無罪）が分かってるのに起訴してることになり、村木さんの腱と同様の国家公務員なんちゃら違反になる。
07. 天橋立の愚痴人間 2010年10月06日 15:53:35: l4kCIkFZHQm9g : Xgjc3xTIKU >>01 氏よ 良く考えろ。 ＪＲの事故は実質の被害者と加害者の関係で、被害者が加害者を訴えているのだ。 名古屋の右翼が小沢にどんな被害を受けたと言うのだ。 風聞被害かね。 もう一つに審査請求の根拠として 検察審査会は、告訴若しくは告発をした者、請求を待って受理すべき事件についての請求をした者又は犯罪により害を被った者（犯罪により害を被った者が死亡した場合においては、その配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹）の申立てがあるときは、前項第１号の審査を行わなければならない。 「請求を待って受理すべき事件についての請求をしたもの」とは何のこと。 要するに、あいつは気にいらないと何か何癖をつければ裁判に持ち込めるという話か。 小沢の罪名はどれに当たるのだ、０１よ。
08. 2010年10月06日 16:12:07: pd5EkF5z5E 「疑わしきは起訴すべし」でどんどん起訴されれば、裁判所は逆にどんどん無罪判決を出すだろうね。 現在の有罪率９９％が異常だという批判が強いから、無罪率が高くなることは本来の刑事裁判に近づくともいえる。 ただし、そのときは「被告人」は文字通り推定無罪の扱いを受けなければならない。 逮捕、勾留なんてとんでもないし、呼び方も「さん」付けにしなければならないね。
09. 2010年10月06日 16:24:46: 0oHpb81yh2 そういえば、ほとんどの国会議員は仙谷官房長官とは呼ばずに仙谷さんと言っているし管総理を管さんとも言っている。 親しみがあると言うか、やっている事がバレバレと言うか、権威はないよね。
10. 2010年10月06日 16:56:20: DmCC9k6hHM 　だから取り調べの『可視化』が重要ということ。

11. 2010年10月06日 17:31:32: AQqyLULhMc 疑わしきは補助弁護士の言うとおりに ではないかな？
12. 河内のおっさん 2010年10月06日 18:57:18: Yyy5HM2hjbLWg : hdQj9dXicQ 吉田繁実と言う任地症に近い弁護士が。 小澤氏の起訴を誘導するために 素人の11人に語った例えとは！ ヤクザの親分は子分に直接命令をしない・・・ 阿吽の呼吸か　一人事をを聞かせるだけで 自分の意思を伝え・・・子分に命令を伝達する。 親分が犯罪にタッチしていない捏造工作だ。 小澤氏の関与が有るのか・無いのかと同じ論理だ。 秘書は小澤が信頼する子分で 直接の命令が無くても自分で忖度してやるだろう。 無茶苦茶な推理の飛躍で誘導するだけで 国民が選んだ政治家が抹殺されることに 国民は怒らないのか？？？ 闇の組織が検察審査会制度を巧みに利用。 宿敵小澤氏を強制起訴に持ち込んだ。 今頃は祝杯を挙げていることだろう。 吉田繁実弁護士は良し悪しは別に 終生名を残すことになるだろう。
13. 2010年10月06日 21:12:52: srGWfkDsA2 「疑わしきは・・・」この疑わしきというのは検察の立証責任すなわち挙証責任の組み立てに不備がある場合は被告は証拠に対し不同意と弁護士は合理性に欠いた挙証に対して無罪を申し立てることができるということにかかっている。 つまり被告とは検察によって起訴を申し立てられ罪に問われる犯罪を犯したと検察側がその認定理由を公判において合理的かつそれに付随する裏づけがとれた証拠の開示により被告の罪を立証する責任を検察により被せられた者のことをいう。 然るに小沢氏の場合は起訴断念が二度にわたり行われ、実質的に検察側に挙証できる証拠がないにもかかわらず、本来の公訴理由と異なる公訴理由を検審側が検察に対して突きつけて起訴せよと言っているのだ。 検審のやれと言っている理由は補助のダメ弁護士の理解によると暴力団の親分子分の間の密室の謀議を縦関係の強い世界から逃れられない共同謀議として政治家と秘書にも成り立つと極端に援用したものらしい。 共謀罪は自民党時代に警察が法制化を目指し、ギリギリで成立を避けた非常に危なく冤罪の生まれやすい法律である。 それどころか権力が恣意的に敵を逮捕拘留に狙い撃ちしやすい法律でもあり、こんなものを人権を標榜する弁護士が検審メンバーにレクチャーしたというのだから呆れ果てた弁護士である。 日弁連はこの弁護士から資格を剥奪すべきである。

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