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ときの首相にどれだけ求心力があるかは、国会演説の反応を見れば分かる。菅直人首相は所信表明演説にあたり「先送り一掃宣言だ」と意気込んだが、演説中に民主党議員が私語を交わす姿が散見され、中井洽(ひろし)前国家公安委員長らはうつらうつらと居眠りを続けた。
熱心に聞き入ったのは皮肉にも野党議員だった。
「政権を本格稼働させる段階に入った。『有言実行内閣』の出発だ」
首相がこう訴えると、「有害実行だろ!」と激しいヤジ。参院選大敗に続き、尖閣諸島沖の漁船衝突事件でも歴史的大失策を犯した首相は、与野党双方からの逆風に立ちつくした。
肝心の演説内容も一見実務的にみえるが具体性に乏しく、空虚なスローガンばかりが並んだ。「経済成長」「財政健全化」「社会保障改革」…と品ぞろえはもっともだが、どう実現させるのか。日本の将来をどうしたいのか。さっぱり見えない。
衆参ねじれ国会の厳しさは十分自覚しているようだ。首相は「『政策の国会』となるよう願っている」「結論を出す国会となるよう期待する」「ともに頑張りたい」と野党に熱いラブコールを送った。
だが、そこに願望はあってもビジョンはない。言葉の上っ面で低姿勢を取り繕っても心には響かない。
総じて低調だった演説中、衆院でもっとも大きな拍手が起きたのは、尖閣諸島について「領土問題は存在しない」と述べた部分だった。これも至極当たり前のことを言っただけにすぎないが、参院では、この部分でさえも拍手は起きなかった。
演説で首相は、外交や日中関係に比較的大きな時間を割いた。「今日の国際社会は『歴史の分(ぶん)水(すい)嶺(れい)』とも呼ぶべき大きな変化に直面している」と指摘し、こう訴えた。
「国民一人ひとりが自分の問題としてとらえ、国民全体で考える主体的で能動的な外交を展開していかなければならない」
その趣旨に異論はない。ただ、民主党政権がこの1年間余り、対米、対中、対露の各外交で「受動的・他律的外交」を繰り返し、迷走と敗北を続けた事実とどう整合性をとるつもりなのか。政府は「お手上げ」状態なので国民に「対応を考えてくれ」と下(げ)駄(た)を預けたようにも受け取れる。
「国民が『よし、やってみろ』と私を信頼してくれるかどうかでリーダーシップを持つことができるかどうかが決まる」
首相は就任直後の6月の所信表明演説でもこう述べ、やはり国民に責任を転嫁した。同志であり、最大の理解者である伸子夫人は、著書に首相の政治信条をあけすけに記した。
「政治というのは『その場対応』でどうにかやっていくしかない」
「政治家が何か高(こう)邁(まい)な理想などを掲げると、ろくなことにならない」
今回の演説からも、首相の掲げる「現実主義」とは、信念も見通しもない「場当たり主義」ではないかとの疑念はぬぐえない。(阿比留瑠比)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101001/plc1010012213034-n1.htm
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