http://www.asyura2.com/10/senkyo96/msg/646.html
Tweet |
「週刊ポスト」10.8日号
平成22年9月27日(月)発売
小学館 (通知)
大新聞「世論調査」の支離滅裂
「首相の指導力に期待2%で「内閣支持率」60%超って…?
大新聞の1面は、世論調査か「白鴎連勝」か、最近になって「村木事件」が加わったくらいで、もはや報道を放棄したようだ。
そのキラーコンテンツ≠ナある世論調査が、いよいよ壊れてきた。
*
菅内閣の支持率上昇が止まらない(笑)。発足直後に「消費税率を上げます」と宣言して人気が急落、参院選惨敗の時点で約30%まで低下した。ところがどっこい、ソコを底に、代表選で小沢一郎・元幹事長を打ち負かすまで、一直線に上がり続けたの、である。
そしてついは、発足当初に比肩する60%台にまで回復した。
大官房長官・仙谷由人氏は記者会見で、乱高下に緊迫する市場を引き合いに出す不謹慎な言い方で、
「為替の変動と同じで、大きな変動はうれしいような、困ったような感じ」と二ヤケてみせた。
本誌読者はもうわかっていると思うが、大新聞の世論調査は自由自在に結果を変えられる魔法のツールである。質問の仕方、順番、選択肢の並べ方までノウハウがあり、調査する側が期待する結果を導き出す手法が確立している。そして大新聞は、世論誘導するために印象報道、偏向報道を繰り返して、その下地を作るのである。
さて本題。代表選を終えて各紙が実施した調査では、軒並み内閣支持率が発足以来最高水準に達した。
・朝日 59%
・読売 66%
・毎日 64%
・産経 64%
(産経は小数点以下、四捨五入=以下同)
参院選惨敗後、何もしていないのに支持率が上がるのは、ちょっと不思議な感じがする。当然、各社は「なぜ支持するのか」を訊いた。
注目すべきは「首相の指導力」である。菅氏は代表選でも、「これは誰が総理大臣にふさわしいかを選ぶ選挙だ」と強調し、自分のリーダーとしての資質が優れていることを自慢してきた。が、どうも国民の評価は違うようだ。質問の仕方は多少違うが、各紙で「首相の指導力」を内閣支持の理由とした割合はこうだ。
・朝日 11%
・読売 2%
・毎日 5%
・産経 24%
菅サン、残念! それにしても「2%」はちょっとヒドくないか。
で、各紙の調査で最も多い支持理由は「民主党内閣だから」で並んだ。産経は念入りに「代表選で首相が小沢氏より支持された理由は」という質問をしているが(この質問そのものが意味不明だが、恐らく「支持された理由をあなたはどう想像するか」という意味と解釈する)、その結果、第1位の答えは「首相を頻繁に代えるのはよくない」だから、やはり菅人気は大したことなさそうである。
その産経が興味深い質問をしている。
「菅改造内閣でもっとも期待している閣僚は」
栄えある第1位は前原誠司・外相でダントツの27%、次いで蓮紡・行政刷新相で13%、あとは一桁で大きく離された。産経が大好きな前原氏がプッチギリという結果にはちょっと首をかしげたくもなるが、無名大臣ばかりの内閣だから、知名度では大きくリードしたのだろう。ちなみに仙谷官房長官の支持率は残念ながら1%で、他の閣僚とドングリの背比べ。やはり左翼活動家出身では、保守系の産経で上位は無理なようだ。
「小沢は嫌い」の確認作業
政治家は国民の人気も気にするが、国民にとって本当に大事なのは政策だ。では、菅内閣の政策に期待する人はどれだけいたか。
・朝日 21%
・読売 16%
・毎日 12%
(産経は個別政策ごとに賛否を問う形式)
やっぱり低い。指導力も政策も期待しないけど、民主党内閣だから支持する。それで国民の3分の2が、この内閣で良いといっているというのは、いくら平和ボケの日本人でも本当なのかと疑いたくなる。
朝日は、さらに重ねて政策のテーマごとに期待できるかどうかを訊いている。
・景気・雇用対策 29%
・年金・医療 36%
・外交・防衛 26%
・消費税問題の進展 30%
ダメじゃん!
いよいよ、なぜ支持率上昇かがわからなくなる。
賢明な読者は気付いているかもしれないが、要するに「あの人」に勝ったから支持する、という答えが多かっただけなのだ。
各紙とも同じ調査で、念入りに「小沢一郎」について質問している。いつもの「政治とカネ」から始まり、「要職に就かなかったことは良かったか」などだ。朝日と毎日は控えめに1問付け加えただけだったが、読売は3間、産経は前出のわかりにくい設問を含めて6問も「小沢関連項目」を設けている。
「小沢嫌いには小沢が必要だ」といわれるが、まさに小沢嫌いの新聞ほど「小沢項目」が多くなる。笑えるのは、読売が「小沢氏が民主党の中で今後も強い影響力を持つか」と訊いたら、68%が「そう思う」と答えている。内閣支持率より高いわけね。
井田正道・明治大学教授(計量政治学)は、こう分析する。
「本来なら政権発足直後で政策評価などできない段階なのに、各紙の調査では政策への評価が低い。それほど期待できないと思われているにもかかわらず、内閣そのものの支持率が高いのは、一連の小沢バッシング報道による刷り込みが、反小沢なら支持する、という民意≠ノなって表われたとしか説明できませんね」
刷り込む腕力が特に強いのが先の産経と読売だが、ここは右代表で読売の設問を紹介しよう。
「小沢さんは、自らの資金管理団体をめぐる『政治とカネ』の問題で、代表選拳の期間中、強制的に起訴されても、離党も辞職もしないとしていました。この小沢さんの主張に、納得できますか、納得できませんか」
TBS出身で世論調査に詳しい上智大学の渡辺久哲・教授が苦笑する。
「電話調査にしては質問が長すぎます。ここまでくると、『納得できませんね?』という確認作業で、バイアスがかかっているといわれても仕方ないですね」
ちなみに産経は、6割以上の国民が支持する大人気内閣が「どれぐらい続くか」と訊いている。なんと「来春の予算成立前後まで」が37%でトップ、全体で1年以内に潰れると思っている国民が60%に達した。
結論。調査が適正かどうかはともかく、各紙の結果でわかったこと。
@菅内閣は期待できない
A小沢は許せない
Hでも小沢は死んでない
以上。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK96掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。