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第176臨時国会が1日、召集された。会期は12月3日までの64日間。追加景気対策を盛り込む2010年度補正予算案が最大の焦点となるはずだったが、中国の圧力に屈した漁船衝突事件一色になりそうな様相だ。菅直人首相(63)と仙谷由人官房長官(64)は政治責任について、のらりくらりと乗り切る構えだが、証拠ビデオ公開を尻込みし始めるなど、政府の足腰は定まらない。そもそも、ここまで中国にナメられる背景には、「民主党の“売国政策”がある」との指摘も出ている。
仙谷氏「検察官の手持ちになったビデオを総理大臣がもってこいというのが、あなた方のいう政治介入にはならないんですか」
9月30日の衆院予算委員会。仙谷氏は集中審議で、「証拠ビデオをみていない」と自白した菅首相を追及する自民党の塩崎恭久氏(59)に対し、質問時間を少しでも消化させるかのように、ゆっくり、ドスを効かせながら答弁した。
菅首相に至っては「個々の通常の案件でそういうところまで総理がやるかやらないか、それはそのときの判断だ」と開き直り、さらに仙谷氏は「私の尊敬する御党の谷垣禎一総裁は『逮捕した段階で釈放する手もあった』ということをおっしゃった」とあてこする。
中国船長釈放の判断は、すべて検察に責任を押しつけ、「政治介入はなかった」と押し通した菅政権。塩崎氏に「検察に外交を任せる珍しい政権だ」と皮肉られても、3時間の集中審議を乗り切った。
しかし、菅政権にとり、尖閣問題が臨時国会最大の難問となったのは間違いない。汚名返上も期す谷垣氏は、6日から衆院本会議で始まる代表質問で、質問時間の3分の1近く尖閣問題に充てる方針。その後の衆院予算委員会でも、野党は政治介入の有無や政治責任について徹底的に追及する構えだ。
中国当局が、中堅ゼネコン「フジタ」社員1人の拘束を続けていることも、政府にとっては弱り目だ。政府は、早くも証拠ビデオの公開を渋り始めており、自民党国対幹部は「国会開会中もどんどん中国への弱腰ぶりが顕著になっていく。行き当たりばったりの外交を攻撃する材料が、黙っていても転がり込んでくる」。ある閣僚経験者も「尖閣で菅内閣の支持率は10%以上落ちる」と言い、検察幹部の証人喚問などを含め徹底抗戦する構えだ。実際に産経新聞社とFNNの合同世論調査では約16ポイントの急落となった。
そもそも尖閣問題で政府・民主党がふらつき、中国が理不尽な圧力をかけ続けてくる背景には、「民主党の“売国政策”があるからだ」(保守系議員)との指摘がある。
■「琉球は中国」潜在意識に迎合
その象徴が2008年7月に党内でまとめた「民主党沖縄ビジョン」。何度か改訂しているが、内容はほぼ同じ。具体的には、まず在日米軍基地の大幅縮小、思いやり予算の削減などを掲げたうえで、沖縄の自立を提唱している。自立に向けては試行的に「一国二制度」や地域通貨の導入を指摘しており、中国を含めた東アジアの人的交流の拠点を目指す−としている。
単に、お題目を並べた政策にみえるが、尖閣諸島沖の衝突事件で露呈したような菅政権の弱腰外交が相まって、額面通り受け取る向きは少ない。一体、どんな風に解釈されているのか。
在日米軍基地の縮小・一国二制度→丸腰の沖縄→中国人の大量入植−という筋立てになり、ネットを中心に「沖縄の自立とか耳障りのいい内容ばかりだが、その内実は、沖縄を日本から分離し、中国に売り飛ばす政策」との批判すら再燃しているのだ。
反日的な言動が目立つとされ、菅改造内閣で国家公安委員長に就任した岡崎トミ子氏らが中心となって、当時の沖縄ビジョンを策定したことも物議を醸している。さらに、菅直人首相が副総理・国家戦略担当相だった昨年9月の政権交代直後、民主党議員に対し「基地問題はどうにもならない」「もう沖縄は独立した方がいい」と打ち明けていたことも、「沖縄ビジョン」の不評に拍車をかけている。
元公安調査庁調査第二部長の菅沼光弘氏は 「もともと沖縄は琉球時代、中国に朝貢していた経緯から、『琉球は中国』という潜在的意識に加え、中国の立場に迎合する思想の持ち主が民主党議員の一部にある。それが沖縄独立発言につながったりしているのでは…」と分析。
今回の衝突事件の処理については、「衝突事件の処理をみても、戦略的に動くのではなく、目先の事態収拾に四苦八苦してばかりでは、将来的に良好な日中関係を構築することは難しい」と手厳しく批判した。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20101001/plt1010011218001-n1.htm
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