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ゲーム感覚の起訴議決 - 「市民感覚」の無責任と若年審査員の裏:世に倦む日日
http://www.asyura2.com/10/senkyo96/msg/859.html
投稿者 読書中。 日時 2010 年 10 月 05 日 21:23:28: ak3IxOSAEFjas
 

世に倦む日日
ゲーム感覚の起訴議決 - 「市民感覚」の無責任と若年審査員の裏
http://critic6.blog63.fc2.com/blog-entry-389.html

先週末、岸井成格が、「ビデオの公開はないだろう」と言ったので、どういう方法で公開を阻止するのだろうと訝っていたが、なるほど、この手があったかと頷かされた。小沢一郎の強制起訴の発表が前倒しになったことで、政局は一気にこの問題に集中し、中国漁船問題もFD改竄問題も吹っ飛んでしまった。そしてまた、陸山会事件(1月)、幹事長辞任(6月)、参院選(7月)、代表選(9月)に続いて、今年に入って5度目となる「反小沢」の憂鬱な政治の季節となった。日本の政治は「反小沢」ばかりやっている。「反小沢」の政局は、マスコミと官僚が主導権を握る政局でもあり、消費税増税を執拗に宣伝する政局でもある。報道が陶片追放(オストラキスモス)を煽る衆愚政治(オストクラティヤ)の季節であり、無力感に苛まれて歯噛みさせられる季節である。総選挙で政権交代を実現し、高校無償化や母子加算復活や農家戸別補償を導いた小沢一郎は、サラミスの海戦をアテネの勝利に導いたテミストクレスだろうが、これを潜主として葬り去らねばならぬ理由が権力の側にはあるのである。私は、これから残酷な掃討戦が始まるのだと代表選直後の記事に書いたが、あの政治闘争の続きが始まるのだ。これまでの3週間はゴングとゴングの間のブレイクだったのである。小沢一郎と小沢派の追い落としに燃える菊田真紀子の顔が浮かぶ。血に飢えた狼のように猛り狂った民主党の反小沢派議員の顔が浮かぶ。彼らが小沢派に襲いかかる。  

早速、朝日の社説は「自ら議員辞職の決断を」と書いている。昨夜(10/4)の報ステに出演した後藤謙次は、離党して裁判に集中せよと言い、離党した小沢一郎は大勢力を束ねる実力者たり得ず、小沢派は雲散霧消するだろうと予想を言っていた。政局予想は最後に述べたいが、仮に小沢派が潰されたとしても、小沢一郎が日本の政治の世界で影響力を失うとは俄には思えない。なぜなら、他に能力のある政治家がいないからだ。「国民の生活が第一」の政治を期待できる指導者がいないからだ。能力のある者は必ず浮き上がって来る。捲土重来するだろう。迫害と試練の中で小沢一郎のカリスマは巨大化し、官僚とマスコミが牛耳る衆愚政治の世を否定する神聖なシンボルとなる。マスコミの言説と世論報道に懐疑を抱く者、異議申し立てをする者は、特に地方から靜かに増えて行くはずで、小沢一郎が迫害と受難の中にいるという心象と確信は、この国の弱者の中で徐々に鮮明になるだろう。小沢一郎の不遇を憐憫する気分は、小沢一郎に対する信仰に近い感情に化学変化するに違いない。弱者は虐げられ蔑まれるものだ。弱者の立場に立って抵抗する者は、必ず社会を支配する強者によって排除され、名誉を失墜させられる。石を投げられ、十字架を担いでゴルゴダの丘へ歩かされる小沢一郎を見て、この国の真実に気づく者が現れるだろう。

当初、検察審査会の発表は今月の下旬に行われると報道されていた。記憶では、本当なら8月中には議決が出る予定だったが、9月に代表選があるため、それを避けて10月下旬に先送りしたという説明になっていた。議決の日付が9/14という事実も奇怪だが、その発表が昨日(10/4)に前倒しされたのは意外で、その裏に何らかの意図を嗅ぎ取らざるを得ない。私は、Twitterにも書いたが、これは仙谷由人と前原誠司の謀計であり、野党が国会で中国漁船問題で攻勢に出るのを阻止するべく、強制起訴の発表を早めて「反小沢」の政局に持ち込んだのだと推測する。この発表がなければ、国会も報道も中国漁船問題の攻防が焦点となり、ビデオ公開の是非や方法をめぐって紛糾し、仙谷由人の政治介入の心証が深まる政局の情勢だった。中国漁船問題では政府が隠している事実が多い。それが一つ一つ露呈して、「検察の判断」とする公式説明の辻褄が合わなくなると、現在は中国叩き一色の国民の声が政府批判に向かう可能性が大きかった。国会冒頭から、政府は窮地に追い込まれていた。国民の関心を逸らし、別の問題で報道を埋めるには、強制起訴を発表して小沢政局にするのが最も都合がいい。小沢一郎はマスコミの敵であり、マスコミは小沢潰しに血道を上げる。離党勧告と議員辞職決議の政局に持ち込み、小沢一郎を叩き潰しつつ、中国漁船問題をうやむやに葬り、料亭で野党と法案の取引をし、年末の消費税増税の政局を仕込むのである。

検察審査会と言っても、そこには事務局の存在がある。審査員は一般の市民だが、事務局の人間は官僚である。マスコミに情報を流すのは事務局で、彼らが記者の取材を受け、記事中に「関係者」として登場する。事務局の人間の名前は表に出ないが、彼らが内閣官房や検察幹部の指示の下で動いているのは歴然で、強制起訴の発表の時期や説明は間違いなく仙谷由人にコントロールされている。朝日の紙面では、2面記事に官僚を代弁して次のような言い訳を書いている。「議決を公表するまでに、3週間近くかかったのは、審査員の意見を書面にまとめる作業に時間がかかったためとみられる」「審査員らが口を開かない限り、その経緯は不明だ」。官僚たちは、発表を遅らせた理由と責任を白々しく審査員の所為にしている。今回の議決については、ネット上に全文が載っているが、中身はきわめて短いのに驚かされる。何度も会議を開いて延々と審査を続け、重大な決定を下したにも関わらず、理由説明は拍子抜けするほど僅かな分量でしかない。朝日の33面に理由の「要旨」が掲載されているが、ほとんど原文と同じ内容と字数だ。私はてっきり、原文は数十ページの理由説明が詳細に述べられているものと想像していたので、その「市民感覚」の軽さに唖然とする。そして、この程度の「理由」をまとめるのに3週間かかったという事務局の嘘に気づく。まさか、先に「起訴すべき」の結論だけ出し、後で「理由」を調整していたのだろうか。そんな事が司法の世界で許されるのだろうか。審査員が審決理由の説明文の一語一句に責任を持たず、事務局の調整任せにするなど、信じられない話だ。

今回の検察審査会の議決について、彼らの「市民感覚」に対して、私の市民感覚で納得できずに首を傾げる部分がある。それは、議決の「まとめ」にある以下の主張だ。曰く、「検察審査会の制度は、有罪の可能性があるのに、検察官だけの判断で有罪になる高度の見込みがないと思つて起訴しないのは不当であり、国民は裁判所によって本当に無罪なのかそれとも有罪なのかを判断してもらう権利があるという考えに基づくものである。そして、嫌疑不十分として検察官が起訴を躊躇した場合に、いわば国民の責任において、公正な刑事裁判の法廷で黒白をつけようとする制度であると考えられる」。これは要するに、容疑者のシロクロか明確でない刑事事件は、グレーだから起訴せずと検察が判断するのではなく、まず起訴して裁判所にシロクロをつけさせろという主張である。この考え方が検察審査制度の基本だと言うのだが、果たして正当と言えるのだろうか。と言うのは、われわれが司法の常識と考えている「疑わしきは罰せず」の法原則と根底から矛盾するからである。検察が容疑者を起訴するのは、証拠を入念に調べた上で100%確実に有罪にできると確信した上での行為であり、そうでなければならないのではないのか。有罪にできる自信も根拠もないのに、まるで面白半分に訴追して裁判所に判断を委ねるなど、そういう浮薄な公訴の提起があるだろうか。起訴されて容疑者から法廷の被告人になることは、人権がかかった重大なリスクである。審査員は責任の重さをどこまで自覚しているのか。あまりに強制起訴の「理由」が軽すぎる。

報道では、この議決に関わった審査員は11人で、その平均年齢は31歳だと言う。高齢化社会の日本では異常に若く、この審査員の人選における年齢構成が偶然なのかどうか疑問を抱く。深読みをすると、起訴しても無罪がほぼ確実なこの事件の検審強制起訴を、31歳の若い市民がやったことだからだと、軽率さを後でエクスキューズする算段の検察の姿勢が看て取れる。特捜部が捜査のチームを組むときも、年齢のバランスは必ず配慮するし、主任検事は捜査の経験を積んだ者が担当する。裁判官を見ても、裁判長は複数(奇数)の中の年長者が担当している。長幼の序とか年功序列もあるが、経験を長く積んだ者が、正しく慎重な判断を引き出せるのだという真理があるからで、とりわけ司法ではそれが重視されるという意味ではないのか。検察審査会の事務局は、そうした司法の世界の慣例に敢えて逆らうように、市民の素人感覚を無理に強調して演出するかの如く、異常に若い年齢構成で審査員を揃えた。本来、議決に説得力を与える意思があったなら、この平均年齢は不適と判断して、事務局がバランスを考慮しただろう。若い市民たちは法律知識もなく、ただ事務局が用意した弁護士に誘導されるまま、直截的に「市民感覚」を発揮したのに違いない。9/14に議決がされた日程から想像すると、審査が結論に至る正念場は代表選が佳境の日々で、まさしく、マスコミ報道の激越な反小沢宣伝がピークに達していた時期だった。若い市民たちは、躊躇なくマスコミの言う「国民」の声に従ったのだろう。

「国民」の声はマスコミが世論調査で出していた。世論調査の数字に背中を後押しされ、若い審査員たちは小沢一郎の強制起訴の結論を出したのだろう。「理由」の説明の記述にある「国民の責任において」という一節が象徴的だ。つまり、小沢一郎を起訴して裁判にかけることは、国民の多数が求め支持していることであり、国民多数の利益に適うと確信できることであり、よしんばそれで国民が不利益を蒙る事態になっても、その責任は国民が被るのだという底意が編み込まれている。この文言を誘導したのは官僚(事務局)だろう。官僚の本音が透けて見え、してやったりとほくそ笑む素顔が見える。裁判はゲームではない。裁判所でシロクロつける間、政治が休戦してポーズ(一時停止)状態になるわけではない。起訴と同時に、離党勧告や議員辞職決議の動きが始まる。この場合、起訴は政治家を失脚させる指令である。この審査会の議決も、マスコミ報道の説明も、あまりに安易なゲーム感覚で裁判を考えすぎていて、特に政治家を裁判にかける意味の重大さが踏まえられていない。政治家は国民から投票で選ばれた代表であり、特に小沢一郎は与党の重要政策の決定に関わる指導者であり、政治家の判断と行動で国民の生活と生命が左右される。例えば、薬害肝炎に苦しむ国民にとって、誰が政治をしてくれるかで、命が延びたり縮んだりする。救済されたり、切り捨てられたりする。人の命が政治家に左右される。そういう弱者の国民が無数にいる。

「政治とカネ」の問題は重要だが、果たして、審査員の若者たちは、弱者の国民と小沢一郎の政策との関係を理解した上で、起訴の判断を下したのだろうか。政局については次の稿で論じたい。

2010-10-05
 

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コメント
 
01. 2010年10月05日 21:42:19: ZrWcP3yQQY
年齢は全く関係ないでしょう
若ければネットを利用する人の割合も自然と多くなるし
それだけアチラ側にとっては不利になる危険もあったわけだから

しかしこの意見は11人がきっちりと無作為に選ばれていた場合の話で
そうでないことはハッキリしています

一番の問題はやはり吉田繁實でしょう
http://www.asyura2.com/10/senkyo96/msg/797.html


02. taked4700 2010年10月05日 21:46:28: 9XFNe/BiX575U : lGNDKvYXUp
非常に鋭い。

>今回の検察審査会の議決について、彼らの「市民感覚」に対して、私の市民感覚で納得できずに首を傾げる部分がある。それは、議決の「まとめ」にある以下の主張だ。曰く、「検察審査会の制度は、有罪の可能性があるのに、検察官だけの判断で有罪になる高度の見込みがないと思つて起訴しないのは不当であり、国民は裁判所によって本当に無罪なのかそれとも有罪なのかを判断してもらう権利があるという考えに基づくものである。そして、嫌疑不十分として検察官が起訴を躊躇した場合に、いわば国民の責任において、公正な刑事裁判の法廷で黒白をつけようとする制度であると考えられる」。これは要するに、容疑者のシロクロか明確でない刑事事件は、グレーだから起訴せずと検察が判断するのではなく、まず起訴して裁判所にシロクロをつけさせろという主張である。この考え方が検察審査制度の基本だと言うのだが、果たして正当と言えるのだろうか。と言うのは、われわれが司法の常識と考えている「疑わしきは罰せず」の法原則と根底から矛盾するからである。


この部分に全面的に賛成です。


03. 2010年10月05日 22:37:24: tvTVcpKrKQ
情報がないので推測に過ぎないが、こんなところだと思う。

年齢もあるが、女性が多いのも気になった。各種調査で男女では女性の
方が小沢に厳しいし、洗脳しやすい。わずか一人の差だが、影響は小さく
ない。

若い方が政治家を起訴する重みがわからないと考えたのだろう。年配の
方が反感は強いかもしれないが、小沢の実力も知っている可能性が高く、
起訴には躊躇するのではないか。また、平均31歳が自分よりかなり年長の
専門家である補助弁護士の主張に異を唱えるのはなかなか難しいと思う。

抽選の段階でおそらく先入観の調査のような感じで政治への関心を聞いている
だろう。そこから関心の高いのを除けば、小沢を起訴しようがしまいが
関心のない連中が抽出できる。それならば補助弁護士が容易に誘導できる
し、わからないのは裁判所に任せるという形で起訴になったのではないか。


04. 2010年10月05日 22:41:13: jfFAZGb6iI
菊田真紀子氏は一心会じゃなかったのか…
森ゆう子氏の仲間だとばかり思ってました。いろいろあるんですなぁ。

05. 2010年10月06日 01:06:32: GnrNQQhjtw
在特会信奉者の平均年齢は30歳前後ではないか。

06. 2010年10月06日 01:24:07: aJ2zSScZ2c

今回の出来事は政界再編への号砲となるでしょう。

仮に小沢氏が離党したら、小沢グループが崩れるより、遥かに速いスピードで民主党が内ゲバで瓦解すると思います。

運動家出身の議員達の攻撃目標がなくなり、統制がきかなくなる。

結局、どのようなプロセスを辿っても、思想・理念が全く違うので、

代表選時の2勢力に分裂すると思います。

それは自民党も同様で…結果、政界再編になると読んでいます。

今回の出来事は政界再編への号砲となるでしょう。

そして、また小沢一郎は浮かび上がってくるでしょう。


07. 2010年10月06日 12:39:46: 9PUFJCjeb6
小沢さんの一連の事件を特集するテレビ番組を作成し、本人にも説明してもらえばよい。ゴールデンの時間を買い取り、全国ネットで放送する。

放送枠の買い取り資金は市民からのカンパでよい。私は1万円位なら出してもいい。制作スポンサーは小沢一郎の起訴糾弾委員会とでもすればよい。

小沢よりの番組でかまわない。説明すれば、馬鹿みたいな冤罪であることもわかる。アメリカの陰謀だと言っても事実だからかまわないだろう。

少なくとも、説明責任を果たしてないとは言われなくなる。説明聞きたいならこの番組見ろと言える。
私は聞いてないという人にはDVDでも、Youtubeにアップしておいても良い。これが小沢の説明ですと。

事実が国民に知れれば、国会の証人喚問も恐れることはない。
是非やって欲しい。

どうしてもと言うならもう少しお金を出してもいい。


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